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終焉世界の永遠語《レコーズブレイブ》  作者: 蜻蛉切
第2章 新たなる侵略者
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新たなる侵略者5

どうも、蜻蛉切です。

今回は神崎、滝本対裕也、洸希の対決です!この前よりもさらに長い戦闘になっているのでお楽しみに!

結末やいかに・・・

 太一たちの試合が終わり、とうとう準決勝第二試合である、裕也、洸希の試合が始まろうとしていた。

「すごかったな、あいつ」

「ああ、まさかあそこで極致を使うとは思わなかったけど」

 裕也と洸希は先程の太一と寧々の試合について話していた。

「だな、あいつが天剣理心流を使う時はほんとに追い込まれた時だけだったからな」

「きっと、あいつもこの嫌な『気』にあてられたんだろう、感じるだろ?お前も」

 その言葉に対し、洸希は顔をしかめながらつぶやく。

「感じているよ、いやな気配だ。この大会中に変なことが起きなきゃいいんだけど」

「まぁ、意識しすぎるのも良くないな、この会場には選りすぐりの滅殺士もいるんだし、俺らが気にする事じゃないからな。それに、俺達にはすでに強敵と戦うことになっちゃうんだしな」

 話を終えると、二人はすぐに獣のような表情になり、まるで次の試合が死闘であることを予測しているかのように、纏うオーラが変化する。

「準決勝第二試合、神崎優、滝本凌也ペア対、菊池裕也、平井洸希ぺア」

 そして、二人は次なる戦場へと足を進めた。相対するのは圧倒的実力を誇る神崎優がいる、神崎滝本ペア。二人は神崎に確かな実力を感じつつ、神崎を視界にとらえていた。

「準決勝第二試合、神崎優、滝本凌也ペア対、菊池裕也、平井洸希ペア、試合開始!」

 ――――――

 静寂。

試合開始の合図を出しながら、先程の太一たちの試合とは打って変わり、お互いに様子を見る形が続く。そして

「はっ」

 先に仕掛けたのは神崎だ。自身のマテーリエで『風』属性支援を行い、すさまじいスピードで裕也に攻撃を仕掛ける。

 バンバン!

 対し、裕也はゲヴェーアで応戦、太一のゲヴェーアはハンドガンタイプのゲヴェーアである。対し、優のシュベーアトは槍である。槍の最大の強みは何と言っても「突き」だ。裕也は優に決して間合いに入られないように銃弾の方向を調整、見事に優の足を止めさせた。

「ちっ」

 神崎が動きを止める一瞬、裕也はゲヴェーアの攻撃頻度の回数を上げ、すぐさま勝負を決めにかかる・・・が

「やはり、そんな簡単には行かせてもらえないよな」

「当然だ!」

 優は自身の纏う風を一か所に集中、見事に裕也の弾丸をはじき返すことにより。そのまま裕也への間合いに飛び込んんだ。

「オラァァァ、ハッ、ハッ」

 続いて、優の攻撃が始まる。裕也にとっては防戦一方。間合いに入られてはゲヴェーアとシュベーアトでは圧倒的に状況が一転する、先程までの中距離戦ではゲヴェーアである裕也が押しているように見えたが、近距離戦、クロスレンジにおいてはやはり優のほうが上だ。

 だが、優はこの攻撃の最中、裕也のすごさを改めて認識した。

「ふふ、お前なかなかだな、この状況に持ち込んで倒しきれねぇゲヴェーア使いは初めてだ」

「僕もだよ、神崎君。シュベーアトは使っていなくとも、体術には少し自信があったんだけどね。さすがに君相手じゃ、防ぐので手一杯だ」

しかし、そんな言葉とは裏腹に、裕也の動きが徐々に優の動きに対応。そして・・・

(ここだ!)

 バン

「!!!」

 次の瞬間、圧倒的に有利だったはずの神崎が後ろに飛び、裕也から距離をとった。

「ったく、さすがにやばいな、お前。俺が後ろに下げられるなんて。すげー屈辱だよ」

「僕も、君の動きに慣れるのに時間が掛かりすぎた。おかげで少し君の攻撃が堪え始めていたよ」

 そう言うと裕也はもう一つのゲヴェーアを取り出し、優にむかって構えた。

「二本目だぁ?」

「始めるよ、今度は僕の攻撃を」

 瞬間、銃弾の雨が神崎を襲う。対し、神崎は先程と同様に、『風』を纏い銃弾をはじく・・・とはいかなかった。

「何ぃぃぃぃ!!!」

「君と一緒さ、僕のパートナーもマテーリエ使い、まさか忘れていたわけじゃないよね?」

 そう、裕也は洸希のマテーリエによって、銃弾の貫通力を上げ。神崎の風の防具を貫通、攻撃を届かせることに成功していた。

「くっ・・・っっそ」

 またしても形勢逆転、裕也の攻撃が神崎を襲う。襲う。襲う。

 神崎の体にはいくつもの弾丸が貫通し、顔をゆがめながら体中を赤い血の色で覆いつくす。

「そろそろ限界かな?」

 裕也はそう判断すると、洸希からの支援をさらに強化。必殺の一撃を放とうとする。が、その瞬間、神崎の纏うオーラが一変したように感じた。実際には何も変化していない。神崎の見た目が変わったわけでも、裕也が押しているという状況も、何もかもが。しかし、裕也はその類まれなる戦闘センスにより自身の直感を信じ、警戒の強さを上げた。

「りょ・・や・・や・・・しまえ、早く」

 ?

「りょう・・・やっ・・・しまえ・・・早く」

「りょうや、やってしまえ、はやく」

 ―――!!!

 瞬間、裕也はありったけの力を振り絞った。自身の警戒の強さにか?とどめを刺そうとしていた自身の腕にか?

 否である。それは・・・

「洸希ぃぃぃぃ!!!逃げろぉぉぉ!」

 パートナーに危険を知らせる、ありったけの叫びにだった。

「えっ?」

 ほどなくして、裕也の叫びが洸希に届く・・・が、時すでに遅し。洸希は死角から間合いに入り込まれた滝本凌也に、マテーリエによって作られた雷刀に切り裂かれる。

「うぐっ!」

 しかしそこはさすが洸希、なんとか自身のマテーリエによって、かろうじて急所は外したが、かなりの痛手を負った。

「洸希!」

 裕也はすぐさま、洸希を助けるべく、行動を起こした。次の瞬間。

「ふふ、お前のマテーリエ、切れてねぇか?」

「くっ」

 裕也の行く手を神崎が阻んだ。先程の攻撃で洸希は自分の防御に力を使ってしまったため、裕也のマテーリエが切れてしまったのだ。

「くそっ」

 裕也は状況を冷戦に判断。神崎の攻撃に対し、すぐさま防御することを選択。結果、今度こそ裕也の防戦一方状態になった。

 しかし、神崎の攻撃はすさまじく、防御の一手も徐々に押し切られ始める。

「すべてを風の突きにて吹き飛ばせ!〈天空を突く竜の旋風(ゲイル・スターブ・スピア)〉」

 瞬間、今までとは比べ物にならない威力の攻撃が裕也を襲った。ぎりぎりのタイミングで避けることに成功したが、何よりもその威力に絶句した。先程放たれた攻撃が裕也の後方50メートルほど先まで、地面をえぐるような光景があらわになっていた。

「これ・・・は」

 裕也はただ茫然と、その場に立つことしかできなかった。


「ふふ、俺はただの雑魚だとでも思ってたわけ?」

「そんなことはなかったけど、さすがにここまで戦闘向きだったとは思わなかったな」

 洸希は現状の裕也の状況を確認しつつ、目の前の敵である、滝本凌也と戦闘を繰り広げていた。

(これは・・・マズいな)

 洸希はこの状況で三つのミスについて頭を巡らせていた。

 一つは当然、この滝本凌也の存在に気付かなかったこと。今までの試合で神崎の存在が印象的過ぎたため、滝本への対応がまるでできていなかった。

 二つ目は、想像を超えるほどの神崎の実力。自分たちが想定したよりもはるかに高火力な攻撃を繰り出した。あの攻撃はいくらマテーリエで防御を強化したところで無意味だろう。

 そして三つ目、、それは自分の『油断』だ。ここまで順当に勝ち上がってきたことと、自分と裕也への過大評価。過大とはいかなくとも、確かに自分たちならこの相手にも勝てるだろうと、心のどこかで油断してしまっていた。これが相手への大きなアドバンテージとなり、今この瞬間目に見えて明らかなものになってしまった。

「切り裂け、〈雷光(らいこう)〉」

 滝本は唱えると自身の雷刀の出力を上げ、足に『風』を纏わせ、スピード強化を図り、洸希の間合いへと踏み込む。

「これは、二重属性変化!まさかここまでの実力者だったなんて、仕方がないなぁ、僕も本気で一対一にかけるしかない!」

 そして、洸希も覚悟を決め、滝本との一騎打ちに臨む。

「すべてを切り裂け、炎王の牙!〈焼き焦がす焔の雷(フレイムサンダー・スラッシュ)〉」

 くしくも互いに二重属性変化によって、洸希は雷と炎の刃を滝本は雷と風の刃をぶつけ合う。相手の刃を自分の刃で受け、そしてさらにまた切る。切る。切る。相手の急所を狙って突く。突く。突く。そして・・・

「!!!しまっ」

「終わりだ!」

 シャキィィィィン!!!

 この瞬間一つの戦闘が終わった。リングに立っていたのは、神崎のパートナーである、滝本凌也であった。


「そろそろこちらも幕引きと行こうじゃないか」

「くっ」

(洸希が・・・負けた)

 その信じられないという感情とは裏腹に、現実の光景はあまりにも残酷なものとなっていた。倒れ伏した洸希の姿。リングに佇む滝本の姿。すべてが夢ではなく、現実だった。

 そんな、回想を巡らせている間に、神崎が再び裕也に攻撃を放った。

「くそが!」

 バンバンバン!

 裕也は名一杯の力で攻撃を行う。

「終わりだ。すべてを風の突きにて吹き飛ばせ!〈天空を突く竜の旋風(ゲイル・スターブ・スピア)〉」

 瞬間、神崎の周りには『気』が収縮し、そしてそれが風になる。が・・・裕也はまだあきらめていなかった。裕也にはもう一つ、希望があったからだ。

「まだだ!俺には洸希がいるんだ!」

 そして、裕也の体が雷を纏い、それが裕也のゲヴェーアの銃口に収縮された。そう、洸希は倒れる直前、最後の力を振り絞って裕也にこのマテーリエを付与していたのである。

「な・・・に!!!」

「すべてを無に帰せ、雷の一閃!〈雷の弾丸(ライトニング・ブレッド)〉」

 それは放たれた、すさまじい威力で、神崎の体へと。

「これ・・・で、なんとか、神崎は。あとは滝本だけ・・・」

 裕也は残る滝本を倒すべく方向を変えた・・・のだが。

「誰が倒されたってぇ?」

「嘘・・・だろ」

 そこにはさきほどの攻撃を受けてもなお、無傷の神崎の姿があった。

「どうして」

「ふふ、答えはこれさ。風による防具〈風の甲冑(ゲイル・アーマー)〉だ、これはさっきまでの防御とは違う。俺だけじゃなく、凌也のマテーリエを合わせ圧縮することによって、さらなる防御を得た。ふふふこれじゃあどんな攻撃も通らねぇよ」

「くっっそ」

「今度こそくたばんな、三度目はねぇ。すべてを風の突きにて吹き飛ばせ!〈天空を突く竜の旋風(ゲイル・スターブ・スピア)〉!!!」

 そして今度こそ裕也は避けることができず、意識を失った。

「試合終了、準決勝第二試合勝者、神崎優、滝本凌也ペア」

 二人の挑戦はここで幕を下ろしたのだった。


どうだったでしょうか?

う~~~ん、迷ったんですよ?このまま裕也たちと太一で戦わせるのもありだなぁ~、なんて思ていましたが、当初の予定通り、神崎組が勝ちました。滝本君も実は強かったりとか・・・w

今回は結構充実してかけたんじゃないかと思います!これからも戦闘シーンを少しでも伝えられるように頑張っていきますのでどうかお楽しみください!

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