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終焉世界の永遠語《レコーズブレイブ》  作者: 蜻蛉切
第2章 新たなる侵略者
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新たなる侵略者4

どうも蜻蛉切です。

今回は戦闘です!いつもより長めなシーンになっているので、楽しんでください!

スタート!


〈光鬼の組〉が保有する第三闘技場にて、太一と寧々の試合が始まろうとしていた。

 そこには、二人の試合を見ようとする観客、受験生、そして現役滅殺士の姿があった。

そんな観客の期待通り、次の瞬間、審判が口を開く。

「準決勝、第一試合、中山太一、花澤寧々ペア対、新井鏡花、橋本直美ペア試合開始!」

「はぁぁぁぁ、はっ」

 初回、仕掛けたのは太一だった。太一のシュベーアトである刀が新井鏡花めがけ、横一閃の攻撃を放つ・・・が

 バキィィィン

 鏡花もこの攻撃に対し、自身のシュベーアトである小太刀で応戦すぐさま反撃に出る。

「あらまぁ、随分と血の気の多い殿方ですの」

「うるせ!余計なお世話だ、そっちだって攻撃しまくりやがって」

「あら、あなたに隙が大きすぎるからじゃないですか?そこは危険区域ですよ?」

「えっ」

「太一さん!!!」

 寧々が太一へ警告をした瞬間、太一の足がまるで沼にいるように取られた。

「なんだ!?これ」

 しかしこの戦闘において、一瞬の隙は敗北につながる。次の瞬間、今度は鏡花の小太刀が太一の体を薙いだ・・・とはいかなかった・・・なぜなら

「そんなことはさせません!」

「あらやだ、仕留められると思ったのですが、残念です」

 そう、太一を助けるため、寧々が鏡花の小太刀を受け止めたのだった。

「助かったよ、寧々さん」

「いえ、私は太一さんを守るためにここにいるのですから」

「にしても、さすがにマテーリエ使いがいると違うな」

「そうですね」

 そう、それが太一、寧々ペアが他の3チームに劣る原因でもある。本来マテーリエは味方の支援に大きな真価を発揮する。近藤のようにマテーリエ自身を武器に変換させ、攻撃することも可能だが、やはり根本は支援である。神崎、滝本ペアでは神崎が。裕也と洸希ペアでは洸希が、そして新井、橋本ペアでは橋本が、このマテーリエに属する。しかし、太一寧々ペアはお互いにシュベーアトであるため戦闘の戦い方が大幅に減るのだ。

「さっきのは『地』属性の変化で地形を土に変え、そこから『水』属性とのコンボでまるで底なし沼のようにしたっ訳か」

「ご名答、やはりこの程度では崩れませんでしたか、しかしやはり私たちには全く届きませんよ!」

 瞬間、鏡花が再び前へ出る。太一、寧々はすぐさま臨戦態勢に入り、この攻撃に対抗する。状況は二対一、明らかに太一たちのほうが有利だ。しかし・・・

「抜けない・・・」

「いえ、それどころか押されて・・・」

「ふふ、これがマテーリエの・・・いえ、支援があるかどうかの違いですわ」

「これは『風』属性で鏡花さんの刃のスピードを上げているのか!」

「まさにその通りですわ、その上太一さん、あなたの刀と私の小太刀ではそもそものリーチが違います。私の攻撃を受けきることはできませんよ?」

「まだ、私が居るのだけど!」

「寧々さん!」

 寧々は太一に届きそうな瞬間を自らの限界を超えるほどの反射神経で刃が届く前に鏡花の攻撃を受け流し、太一は寧々を信じ、防御を一切入れず、鏡花への攻撃に力を尽くす。

(いける!ここで崩せる)

 瞬間、太一は腕に力をこめ、渾身の一撃を鏡花へと放った。

「ふふ、そう来ますよねぇ。でもこれはチーム戦、私だけが相手ではないのですよ?」

 その瞬間、太一、寧々の前に先程までいなかったはずの、橋本直美がそこにいた。

「なっ!」

「直美!やりなさい」

「ウチ、あんたの手下じゃないんだけど」

 そして、太一を守るため、鏡花の攻撃を防ぐために力を尽くすのに手一杯だった寧々はこの直美の攻撃に対し、あまりに無防備だった。

「バイバーイ、寧々ちゃん!」

 そして、マテーリエによって自身の拳に覆っていた『気』を『地』属性に変換し、まるで岩の防具のようなその拳を寧々の鳩尾めがけ放った。

「くぅぅっっっっ!!!」

 寧々が悲痛な、声にも満たないような声を発した瞬間、寧々の体ははるか後方、リングの壁にたたきつけられた。

「寧々さん!」

「あなたも、隙だらけですよ?」

 そして、太一もまた『風』属性の支援によって強化された、風の刃が太一の体へ何度も何度も届く。

「天心小太刀一刀流、無限の型〈連閃舞〉」

 太一の体は幾度となく無限の刃に切り刻まれる。そして・・・

「いっくよー、ウチの、最強の・・・パーーンチ!!!」

 先程、寧々を吹き飛ばした攻撃が太一にも放たれた。

「うっっ、ゲホ、ゴホ」

 太一の体は寧々ほど飛ばされなかったものの、口からは大量の血を吐き出した。

「あれまぁ、こりゃグロいね」

「あんたがやったんでしょーが。まぁ、いいや。さっさと棄権しな、そんな体じゃ、もうまともに・・・」

 鏡花が、せめてもの情けをとそんなことを口にしようとした瞬間、太一は我に返ったように、また、鏡花を睨め付け。

「やだね!まだ勝負は終わっちゃいねぇ、ここであきらめたら、俺は・・・この部隊に入った意味がない!そんな気がする」

「おい、いくらプライドがあるといっても、これ以上やりますとホントに命を落としかねませんよ?」

「へっ、知ったことか。俺は負けねぇ!絶対に勝って、あいつらと裕也と洸希たちと決勝でやるんだ!」

「まぁ、いいや、ほんじゃやっちゃうねぇ!」

「おい!」

 鏡花が直美を止めようとするが、直美はこれを無視し、そしてあの攻撃を繰り出す。

「こんどこそ死んじゃえ!」

 ドドドドドドォォォォン!!!

 そして、その体が宙を舞い、先程の寧々と同様、リングに体をたたきつけられ、意識を失った。

「貴様!何をした!?」

 この言葉を発したのは直美のパートナーである鏡花だった。それはなぜか・・・

「最初から、これが狙いだったって事さ!」

 そこに立っていたのは中山太一だった。気絶させられたのは鏡花のパートナーである直美。この不可解な光景に、会場中の生徒たちが、困惑の表情を見せた。

「今のは、相手の攻撃の衝撃をすべて刀で受け、そこから体全体で円運動を行い、受け取った衝撃をそのまま相手へ叩きつけるという技だ。―天剣理心流・心の極致―第四心剣〈円流心〉だ」

「まさかお前、天剣理心流・極致だと!?その域に達しているというのか」

「天剣理心流を知っているのか」

「当然だ、元大剣豪である、〈心剣〉の二つ名で有名だった、黒金東五郎氏が成立させた、心を強く持つことにより、より濃密な「技」を極める剣、それが天剣理心流だ」

「その通り、俺は東五郎さんの一番弟子だった人に数年だけ教わっていたからね、うまくいってよかった。おかげで一発だけ打ち込むことができた。悪いがもう限界みたいだ、少し、無理をしすぎた・・・な」

「ふふ、なんか勝った気がしませんが、幕引きをさせてもらいますね、中山太一!」

 そして、鏡花の天心小太刀一刀流が、無防備な太一の体に牙をむいた。

「鏡花さん言ってたよね?自分は一人じゃないって、僕にも大事なパートナーがいるんだ」

「な!」

「あなたの攻撃は読み切れました、『風』属性の支援がない以上、あなたの攻撃は私には届きません」

「花澤寧々!!!」

「あとは任せて下さい、太一さん」

 寧々の言葉通り、鏡花の〈連閃舞〉はそのすべてを寧々に防がれ、同時に寧々の攻撃が始まる。右からの横薙ぎ、下から上への切り上げ、頭上からの切り下げ。すべての攻撃がまるで防ぐことのできない攻撃のように、鏡花はこの攻撃に対してまったく防ぐことができなかった。

「あなたの攻撃を読み切ることで、あなたが防ぐことのできない一瞬の無意識の中に私の攻撃を合わせる。あなたや太一さんのように、流派はない自己流ですけど、これが私の攻撃です」

「くぅぅ!、あなたも、大概、ね」

 次の瞬間寧々の刃が、鏡花の体を横一閃、切り裂いた。そして・・・

「試合終了、準決勝第一試合勝者、中山太一、花澤寧々ペア」

 そして、長かった準決勝がようやく終わりを告げた。


どうだったでしょうか?楽しんでいただけたのなら幸いです。

さて、今回は準決勝第1試合を書かせていただきました。ということは・・・そうです、そうです。次は第2試合である、神崎、滝本ペア対裕也、洸希ペアの試合を書くつもりです!次回の戦闘も楽しみにしてくださいね!それでは今回はこの辺で。

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