可愛いっ!
グエン視点です。短いです。寝てないです。
「グエン~?今晩の夕御飯にするから、川で魚を採ってきてくれる?」
「うん、分かったよ母さん。何匹必要?」
「そうねぇ……父さんと母さんとお祖父ちゃんのと貴方のだから、全部で四匹ね。お願いできるかしら?」
「うん!任せてっ!!」
僕は仕事を与えられたのが嬉しくて、籠を持って川へと小走りで向かった。
僕の名前はグエン。獣人族の中でも身体能力が高い、虎族の一員です。今日の夕飯は僕の好きな魚料理だというので、とても楽しみです。
川に向かっている間、何か変な臭いが辺りに蔓延していることに気付きました。これは………血の臭いです。僕たち獣人は嗅覚が発達しているので、直ぐに分かります。
多分近くでまた他種族の小競り合いでもあったのでしょう。獣人は血の気が多い種族が結構居るので、しょっちゅう諍いが起きます。
僕は慎重に辺りを警戒しながら血の臭いのする方に向かいました。生きているならば助けてあげたいですから。
少し進むと少し視界が拓けた場所に辿り着きました。そこには小さな姿の、だけど全身血で真っ赤に染まった少女が横たわって居ました……。ピクリとも動きません。多分死んでしまっているのでしょう。
僕はせめて少女を埋葬してあげようと、彼女の側にしゃがみ身体を抱き上げると、突然少女が淡く光始めました。
突然の異変に僕は慌ててしまい、抱き上げていた少女を地面に落としてしまいました。
すると、死体だと思っていた少女から声が聞こえたのです。
「うぎゃっ……………」
「ええっ?生きてるんですか?ごごご…ご免なさいっ!」
「ここ…痛……っ…ど、どこ?」
どうやら本当に生きているみたいです。そして少女の周りの光が消えていきます。身体は血で染まっているのに顔は意外にも血が殆ど付いていない様で、表情等が良く分かります。
少女はどこかボンヤリした瞳で僕の方をジ~~~~~っと見詰めて来ます。そして唐突に可愛らしく微笑むと、僕の足に抱きついて来ました。
ううっ……。かっ…可愛い。少女はとても綺麗な顔をしています。なので微笑むととっても可愛いらしいのです。僕はドキドキと高鳴る胸の鼓動に自分でも驚いてます。
「ジュルリッ……。私の…理想が……ここに……ウフフ……ネコ耳……離さない……ウフフ……」
少女の可愛いい小さな口からタリーっと、涎が溢れました。それを見てしまった僕は、更に鼓動が跳ね上がりました。物凄くいけないものを見てしまった様な気分です。
少女は幸せそうに僕の足に抱きついたまま、目をつぶってしまいました。さっきの事があるので、心配になって呼吸を確かめるとちゃんと息をしていたので、ホッとひと安心です。
「そういえば……この子…どこの種族なんだろう?見たこと無い種族ですね?まあ……お祖父ちゃんに聞けば分かるかな?」
僕は少女を抱き上げると、ゆっくり休ませてあげるために、村まで連れて帰ったのであった。
二話目にして視点が違うキャラです。
変なところは追い追い直します。(多分)