第五十一話 ダンジョン攻略完了
俺が、 目を覚ますと体は完全に回復をしていた。
そしてミカはと言うと俺の服を脱がそうとしていた。
「おい。 お前は何をしているんだ?」
「さっきも言った通り既成事実を作ろうとしているだけ」
「おい! お前ここは、 一応外だぞ! それなのに恥ずかしくないのかよ!」
「問題ない。 優が望むならたとえ人が大勢いるところでも構わない。 むしろ興奮する」
こいつ変態だ!
ルーの妹だから多少は、 覚悟していたがまさかここまで変態だとは思わなかったよ!
「と、 とりあえず今からお前がくれた服に着替えたいから少しどいてくれ!」
「わかった」
そうして俺は、 着替えようとしたのだが俺が初めてルーの前で着替えたときと同じようでこちらを鼻息を荒くしながら恍惚の表情をしながら見つめていた。
祝福シリーズは、 かなり派手な見た目のためあまり好みではないのだがその破格の性能から俺は、 大人しく着た。
「どうだミカ? 似合うか?」
「とっても似合っている。 今すぐにでも押し倒したいくらいに」
そうミカは行った後、 自分の唇を舌で舐めた。
こいつ肉食系すぎないか?
「優! 無事!」
「優さん! 無事なんですか!」
「優! 助けに来たぜ!」
そう言いながらミスティ、 エレン、 マチルダの奴は部屋に入ってきた。
そして彼女たちは、 俺の無事を確認すると今度は俺の隣にいたミカを見た。
ヤバい。
どうごまかそう。
「ねぇ優。 その子誰?」
「ええ、 私も知りたいですね」
「優正直に答えたほうが身のためなんだぜ」
そう言って三人は、 こちらに迫ってきた。
彼女たちは多分怒っている。
なぜ怒っているかは、 わからないがとにかくこの状況を何とかしないと。
「ここは、 私に任せて」
そう言ったのは、 ミカだ。
「だ、 大丈夫なのか?」
「大丈夫。 だから優は、 大船に乗った気持でいると言い」
「わかった。 ここはお前に任せる」
「さっきから何こそこそしてるのよ?」
「そうですよ! 今は、 私と話をしているんですよ! それなのに他の女性と会話をしないで下さい!」
「この二人は、 おいといてせめて僕にだけは事情を話して欲しいんだぜ」
「ええとこいつは……」
「私は、 優の妻」
こいつ今何か最悪な言葉を言わなかったか?
「へぇ。 優の妻ね。 仮にその話が本当だとして、 なんであんたがここにいるの?」
「それは優に危険が迫ってるのを感じたから」
「じゃあ次の質問です。 あなたはどうやってここに来たんですか?」
「それは、 簡単なこと。 ワープ」
ミカは、 そう言いルーと同じワープの魔法を見せた。
「なんですかその魔法は?」
「これは、 ワープと言う魔法。 効果は自分の知ってる場所に行ける」
「あなたはこの場所を知らないはずですよね? それなのになんでこの場所を知ってるんですか?」
「それは、 優から助けて欲しいという連絡がきて、 正確な位置情報を教えて貰えたから。 正直正確な場所を知らなかった場合かなりの賭けになったけど愛する人のためなら自分の命を懸けるのは、 当然」
「じゃあ、 最後の質問なんだぜ。 お前たちは本当に結婚してるのか?」
「当たり前。 私たちは、 一生ラブラブ」
ミカの奴は、 まるで三人に見せつけるかのように俺に抱き着いてきた。
「ねえ。 ミカ。 あんた少し調子乗りすぎなんじゃない?」
どうやらルーも到着したようだ。
「負け犬ルーにようはない。 今すぐ私と優の前から消えて」
「いい度胸じゃない! ぶっ殺してやるわ!」
「望むところ」
その言葉が合図になったのか二人は、 戦闘を始めた。
「それで優さん。 あの銀髪の女性の話は全て本当なんですか?」
「あ、 ああそうだよ。 俺はすでに既婚者なんだ。 だからエレンも俺以外の人と……」
「嫌です!」
「お、 お前浮気しない人がいいんじゃないのか?」
「確かにそうですけど優さんと離れるのはもっと嫌です! それに私が優さんの正妻になればいいだけの問題です!」
「おいおい……」
「ちょっと何二人だけで話を進めてるのよ?」
「全くなんだぜ」
「ま、 まさかお前たちもなのか?」
「あ、 当たり前よ!」
「当たり前なんだぜ!」
「はあ~それで俺は、 どうすればいいんだ?」
「そうですね。 とりあえず今は、 私と恋人になってください」
「わ、 私ともなりなさいよ!」
「俺も今はそれでいいんだぜ」
「拒否権はあるのか?」
「あると思っているの?」
「断ってもいいですけどその時は優さんには死んでもらいます」
「僕も断ってもいいけどその場合は、 優をミンチにするんだぜ」
こうして、 俺はなぜかダンジョンに入って恋人三人と嫁一人ができるのであった。
暢気に言ってはいるが正直かなり気がめいっている。
因みにルーとミカだが結局引き分けに終わった。
それとなぜあの三人がルーの監視を逃れてここにこれたのかと言うとどうやらルーの奴も俺の考えがどうしても気に入らなかったらしく、 あの三人に説得されたからだそうだ。
この話をきき俺は、 二度とルーにこういう頼み事はしないと決めた。
また、 天使についてだが俺が魔法を使って消滅させたと言ったら三人とも疑わしそうな眼をしたが一応は、 信じてくれた。
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ダンジョンから出たころにはすでに夜になっていた。
また、 ダンジョンから出た場合俺たちは明日エルフの女王がいる城に行かなければならない。
「それで優は、 今日どこに泊まるの?」
「そうだな。 特に決めてないけどどこか適当に決めるつもり。 三人は、 どうするんだ?」
「私は、 前に泊まっていた宿にするつもりです」
「僕は、 テントで寝るつもりなんだぜ」
「わ、 私は自分の家があるからそこで寝るつもりよ。 それでなんだけどあんた泊まるところないならあたしのところに来なさい! 特別に泊めてあげるわ!」
「いいのか?」
「い、 いいわよ!」
「じゃあ、 お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「ミスティさんずるいです!」
「そうなんだぜ!」
「悔しかったらあんたたちも家を買うのね!」
「「グヌヌヌヌヌヌ!」」
「さあ、 行くわよ!」
ミスティは、 そう言いながら俺の腕に抱き着いてきた。
「じゃ、 じゃあ二人ともまた明日な!」
「あ、 優さん!」
「明日僕たちを眠らせた理由について詳しく聞かせてもらうからな!」
俺は、 そう最後に二人に言われ別れた。
「ここが私の家よ!」
ミスティの家を一言で表すならお屋敷だ。
「な、 なあお前って貴族かなんかなのか?」
「違うわよ? そんなことより早く入るわよ!」
俺は、 ミスティに背中を押されおそるおそるミスティの家へと入った。
「お、 お邪魔します」
「お邪魔するわ」
「お邪魔します」
「ねぇ優。 なんでこの二人がいるの? 私が許可したのは、 優だけのはずよ?」
「優のいるところに私は必ずいるのよ」
「私は優の妻だからいるのは当然。 それに発情した雌が二匹もいるならなおのこと」
「「誰の事言ってるのよぉぉぉぉ!」」
「ふ、 二人ともとりあえず落ち着け」
「それで優。 いつするの?」
「するって何を?」
「そんなの当然既成事実作る行為。 すなわち……」
「それ以上言うな! それとしねぇよ!」
「じゃあ明日?」
「明日もだ!」
「なら私から襲うからいい」
「おいおい。 勘弁してくれよ……」
その後俺は、 ミスティに何とかミカとルーを泊めてやれないかお願いした。
そして、 最終的には許可してくれたのだが今度一晩一緒に過ごす約束をさせられた。
また泊まる部屋はルーたちとは別々だ。
それと俺は、今晩城に久しぶりに行くつもりだ。
理由としてはやはり仕事が溜まっているからだ。
本気でそろそろ何とかしないと不味い。
俺は、 ミスティに部屋を案内されてから今日は疲れたから寝たいといいすぐにわかれた。




