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吸血鬼の花嫁へ  作者: かまぼっこ
はじまり
2/21

ここは?

おかしい、絶対におかしい。

「お兄様、起きてください。朝ですよー!」

目をつぶりながら考える。

とりあえず、頭を整理しよう。

1、まず、なぜ俺は生きている?

2、妹がこんな可愛い声で、[お兄様」って呼んでくるのはなぜだ?

この疑問から導き出される結論は…………

ここはきっと病院だろう。そして、妹は何故だか知らんが、壊れたのだろう。あれ?でも、妹の声とは違うんだが……

ま、まあ。結論は変わらないだろう。


『残念だけど、それは違うよ』


頭の中に声が響く。


「だ、誰だ?」

寝ている体の上半身だけを起こす。


「え?お、お兄様??わ、私です!エリーです!エリー・シリウスフォード、あなたの妹ですよ??」


「???」


かつてないほど頭が混乱している。

目の前には、美少女がいた。

雪のように真っ白な髪の毛が腰のあたりまで伸びていて、黒色の大きなリボンでまとめたハーフアップになっている。身長は150cmくらいだろうか。小顔で小動物を連想させる。何といっても引かれるのは紅色の瞳だ。見ていると、吸い込まれるかのように錯覚する。服装は、黒と白色のゴスロリでまるで人形のようだ。

「誰この子?超可愛いんだけど!真っ白な髪って初めて見た!てか、お兄様って誰だよ?早くお兄様出てきてくださいよ!?に、二次元から出てきたんですか?いや、俺が二次元に入ったのか??…………………」

思考が止まらない。

こ、ここはもう一度頭を整理しよう。

結論 俺はこの子にお金を払わなければならないのであろう。

理由 こんな美少女から「お兄様」と言われているからだ。


『残念だけど、それも違うよ。エリーは君の妹だよ。』


「お、俺の妹がこんなに可愛いわけがない!?」


「へ?かわいい??お、お母様、お兄様が壊れてしまわれました!?」


顔を真っ赤にした小女はドアを壊れんばかりに開けると、飛び出のして行った。

周りを見てみると、そこは西洋の王侯貴族が住んでいるような豪華な部屋だった。天蓋付きのベットに、いかにも高そうな家具。天井にはシャンデリアまである。


「一体何だったんだ?あ、これは夢か」


そう、呟く。

そう、これは夢に違いない。夢落ちというテンプレなパターンだ。

そう思い、今さっきまで寝ていたと思われるベットに、もう一度横になった。

急な出来事のせいか、そのまま眠りに落ちていく。






『ねぇ、起きて』


そう言われ、目を開けると真っ白な世界があった。無機質な床がどこまでも伸びているかのように思える。空はなく天井も真っ白いせいなのか、あるかどうかさえわからなっかた。なんたって、影がない。

そんな世界に一人、さっき見た小女と同じくらい真っ白な髪の毛の少年がいた。

服装は西洋の貴族がきるような服で黒を基調としていた。年齢は12歳くらいに見える。特に男に興味はないが、少しイケメンに見えた。

どうやらその少年が話しかけてきたらしい。


『気がついたかい?僕の名前はアルフレッド・シリウスフォード。今日からは、君の名前になるのかな。』


「はぁ?何を言っているんだ?俺の名前は神根かみね 信也しんや日本の高校2年生だ。」

話し相手が、外国人だと思われるので日本という国名付きで言った。


『えーと、君は自ら命を断とうとしたでしょ?』


「ああ。多分死んだと思うだが……」

確かに学校の屋上から飛び降りたな。しかも頭を下にしての落下だ。間違いなく死んだはずだ。


『そこで、君が死んでからすぐに君の魂を召喚して、僕の体に憑依させたんだ。君のような魂を探すのに僕がどれだけ苦労したか………』


「え?」

何言ってんだこいつ?早く何とかしないと。


『まぁ、ちょっと聞いてくれよ』


そこから話されたアルフレッドという名の少年の話は、とても信じがたいものだった。


読んでくださり、ありがとうございます。

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