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吸血鬼の花嫁へ  作者: かまぼっこ
はじまり
7/21

ばれた

お屋敷に着くとメイドの人が迎えてくれた。


「おかえりなさいませ」


メイド喫茶に来たみたいだ。少し照れる。


「ただいま」


「アルフレッド様、エリー様ご夕飯ができています。シリウス様とエリナ様がお待ちです。」


そう言うとメイドの人はそのまま案内してくれた。




メイドの人の後をついていくと、大きな扉の前で立ち止まった。

すると扉はそのまま開いて行く。

自動ドアかと驚いたが、中にいる人が開けてくれたようだ。

部屋に入ると、これでもかという程に長い机の端にアルフの両親、シリウスがいた。

シリウスは、森にいたおじいさんにも負けないくらいの体を持ち、アルフと同じく白髪で、ギラギラとした眼でこちらを見てきた。


「アルフ遅いぞ!エリーは今日もかわいいな!!」


開口一番にそんなことを言ってきた。

俺に遅いというのは分かるが、エリーにはなんなんだ?

エリーはいつものことかのように無視しているので、シリウスフォード家の家庭事情が少しわかった気がした。


「あら、あなたもさっき来たばかりではないですか?」


そう言ったのはアルフの母親、エリナだった。

エリーに似た顔立ちに、赤い瞳をもっていた。まるでエリーをそのまま大きくしたかのようだ。優しげな雰囲気が出ていて、見ていて和むの思っていたのだが……

その手に持っているのは鉄扇でそのままアルフの父を殴りつけた。アルフの父はしばらく地面にうずくまっていたが、しばらくすると、何もなかったのように席に着いた。




食事が始まる。

必死に頭でテーブルマナーを検索していると、エリナが尋ねてきた。


「アルフ、今日はどちらに行っていたの?」


「レブナントの森に行っていました。」


一瞬、悲しい顔をしたように見えたエリナは、次の瞬間には元の優しげな顔に戻っていた。


『ばれちゃったかもね』


頭の中に声が響く。

それはないだろ、自分でも思うほど知識の中のアルフ道理に動いたぞ?

そんなことを思っている中、エリーは明るく話をしていった。


「今日はお兄様と、おじさんに会って来たんですよ!それから……………」





食事が終わりエリーがお風呂に入りに行くと言い部屋を出て行くと、シリウスが何故かこっそり出て行った。

そうして、エリナと二人っきりになり俺も部屋から出て行こうとすると、エリナに話があると呼び止められた。




「で、あなたは誰なの?」


エリナは先ほどの優しい表情はなく、得物である鉄扇をいつのまにか首元に当ててきていた。

あまりのことに動揺していると……


「早く答えないと首が飛ぶわよ」


そう、冷たい声が聞こえた。

本当に殺すらしい、目が本気だった。

震える体を押さえながら、勇気を出して話した。


「お、俺の名前は神根 信也です。アルフに魂を召喚され、アルフの体に憑依させられたものです。」


ありのまま真実を伝えた。

が、こんな話普通に考えて信じるわけないだろう!

内心めちゃくちゃ焦っていた。数秒前の自分を殴り飛ばしたくなった。


「そう、本当のことらしいわね」


そう言いながら、部屋の天井を見ていた。

本当に注意してみなければわからないくらいに、小さな透明な水晶があった。



「あれはね『真実の水晶』っていて、本当のことを言わないと真っ黒に色が変わるのよ。もし本当のことを言わなかったら、今頃あなたの首はなくなっていたわよ?」


そう行ってアルフの母は、さっきの優しげな表情に戻っていた。

数秒前の自分を褒めてやりたい。てかもう、数秒前の自分と結婚したくなった。


『あはは。やっぱりばれちゃってたね!』


「ばれちゃってたね!」じゃねーーーーよ!もう少しで死ぬところだったんだぞ!!

全力のツッコミをアルフに叩き込んだ。

実際一度死んだって言うのに、なんだかさっきのは死ぬよりも怖いなにかを感じた気がした。


「それじゃあ話してくれるわね?」


エレナはニコニコしながら、そう話しかけてきた。

どうやら本当のことを話すしかないようだ………


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