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三十六話 顔合わせ

俺は、 目がさめると宿屋のベットで裸で寝ていた。


「あれ何で俺は、 ここで寝てるんだ?」


確か昨日は、 昼にこの町に来て、 それからルーと一緒にいろんなところを回って、 それで夜に酒場で、 酒を飲んだはずだ。

酒場でルーと一緒に酒を沢山飲んだところまでは、 覚えているのだが、 それ以降何があったのか思い出せない。


「ん~。 優おはよう」


ルーは、 俺の隣で寝ていたようだ。

そしてルーもまた服を着ておらず裸であった。

俺は、 この時すごく嫌な予感を感じていた。


「な、 なあルーは、 昨日の夜のこと覚えてるか?」

「そんなの当然よ!」

「じゃあ何があったのか教えてくれないか? 正直今のこの状況について全く理解が、 できてないんだ」

「昨日優は、 お酒を飲みすぎてすごく酔ってたわね。 それでそんな優を私は、 この宿まで運んできたのよ」

「そうなのか。 それでなぜ俺とお前は今互いに裸の状況なんだ?」

「そんなの恥ずかしくて言えないわ」

「は、 恥ずかしいことを俺は、 お前にしたのか?」

「そうよ。 まさか優が、 あんなプレイが好きだったなんて」


そう言ったルーは、 恍惚の表情を浮かべていた。


「ははははははは……」


おい! 昨日の俺! 一体ルーに何をした! てか昨日俺城に行ってないじゃないか!

これは、 やばい。

絶対にアリシアに殺される。

あいつ俺が一日でも城に来なかったら、 挽肉にしてやるとか前に言ってたからな。

やだな~行きたくないな~

てか、 そんなことより今何時だ?

俺は、 部屋にある時計で今の時刻を確認した。

そして、 俺は時計を見た瞬間固まった。

約束の時間をとっくに過ぎていたからである。


「やらかしたぁぁぁぁぁぁぁ!」

「急に叫んでどうしたの?」

「時間だよ! 時間! とっくに集合時間すぎてるんだよ! だから早く支度をしろ!」

「わ、 わかったわ!」


俺たちは、 その後急いで服を着で、 集合場所であるダンジョン前まで全力で走った。

俺たちがダンジョンの前につくとすでに調査メンバーと思わしき美少女が、 三人立っていた。

なぜ俺が、 調査メンバーについて、 気づいたかというと周りの奴らが噂をしていたからだ。


「す、 すみません! 遅れました!」


俺は、 まさか初日から謝るはめになるとは、 思わなかった。

ちなみにルーもダンジョンに連れて行くつもりだ。

そのため姿も現してもらっている。


「あんたA級のくせにS級であるこの私を待たせるとは、 いい度胸してるじゃない」


そう言ったのは、 エルフ代表の調査メンバーであるミスティだ。


「まあまあそう怒んなよミスティ。 誰にも失敗は、 あるってもんだぜ?」


そう言ったのは、 竜人代表のマチルダだ。


「そう言うあんただって、 遅刻してきたものね」

「う、 それを言わないで欲しいぜ」

「二人とも仲良くしようよ~」


そう言ったのは、 魚人代表であるエレンだ。


「それでなんであんたは、 遅刻したの? 理由によっては、 許してあげる」

「理由は、 寝坊です」

「は?」

「だから寝坊です」

「こいつ殺す!」


そう言ってミスティは、 剣を抜き俺に襲い掛かってきた。

しかしそれは、 俺の隣にいるルーによってあっさり止められた。


「ねえ。 あなた今何をしようとしたの?」


おっとルーさん。

俺がミスティに殺すと言われ、 大変お怒りのようです。


「な!? 私の剣を素手で止めるなんてありえない!?」

「そんなことより早く質問に答えなさい。 あなたは、 今優に何をしようとしたの?」

「まあまあ。 落ち着けよルー。 俺は、 気にしてないから」

「なあ、 兄ちゃん。 その美人さんと兄ちゃんは、 一体どいう関係なんだ?」

「ああ、 こいつは、 俺の師匠でルーっていうんだ。 それと俺のことは、 優と呼んでくれ」

「ちょっと私は、 優の……」


俺は、 そこでルーの口を塞いだ。

正直ダンジョンに嫁を連れてきましたなんて恥ずかしくて言いたくない。

なので俺は、 ここはルーを自分の師匠ということにした。

それにルーが俺の師匠という設定にすれば、 俺より強いということになるため一緒にダンジョンに入っても問題ないしな。

しかし、 ルーは、 すごく不満そうな顔をしていた。

そのため脳内でルーに事情を話したところすぐに納得してくれた。


「優っていうのか。 あとオレのこともマチルダって呼んでくれていいぜ」


こいつ女のくせに俺っていうのかよ。


「あのあの、 私の名前は、 エレンと言います。 これからしばらくの間よろしくお願いします」

「ああ、 二人ともよろしくな」


どうやらこの二人とは、 うまく付き合っていけそうで安心した。


「ねえ。 私のことを無視しないでくれるかしら?」

「これは失礼しました」

「あんたなめてるの? まあいいわ。 私の名前は、 ミスティ。 あんたは、 A級なんでしょ? 正直足手まといなのよね。 だからダンジョン内では、 基本私たちの荷物持ちでもしてなさい。 その代わりあんたの師匠には、 働いてもらうわ」


あいつの言い方は、 ともかくダンジョン内で楽できるのは、 ありがたい。


「あなたいい加減に……」

「その命令大人しく従っておくよ。 何せ俺は、 A級なので」

「優! あんなに言われて悔しくないの!」

「ああ、 別に悔しくないが?」

「ふん! わかったらさっさと行くわよ!」

「なあ、 一つだけ質問していいか?」

「何よ」

「この調査メンバーに獣人がいないのは、 なぜなんだ?」

「あんたそんなことも知らないの? これだから人間は、 嫌いなのよ。 頭もよくないし、 戦闘面でもあまり役にたたないし、 ただ数だけが多いだけのサルのくせに。 でも心優しい私は、 答えてあげる。

それは……」

「獣人の国は、 今内戦中なんだ。 だから、 今獣人のS級やA級は、 基本手が空いてないんだ。 そのため、 調査メンバーにいないんだぜ」

「そうなのか。 ありがとなマチルダ」

「気にすんなよ。 何せ俺たちは、 これからパーティーを組むんだ。 パーティーメンバーが困っていたら助けるのは、 当然なんだぜ」

「マチルダ! あんたせっかく私が教えようと思ったのに!」

「おいおいそんなに怒んなよ。 それより早くダンジョンに入ろうぜ」

「言われないでもそんなことわかってるわよ! ほらさっさと行くわよ! そこの荷物持ちも遅れるんじゃないわよ!」


そう言って、 ミスティは、 ダンジョンの中へと入っていった。

ちなみに今回俺たちの入るダンジョンは、 塔型でこのダンジョンの天使は、 まだ誰とも契約していないらしい。

今回の調査の目的は、 主に最上階にいる天使の生態の調査らしい。

また、 このダンジョン内で見つけた宝の半分は、 この国に納めなくてはならないらしい。

しかし、 それだけではこちらが損なので可能なら天使と契約してもいいらしい。

多分このダンジョンにいる天使は、 ルークラスのものだ。

そんな化け物普通の人間なら契約できない。

それはS級の冒険者であってもだ。

だから、 この国は、 それを条件として出してきたのだ。

だが、 ここには、 このダンジョンの主と同じくらいの化け物である俺がいる。

俺は、 まだ力が欲しい。

なので俺は、 今回中にルーの時に使った弾を天使verに変えて持ってきてある。

それとは、 別に禁呪の弾を二発ほど持ってきている。


「さて俺たちも行かないとな」

「そうだぜ。 早くしないと置いていかれちまうぜ!」

「ま、 待っておいていかないでください!」


そう言って、 マチルダとエレンも中へと入っていった。


「優。 一ついい?」


ルーは、 真剣な顔つきでそう言ってきた。


「なんだ?」

「優。 多分ここにいる天使の名前は、 ミカエル。 私に勝ったこともある大天使よ」


ミカエルか。

それならなおさら、 他人に譲るわけには、 絶対に行かないな。


「わかった。 でもなんでお前は、 そんなことわかるんだ?」

「わかるわよ。 だってあいつは、 私の妹でそして因縁の相手であるもの」

「そうなのか。 それであいつに弱点は、 あるのか?」

「弱点なんてないわよ。 そのせいで私は、 負けたのだし。 でも優の持つ大剣とリボルトナイフは、 有効なはずよ」

「それは、 よかった。 さて俺たちも無駄話してないで行かないとな」

「そうね」


こうして俺たちもダンジョンの中へと入っていった。





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