〈光鬼の組〉の試験5
どうも、蜻蛉切です!今回はいよいよ、三人があの人に会いに行きます!また、なぜ六人が選ばれたかなどもあかされるので、注目してください
第十四回〈光鬼の組〉適性審査試験発表の建物の外で太一、裕也、洸希の三人はある人物に会うために走り回っていた。
「どこだぁ~?」
太一は疲れた様子であたりを見回す。
「いたっ!」
裕也がそう言うと一斉に三人が振り返り、その人物の元へ走り出す。そして太一が言葉を出す。
「あの」
太一の声に対応するように、その人物が振り返る。
「何だい?」
「近藤さん、どうして今回の試験で合格者が六人だったのですか?」
そう、そこにいたのは試験の時、三人と戦った滅殺士、近藤寛太だった。そして裕也はまっすぐな視線で質問した。太一、洸希の二人も裕也と同じ疑問を持っていることを示すため、うなずく。
「あ~、それはただ単に他の〈光鬼の組〉適正審査で誰も残れなかった地区があったからだよ」
近藤は少し笑いながら答え、ただと付け加えながら、もう一度口を動かす。
「本当は僕が推薦した時点では君たち三人は不合格にする予定だったんだ。なにせ君たちは三人のチームワークがなければ、ぼくに勝てていなかったからね。だから選出者が五人と決まっていた状況だと三人選ぶことができない、でも三人の中から一人や二人選んでも意味がない。だから三人とも落とすつもりだったんだ」
そしてその話に更に疑問をもった洸希がもう一度、質問をする
「ではどうして、他の地区の分を埋めるためという理由まで作り、僕たち三人を合格にしてくれたのですか?」
「それは荒井さんが、別の地区の人数が足りないなら、六人でもいいのではないかという意見を出したからだよ。それで伶慈さんに聞いてみたら、好きにしていいと言ったみたいだから、三人を合格にしたんだよ」
三人は自分たちの裏ではこのような事があったのだと思い、とても感謝した。それがわかったのか近藤は三人に声をかける。
「別に気にするなよ。感謝なんてしなくていい」
「えっ」
太一は心の声が出ていたのかと思って、おもわず声が出てしまう。それを見た近藤は謎の笑みを浮かべ話し始める。
「その代わり三人には俺のためにきっちり働いてもらうからな!」
「えーーー」
三人の声が同時に静寂の青空に響く。
「冗談、冗談だってば、とにかく〈光鬼の組〉で待ってるからな!それじゃあ俺は招集があるから戻るわ」
その言葉に合わせて、三人は顔を見合わせると、頭を下げこう言った
「ありがとうございました!」
「おう」
近藤は答えると車に乗り、去って行った。
「それじゃあ、俺らも帰るか」
「うん」
「じゃあ、一週間後〈光鬼の組〉入隊式の時にまた会おう」
三人は言葉に合わせ、別々の方向に、歩いて行った。
「これより第十四期〈光鬼の組〉入隊式を始めます」
―第十四期〈光鬼の組〉入隊式―は〈光鬼の組〉の拠点がある明日川県明日川市で行われた。
そこにはもちろん太一、裕也、洸希の三人の姿もあった。
「にしても長いなぁ~」
太一が退屈そうに、声を出す。というのも、入隊式は入隊者代表の挨拶から始まり、かれこれ一時間半ほど経っているのである。・・・がそんな太一の様子を見て、裕也が言う。
「次の挨拶で最後だからもう少し頑張ってよね」
太一はそれを聞くと姿勢を正した。そして一本のアナウンスが入る。
「最後に『対シード滅殺部隊日本支部』総帥、一条岬様よりご挨拶をいただきます」
アナウンスに合わせ一条岬が壇上に上がる。
「まず〈光鬼の組〉という優秀な滅殺部隊に入隊した、五十三名の生徒諸君、入隊おめでとう。この〈光鬼の組〉は知っての通り日本最高峰の滅殺部隊である。
そして今、私の前にいる君たち生徒は日本でも最高峰の生徒ということになる。
それは将来、日本を引っ張っていくことも意味している。しかし、私は君たちのことを不安に思ったりしない。だから君たちも自分が優秀であることに、誇りを持ち、これからの日本を守っていってくれ!最後に、私がこの挨拶を終えると、君たちは〈光鬼の組〉の―滅殺士―になる。その自覚をしっかり持って『シード』と戦って行ってくれ。入隊おめでとう」
「ありがとうございました、以上をもって第十四期〈光鬼の組〉入隊式を終わります」
その瞬間、太一、裕也、洸希の三人は―滅殺士―になった。
第五話いかがだったでしょうか?今回三人があったあの人とは、三人と戦闘をした、近藤寛太でした!伶慈だと思った方は申し訳ないですwそして今回で第一章、〈光鬼の組〉の試験編が終了となります。はたして、これからどんな話になるのか、楽しみにしていてください!そろそろ女性キャラも出したほうがいいですかねぇ~w次回もお楽しみに!