結! は短く1コマでもいい
斯くして、わしは吉田ノラとなった。
どういうわけか、起きたら吉田に拾われていたのである。
「ノラにゃ〜〜〜〜〜ん。可愛い可愛いでちゅねえ〜〜〜〜〜」
わしを抱き上げるのは、リナ、超巨大猫の幼体である。
カナの半分の大きさしかないのに、わしへの積極性はカナとはる。
「ずる〜〜いパパもノラ%$:〜〜抱っこする〜〜〜」
「や〜〜〜」
吉田がわしを撫でる。
なんつーかこの巣の超巨大猫はみんなこんな感じである。
この家にはたくさん猫がおって、みな、気のいい奴だが、しばらくすると新たな巣へと旅立ってゆく。
ここはそういう場所なんだそうである。
最近仲良くなったタテジマの翁が言うに、わしは死体を食ったので、モライテとやらは探されず、吉田の家猫として翁の後を継ぐことになる、とのこと。
この翁はすごいもので、超巨大猫の言葉を解し、わしの見間違いでなければ、たまに尻尾が二本に分かれておる。
カナはといえば、あれ以来全く生えてこない。
ただ一度、吉田家特製猫ベッドとやらで寝た時に、夢枕というのか、そういうところに現れ、わしを覗きこんでおった。
『ノリャリャ、吉田#”%、%&¥>でしょ?』
カナは相変わらずカナ語で喋りかけてきよって、神さんも隣にいたが、あの日のように意味の通じることはなく。
「今回は朕にもちょっと責任あるからぁ〜、特別サービスなんだからねっ」
神さんについてはよくわからんが、悪い奴ではなかったのではないか。カナの巣の匂いがするし。
『ノリャ、可愛いね。ノリャ@#幸せにゃん?』
夢枕のカナはなんだか寂しそうで、目から放尿されて濡れるのもごめんなので、適当にカナの前肢に頭をこすりつけてやった。
そうするとカナが幸せそうにするくらい、わしは学んでおるのである。
幸せそうな超巨大猫は、御し易い。
『ノラ。大好きだよ』
これはカナの頻出単語であるな。知っておるぞ。
カナが、こすりつけるわしの頭の、耳の裏を撫でる。わかっておるではないか。これだから御し易いというのである。
『大好きだよ』
知っておるぞ。
『ずっと大好き』
ずっと知っておるぞ。
『好きが`=#$』
それはわからん。
『幸せになんなさいね』
そう言われて、わしは目覚めた。
カナはおらなんだが、翁がしたり顔でこちらを見ており、なぜかカナの巣の匂いがした。
超巨大とはいえカナも猫であるので、ここに来たということは、新たな巣へと旅立ってゆくのであろう。ここはそういう場所なんだそうであるゆえ。
幸せになんなさいね。
これもまた、カナ語の頻出単語である。
貴様こそ、どこに行こうと、しあわせで、つまり御し易くあるがよい。