新たなる侵略者
蜻蛉切です。いよいよ、第二章、新たなる侵略者編が始まります!
まずは、この話から、どうぞ!
対シード滅殺部隊日本支部の一つ〈光鬼の組〉東京に拠点を置く日本最高峰の部隊であるそこに、無事合格することができた太一、裕也、洸希の三人の姿があった。
「今日からみんなでチーム戦をしてもらう。勝てたものはクラス昇格に近づくので頑張ってくれ!」
「はい」
生徒たちは返事をすると、真剣な顔つきになり、そろって辺りを見る。そして、それはもちろん、太一達、三人も一緒だった。
「裕也、俺ら三人で絶対に勝とうな!」
「ああ」
「もちろん」
太一の言葉に二人は返事を返し、互いを見合わせる。・・・が
「では、二人一組を作ってくれ」
「えっ」
先生の一言に三人が固まる。
「どうするんだ」
「えっ、えっと」
「俺が抜けるよ」
二人の間に割って入ったのは太一だった。
「本当にいいのか?」
「ああ」
「けどさぁ・・・」
「いいんだって!」
「そか、じゃあ組んじゃうねー」
「わかったから!」
話を終えると、太一は自分のパートナーを探すべく、二人から離れていく。
「っと、言ったものの、あの二人がいないと組むやついねぇな~、我ながら二人に頼ってたことを痛感して呆れるぜ」
太一はそんなことを言いながら、周囲の人間を見回っていく。
「ん?」
ひとしきり見回った後、太一はあたふたしている一人の女子生徒を発見した。
おそらく、太一同様パートナーを探しているところなのだろう。
「あ、あのぉ」
「えっ、あの、その、ななんでしょう?」
「ああ、うん、えっと、良かったら俺とパートナー組んでくれない?実はツレが二人いたんだけどそいつらで組んじゃって、パートナーがいなくてさぁ、どうかな?」
「あ、えっと、大丈夫です、私も探していたところだったので、ちょうどよかったです!中山太一さん」
「えっ、なんで俺の名前を?」
太一は話の中で気になったことをそのまま口にした。
本来〈光鬼の組〉では入学後あまり挨拶などが行われないため、自分の名前が呼ばれたことに違和感を持ったのだった。
「ああ、その、審査会の時に一緒だったので、私も同じ支部からでしたから、6人目として呼ばれたんですもん、名前くらいは覚えちゃいますよ」
「ああ、うん、そだね」
「改めまして、花澤寧々です。これからよろしくお願いしますね!」
「こちらこそよろしく、寧々さん!」
と、言ったところで寧々の頬が少し赤くなり、様子がおかしくなっていることに気が付いた。
「寧々さん、大丈夫?」
「あ!いえ、その大丈夫です、年齢の近い男の方から、名前で呼ばれたことなかったので、少しびっくりしただけですから」
「その、まずかったかな?花澤さん、のほうが良かった?」
「いえ、寧々で結構です」
「そか、それじゃあ、寧々で」
「はい」
会話の中で少しうれしがる寧々を見て、太一は少しホッとしていた。
「それじゃあ、集合場所に行こうか」
「そうですね」
二人は、駆け足でその場を離れ、チーム戦が行われる場所へ移動していった。
「ここだね」
無事にチームパートナーを手にした太一はパートナーである、花澤寧々とともに、戦闘が行われる、第三戦闘場に集まっていた。
「あれ、太一じゃん、無事にパートナー見つけたのか、意外だな!」
そう話したのは、太一の親友である洸希だった。
「以外ってなんだよ!お前俺を何だと思ってるんだ!」
「何って、んー、バカ?」
「いやお前、殺すよ?」
「おいおい。冗談だって」
「太一、無事にパートナーが見つかってよかった、安心したよ」
「裕也!ってお前も俺を馬鹿にしてんのか!」
「いや、別にバカになんかして・・・」
「ああああ!」
裕也が話している途中に、声を発したのは、洸希だった。
「ん、どうしたんだよ?お前」
「ん、どうしたんだよ?お前・・・じゃねぇよ。誰だあの可愛い子!てかお前女か!パートナー女なのか!」
「ん、そうだけど」
「お前なぁ、パートナーに女の子って、そしてなぜあんなかわいい?説明しろや!」
「ちょっと、本人がいるんだから、そういう話はよしなよ」
「はぁ、こんなことなら、太一と裕也で組ませるべきだったか、クソッ」
「おい、それはないんじゃないかな?洸希君?」
(あの裕也がキレた・・・だと)
太一はそんなことを思いつつ、二人を止めようと言葉を発しようとする・・・が二人はまったくやめる気配がなく、自分自身では止められないと悟る。
「寧々さん、この二人ほっといて行こう、どうせこいつら、気づいたら仲良くなってっからさ」
と、太一は寧々と一緒に向かおうとするが
「いえ」
「へ?」
寧々は一歩も動こうとせず、裕也と洸希のことをじっと見つめている。その時だった。
「お二人とも!喧嘩はよくありませんよ?さぁ、仲直りぃ~!」
そういわれた二人は瞬時に話をやめた、というか、洸希が一方的に止めていたのだろう。
(まじか、あの状況を一発で治めた、すげぇ)
「すみません、お見苦しいとこをお見せしました、花澤さん」
「俺も、すまなかった、寧々さん、って花澤って苗字?なんで裕也知ってんの?まさか寧々さんと知り合い・・・」
「違うよ」
「じゃあ、なんだでだよ!」
「おまえこそわすれたのか?〈光鬼の組〉最終試験の合格者」
「あっ」
「そうです、最終試験で一緒だった、花澤寧々です」
洸希はなるほど、というようにそれ以上聞くことはしなかった。
「にしても、よく覚えてたな裕也、俺もお最初気づかなくてさぁ」
太一は二人の喧嘩が治まったのを安心しつつ、裕也に声をかけた。
「そりゃあ、花澤さんは僕たちの命運がかかってた3人目に呼ばれた方だったからね、覚えてるのも当然だよ」
「なるほどな、全然覚えてないけど」
「まぁ、とにかく、これからよろしく花澤寧々さん、太一のことよろしくお願いしますね」
「いえいえ、私もよろしくお願いします」
「それじゃあ、俺たちは離れるとするよ」
「おい!ちょっと待てってー、裕也ー」
裕也と洸希はそういうと、すぐさま二人から離れていく。
「それじゃあ、俺らも気合入れますか!寧々さん」
「そうですね、頑張りましょう!」
第六話いかがだったでしょうか?
今回はいよいよ女キャラである、花澤寧々さんが登場しました!これから、メインになっていくキャラクターなので、注目していてください!それから、投稿遅れてすいませんでした。リアルで簿記のテストがw
これからもよろしくお願いします