承! は気持ち長めに!
幸い、この辺は野ネズミのテリトリー。
わしが単身生きていくのに、不足はないのである。
『ノリャ〜〜あああきゃんわいいけど#%Q$%&>;@、おうぇえ。…………。…………………………………。……』
食事の時だけ、カナは黙る。
静かでよい。
水たまりをなめれば、野ネズミの血も落ちる。
食事にありつけたのはいつ以来であろうか。
『;+@$しっしっ! ノリャ、;+@$#飲んじゃダメだよ!』
背中から、カナがにゅうっと伸び、水たまりに映ったとおもったら水面をばしゃばしゃかき乱す。
わしには新鮮な水が得られてよい。
オカンヌに追い出されて辺りが暗くなったり明るくなったりが10回の3回よりもっとあり、よその猫のナワバリに踏み込むことが10回の2回と2回あって、わしはカナが背中にいるのに、慣れた。
水たまりには、赤い糸状の生き物とややもすると消えそうな虫とまるまるしたおいしいかも知れない虫がいたが、カナがばしゃばしゃやるので、そのどれも、ばしゃばしゃに押されて流れていく。
さて、満腹になったら昼寝である。
姿勢をあげたらカナがびよんと後方にふっとんだ。
落ち着きのないやつである。
『あっノラたんあっちょっ待っ止まっ、ひきずら@><$%あっ♡ でもこの`;え<#もイイしっぽきゃーわうぃい♡♡ ふぁーコレ%<::*見られないわ。 おなかFUっSAっFUっSAっ。きゃーわいいねぇえええ』
寝床を探す。
野ネズミのいる場所で気をつけねばならないのは、なんか長いにょろにょろである。
わしは幸い、日のよく当たる暗い石を見つけた。
平地よりちょっと小高いので、見晴らしも良さそうである。
日の当たらない暗い石はただの暗い石だが、日の当たる暗い石はぬくい暗い石である。
わしがのっこらせと登ると、暗い石は動い『みぎゃーーーーー!! ニョラ逃げて! ニョラーーー!!』
わしはころんと落ちた。
ミッと警戒する。『ファーしっぽ太くなった! しっぽファーーーーーー!!! 太っ、きゃわい逃げて!!!』
石から、カナのように目鼻口のある頭がにゅうっと。
なんと、この石もなにかを食って面妖なことになったであるのか。
「おっ、ネコチャンじゃないかい、やぁ、俺はカメタン! リクガメだよ! なぁんだよそんな警戒しないでくれよ。なんだぁ、さては俺を路傍の石と間違えたってなぁ? HAHAHA、よく間違えられるんだよねぇ、なんせこのでかさだろう? まっ、ほら大きいって格好いいからさ、格好いいから仕方ないっていうかな、人気者の宿命っていうの? HAHAHA」
石はカメ担さんとやらを食ったのであるな。
面妖仲間は初めてである。
『おまえー、ニョラたんに@%⭐︎+$・__¥:$! ##rp¥! *’g%3√! △△△! でもきみもカワイイね』
「なになに? 寝ちゃう? ネコチャン、寝ちゃう? まいるな〜、いんすたばえしちゃう。フォトジェニッ★ てやつぅ? でもいいよ、俺そろそろひゃくねん生きてるけどさ〜、よくネコチャンが上で寝てくんだよね、ほら俺って大きいからさ、大きいって格好いいからさ、格好いいから仕方ないっていうかな。な? ネコチャンも俺のいんすた、ふぉろーしちゃう?」
『にょりゃ〜、△(>|$、悪いp@*ないよ。つL&"B#+;、%&<上にいるニョラ見てみたい。√Q`@$*//&¥0? やだっ、きゃわいいっ』
食われる側とは、なにか、やかましくないといけない決まりでもあるのであるのか。
警戒して興奮の結果寝る気の失せたわしは、カメ担さんに憑かれた石を後にした。
なんかもう、鳥でも狩りたい気分である。
「へい、どこいくんだいネコチャン! ていうか、なんか長くてにょろにょろしたもの体に巻きついてるよ!」
それは伸びたカナである。
気分の昂ぶるまま、狩りをする。
『うゔぉっ、おうぇえ、やめなさい、いちびり$2+</やめなさい! 食べる$&げjWΘ”#¥=’;α、かわいそぉげぇ、…………。…………………………………。……』
昂りでカナの声が聞こえなくなったのか、黙ったのか、まぁ、静かでよい。