新たなる侵略者2
投稿遅れました。蜻蛉切です!
今回は、戦闘が描かれていくのでしっかり見ていただきたいなぁ、と思います。それではスタート!
「おい、ちょっと待てって裕也!なにそんなにピリピリしてんだよ!」
二人から離れた後、洸希は様子がおかしかった裕也に疑問を伝えるべく、少し強い口調で話しかけた。
「洸希・・・」
「なんだよ?」
「あまりふざけるな、真剣にやろう」
「いや、さっきのは俺が悪かったけど、それにしてもお前、その、様子が変だぞ?」
「ふー、いいか?」
「お、おう」
裕也の真剣な表情に洸希も少し戸惑いつつ、自分も真剣に聞こうと心に決め、洸希もまた表情が変わる。
「あの、花澤寧々さん、俺らの合格発表の時に俺ら三人よりも早く名前が呼ばれただろ?あれはつまり、俺らより実力があるということ・・・いや、実力は言い過ぎた、俺も負けるつもりはない。が、つまりはそういうことだ、俺ら三人よりも彼女が見どころありと判断されたわけだ。しかもプロの目に、実力はともかく、少なからずプロの目に映るものが何かあるはずだ。気合を入れていかないと、俺らだって食われかねんぞ?」
「ふー、そうだな、わりぃ、少し浮かれてたわ。でももう大丈夫」
「スイッチ入ったか?」
「ああ」
「まぁ、あくまでもあいつらはさっき組んだばかりのチーム、こっちのチームワークで逆にあいつらを食ってやるとしよう!」
「そうだな」
そう話す二人はさっきまでとは一変、まるで獲物を狙う猛獣のような表情に変化していった。
〈光鬼の組〉第三戦闘場、ここでは今、新入生によるタッグ戦が行われていた。
「一回戦第三試合、神崎優、滝本凌也ペア対、高山叡山、金本勇気ペア」
審判が声をかけるとともに、両選手が一斉に前に出て、構える、両選手が放つ殺気にも似たオーラに会場中は困惑の色さえ見えていた・・・数人を除いては。
「試合開始!」
審判の合図とともに、選手が一斉に動き出す・・・が試合はすでに決していた。
「勝負あり!勝者、神崎優、滝本凌也ペア!」
試合開始のコールをした審判のもとから試合終了のコールが発せられるまで、わずか数秒足らず、その光景を目の当たりにした生徒たちはあっという間にその状況にしたいして疑問を感じていた・・・がその中でもまったくこの状況に驚いていない生徒もまた、数人存在していた。
「当然だな」「ああ」「てか、やばくね?あいつ」この状況を理解している者たちはわずかに起こったこの状況を少しづつ話し始める。
そして理解していたのは、太一、裕也、洸希、寧々の4人も同様だった。
「寧々さん、今の見えた?」
「ええ、少しですが」
「いや、俺にははっきり見えた、今の試合は・・・」
時を同じくして、太一の親友である裕也もまた・・・
「洸希、太一や寧々さんだけじゃないな、ホントにこの部隊は化け物ばっかりだよ」
「そうだな」
その場に一緒にいない太一、裕也はまるで一緒にいたかのように、今の試合のからくりを、いや、からくりというには程遠い、一人の人物の名を発した。
「神崎優」「神崎だな」
「今の試合、勝負を決めたのは神崎のあの長い刀とは違う・・・あれは間違いなく『マテーリエ』によるものだ」
「つまり、優君は刀など近距離戦闘に使われる武機種『シュベーアト』使いではなく、体内の気を操る『マテーリエ』使い、ということですか?」
「その通りだよ、寧々さん」
「だけど、彼がこの試合を短期戦にしたのはもう一つ理由があると思う、それは・・・」
「目利き、ですか?」
「うん、さすがだね、彼はこの試合で今の状況を理解した強者とそうでなかった弱者を見極めた。まぁ、おかげでこっちも強い人の目星はついたんだけどね」
太一は一通り説明を終えると周囲を確認しもう一度口を開いた。
「おそらく、今の状況を理解したものは裕也や洸希の他には二人だけ、ほらあそこの二人」
「新井鏡花に橋本直美ですね」
「知ってるの?」
「ええ、かなりの実力者だと聞いたことがあります、なんでもお二人とも幼少期からの付き合いで、いわゆる幼馴染だと。チームワークや相性などは裕也さん洸希さんのチームに匹敵するかもしれませんね」
「まぁ、あまり固くなりすぎるのもあれだし、俺らも、そのチームワークってやつをつかまないといけないからね、試合、気合入れて行こうか」
「そうですね」
と、話し終えると同時に審判から新たなコールが出される。
「一回戦第四試合、中山太一、花澤寧々ペア対南郷大輝、南郷雄介ペア」
「それじゃあ、行こうか!」
「はい、参りましょう!」
太一と寧々はお互いに顔を見合わせ、リングへ向かい対戦相手である二人にすぐさま目線を変える。
「試合、開始!!」
太一の〈光鬼の組〉での最初の戦いが始まった・・・
またも、投稿遅れてしまいました、すいません。やはり、定期的に書き続けるというものは大変なんだなぁ、と実感しました。なるべく日があかないよう、これから頑張っていくので、これからも読んでいただきたいなと思います!また、ここから戦闘シーンも増えてきて、ますます物語が進んでいくと思うので、そちらのほうも注目していただけたらな、と思います。