新たなる侵略者3
どうも、すんげー投稿遅れました。
たぶんこれからもだいぶ遅れたりすると思いますが、温かく読んでくれるとありがたいですw
それではスタート!
〈光鬼の組〉によるチーム戦は第四試合を終え、三日目に突入しようとしていた。今回のチーム戦は百二十八人計六十四ペアの参加だったため、次の第五試合は準決勝ということになる。
これまで残ったチームは太一や裕也の見立て通り、個人力を生かし圧倒的な力で勝ち上がってきた、神崎優、滝本凌也ペア。長い時間を共に過ごしてきたというチーム力を生かしてきた、裕也、洸希ペア、新井、橋本ペア。そして今回が初のタッグにして、準決勝の舞台に上がった、太一、寧々のペア。この4ペアがこの準決勝の舞台へコマを進めていた。
「やっぱ、このチームが残ったか」
「ですね、予想通りです」
そこには、無事準決勝までコマを進めることができた、太一と寧々の姿があった。
「けどやっぱ、こっからは少し厳しい戦いになるだろうな」
「はい、なにせ次の相手は要注意である新井鏡花さんのチームなんですからね」
「それもそうなんだけど・・・」
「はい?」
太一の困惑した表情に対し、寧々は疑問の表情を浮かべる。そして太一もそのことに気づいたのであろう、寧々に対し口を開く。
「僕たち、このままじゃ足りない気がするんだ。もちろん、寧々さんが弱いというわけでも、自分の実力がまったく足りてないという気はない、だけど・・・」
「いいですよ、言いたいことがあるなら言ったらいいのです。私のことを気にしているのであれば、無用な気遣いです。これから試合もあるのですし、何かをためることは良くないですよ」
この寧々の優しさに対し、太一もまたその優しさにつられ、覚悟を決め、続ける。
「このままじゃ、僕たちはほかの3チームに全く歯が立たないまま、負けると思う」
太一の言葉はこれから戦いに臨むものとしてはマイナスの考えであり、普段の前向きな性格とは真逆である、後ろ向きな考えであった。そしてそれは、頑張ろうとしている自分のパートナーに対しても言ってはいけない言葉だと思い、太一はこの言葉を出さないようにしていたのだ。しかし・・・
「ええ、わかっています」
「え?」
自分の言葉がパートナーである寧々をどんな気持ちにさせていたのか、それが気になっていた太一にとって、その寧々の返答は驚くほどであった。
「わかっています、今のままじゃ、裕也さんや鏡花さんのチームにはチーム力で、優さんのチームには個人力で、私たちはほかの3チームにある決定力がない、そう言いたいのですよね?」
「その、うん」
「なら、気にする必要なんてありませんよ!」
次の瞬間、太一は見たのだ、寧々の・・・満面の笑みを
「どう・・・して」
「だって、私はこんなにも太一さんを信じています。チーム力なんて戦ってる最中にでも洸希さんたちを超えちゃいますよ!個人力が何ですか、太一さんは強いです、絶対に負けません、それでもだめなら、私が支えます、太一さんが危ない時や必要としているときに必ず助けます。どうです?ここまで言っても、私たちが負けると思いますか?」
「ふふ、ははは、まったくないね!負ける気なんて」
瞬間、太一は表情を変える、その表情にはさっきまでの困惑した表情とは一変、先程の寧々と同様、笑顔さえ見せていた。
「ありがとう寧々さん、ホントに。なんて後ろ向きだったのかな。情けないや、ここまで消極的な性格じゃないと自分でも思っていたつもりだったんだけどな」
「いえいえ、パートナーを、太一さんを支えるのが、私の役目ですから」
「なんか、寧々さんとは最近知り合ったパートナーとは思えないな」
「えっ」
「いや、なんでもない、ホントに感謝しないとな。寧々さんには支えてもらってばかりで俺からは何もしてあげられてないし」
「そんなことは・・・」
バシッ!!!
太一は思いっきり自分の顔を、自分の手で叩いた。
「よしっ!決めた、次の試合、絶対に勝つ!」
「その意気です!一緒に頑張りましょう」
「うん」
「準決勝、第一試合、中山太一、花澤寧々ペア対、新井鏡花、橋本直美ペア」
アナウンスと共に二人は戦場へと足を進める、その心に『勝利』という文字を刻みながら。
しかし、この時は誰も気づいていなかった、この戦場が本当の『戦場』に変わるということを・・・
どうだったでしょうか?今回は寧々と太一の関係がより親密になったような気がします。これからこの二人の関係にも注目していただけると幸いです。
まだまだ読んでくれる方は少ないですが、それでもそんな方がいることを忘れずに次話は少し早めに投稿できるように頑張りますw