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プロローグ

時坂優はある日不思議な夢を見た。

それは、 自分の命よりも大事な少女に自分が殺される夢であった。

少女の手には、 日本刀のようなものが握られておりそれが自分の腹にさされる瞬間であった。

また、 少女は泣いていた。

それに 対し、 自分と思わしき人物はなぜか笑顔であった。

そして少女に向けて、 何か言葉を伝えようと最後の力を振り絞っていた。

しかし、 自分が言ったであろう言葉はノイズが入っており、 聞き取ることは叶わなかった。

そのまま夢の中の自分が地面に倒れた瞬間優は、 目が覚めた。


~~~~~~~~~~~~~~



「優君朝だよ!」


 そう叫んだのは、 俺の幼馴染の白井雪だ。

彼女とは、 小学校から同じで家も隣ということから昔から仲良くしており高校生になり、 俺が寮がある高校にいこうとし地元を離れようとした時も雪は、 俺が一人だと心配だからという理由で雪も俺と同じ高校に入ることにしたらしい。

また彼女は俺にとっては、 自分の命より大事といっても過言ではない。

正直俺は自分の両親と仲があまり良くない。

なぜかというと俺には姉と妹がおり、 二人とも俺と違いとても優秀なのだ。

そのため、 俺は小さいころから姉と比べられ、 妹が生まれてからは姉と妹の両方と何かと比べられることが多かった。

しかし、 俺は何一つ姉や妹に勝ったことはない。

そのため両親からはよく両親からは出来損ないと言われ暴力を受けた。

そんな落ち込んだ時に、 いつも慰めてくれたのが、 雪だ。

そのため雪は俺にとっての救世主であり、 憧れなのだ。

しかし先程何か特別な夢を見た気がしたのだが、その内容がなぜか全く思い出せない。


「本当に優君って朝弱いよねもし私が一緒に来てなかったら大変なことになってたよ?」


そう言う雪はなぜか少しご機嫌そうだった。


「それより早く制服に着替えたいからしばらく家の前で待っててくれないか?」

「わっかたよ」


 そういうと雪は俺の部屋を後にした。


「さて、 雪も待たせてるわけだし早く着替えるか」


さっき見た夢が何なのか気になるが、忘れるってことは大事なことではないのだろうと思い気にしないことにした。


着替え終わり外に出ると雪が、 二人組の俺の学校の制服をきた女性ともめているのに気が付いた。


「こんなところまで優君についてきてだれが優君を苦しめているのかわかっているんですか!」


いつも温厚な雪の怒鳴り声を聞いて何事かと思って走って雪のもとに行ったらそこには、 俺の姉と妹がいた。

その瞬間俺は、 部屋にダッシュで帰りたくなりこっそり戻ろうとしたのだが、 すでに手遅れで三人に見つかってしまった。


「優ちゃん久しぶり!ちゃんとご飯食べてる?この女狐に何か変なことされてない?」

 「お兄ちゃん久しぶり!胡桃寂しかったよ!」


そういって抱き着いてきた二人の名前は、時坂詩織と時坂胡桃である。

そう彼女たちは俗にいうブラコンである。

彼女たちは、 親からの愛情というものを知らない。

それはなぜかというと、 彼女たちはとても優れていたため周りの大人たちは両親も含めは彼女たちに対して基本絶対服従なのである。

そのためか、彼女たちは愛情というものを知らなかった。

そんな中優は違った。

彼は暴力をふるう両親たちのことは嫌いであっても、 姉と妹はただ自分のできることを全力でやっているだけだと知っていたため、 二人のことを家族として愛していた。

そのためか彼女たちの事を一切特別扱いなどしなかった。

その結果、 初めて愛情というものを知った彼女たちは、 恋愛感情をこじらせ今に至るというわけである。

ちなみに詩織と胡桃の中は、最悪である。

また雪は彼女たちが優が両親にいじめられる理由の元凶ととらえており、 三人の相性は最悪のため優は、 子供の頃から、 基本三人を自分がいるときは鉢合わせないようにしていた。


 「ちょっといつまで優君に抱き着いてるんですか! それと私は女狐ではありません! そんなことより一体何しにここに来たんですか!」

「そんなの決まってるじゃない私も優ちゃんと同じ学校に通うのよ」

「私もお兄ちゃんと一緒の学校に通うために来たんだよお姉ちゃんまでいたのは、完全に想定外だけど」

「そんなことよりいい加減離れてくれないか? いい加減暑苦しんだけど?」

「いや! 久しぶりにお兄ちゃんに会ったんだからもっと甘えるの!」

「私もいやよ。 それと胡桃あんたは離れなさい! 優ちゃんは私のなんだから!」

「てか二人とも海外で大学卒業したはずだろ? なんで今更高校に入ろうだなんて思ったんだ?」

「そんなの決まってるじゃない! 優ちゃんと学校でイチャイチャするためよ!」

「私も、 お姉ちゃんと目的は同じだよ!」

「二人とも本当に昔と変わらないな」


そう言う優だが内心そのことについて少し嬉しく思っていた。


「ねぇ優ちゃん。 早く二人きりで学校にいきましょう?」

「私も負けないんだから!」


そう言うと二人は自分の胸を優にさらに押し付けてきた。

しかし優が動けないで困っている状態にいると知った雪は優の腕を二人から引き離した。


「いい加減にしてください! 優君が困ってるじゃないですか! それと優君は、 私と一緒に行くんですから邪魔しないでください!」

「さっきから何言ってるの二人とも? お兄ちゃんは私と二人きりで一緒に学校に行くのだから二人は一人で行ってね」

やっぱりこうなると思った。 さすがにこのままはまずいよな周りの人の目線も痛いしな。


「三人とも喧嘩するなら俺は一人で行くぞ!」

 「「「ごめんなさい......」」」

「 全く。 それで姉さんと胡桃はもう入学の手続きはしてあるのか?」

「そんなの優ちゃんがここに入学すると知った瞬間にしたわよ」

「私もだよ!」

「了解なら三人とも早く学校に行こうぜこのままだと遅刻しそうだし」

「本当は優ちゃんと二人きりで行きたかったけどここでだだこねて一緒に行けなくなったら本末転倒だしね。 今回は女狐二人がいても我慢するわ」


その詩織の言葉に優はため息しかでなかった。


学校につくと優と雪は、 クラスが同じなのでいつも一緒にクラスに入る。

詩織と胡桃は、 学年とクラスまでは同じにできなかったため学校について別れるとき血の涙を流しており、 その様子に流石の優も少し引いていた。

また雪は詩織たちと別れる際少し勝ち誇ったよう表情をしていたため、 それが詩織達を余計腹立たせた。

学校に着くと優は、 授業が始まるまでは決まって本を読んで時間をつぶしている。

雪はというと、 そんな優に気を使ってかよく、 女友達と談笑をしていつも時間をつぶしていた。

そんなことを十分ほどするとチャイムが学校中に鳴り響いた。

優は学校の授業はいつも家で予習してあるため、 基本授業中は寝ている。

そうやっていつも通りに過ごしていると、 あっという間に放課後になっていた。

ただし昼休みの時間だけはとても大変であった。

優は昼食はいつも一人でとるのだか、 いざ食べようとしたとき、 姉さんと胡桃が俺のクラスに訪ねてきたのだ。

そんな二人に優は自分ののクラスに来た目的をくと、 どうやら優と一緒に昼食をとるために来たと二人とも言った。

そこから優の平和な時間は終わりを告げる。

実はその話を雪も聞いていたからだ。

優は入学して当初は雪と一緒に昼食をとっていた。

しかし雪ほどの美少女と優みたいな平凡な男子が一緒に食事をとり、 仲よさそうにしている状況に嫉妬する男子が多発したのだ。

そのせいか優は毎日雪と食事をする時、 酷くいごこちの悪そうな顔をして食事をしていた。

雪もそんな優の表情に気づき、 気を使って、 昼食は互いに別々にとるようにしていたのだ。

だがそんなことも知らない二人が優を食事に誘ったことが気に食わなかったらしいく、 朝の時見たく三人は喧嘩を再び始めてしまったのだ。

また三人とも美人のため周りの男子のクラスメイトからは嫉妬の視線をもらい、 女子からはリアル昼ドラだなんていわれ優は内心泣きそうになっていた。

その結果優は屋上に逃げ、 一人で泣きながら昼食をとった。

昼食をとり終え、 クラスに帰ると三人とも途中で優にがいなくなったことに気づいたらしくずっと探していたらく、 どこに行ってたのか聞かれたため優は正直に答えたのだが、 答えを聞いた三人はどこか悲しそうな顔をし、 詩織と胡桃は自分達のクラスに戻り、 雪も自分の席に座り、 少ししょんぼりしていた。

そして優はというと周りからの何か言いたげな視線に精神的に結構やられていた。

そんなことがあったせいか今の優は酷く疲れていた。

先生とのホームルームが終わり家に帰り、 本を読もうと思った矢先、 異変は起きた。

地面に変な紋様が光った瞬間急に体が動かなくなったのだ。

唯一目だけは動くため、 優は周りを見回したのだがその結果クラス全員が動けないということが判明した。

そんなおかしな状態にあるにもかかわらず、 詩織と胡桃は優と一緒に帰ろうと思ってきたのか中に入ってしまった。

案の定詩織さんたちも同じ状況に落ちいり、 この時優は馬鹿と天才は紙一重という言葉は本当だなと思ってしまった。

そんなことをしている間にも紋様の輝きは、 どんどん増していきやばい気配がした。

そんな時優は雪を見た。

雪の方も優のことを見ていた。

そうして雪の眼と優の眼が合わさった瞬間、優は気を失った



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