田舎の不良みたいな少年達
誤字脱字は許して頂きとう御座います。
「さあ、ネネにはまだまだ案内したい場所があるよ……………」
平然とそう言うと、グエンは私の手を引いて歩き出そうとする。
ちょっ………まっ………待って!!あなたはミーナを追い掛けてあげなさいよっ!私の事など後回しでいいっつーの。
「…………………私は良いから、早くミーナを追い掛けなさいっ!あの子………泣いてたわよ!」
私は何も分かっていなそうなグエンの背中をぐいぐい押しながら、直ぐにミーナを追い掛ける様に言った。
「………う、うん。ネネの言う通りにするからそんなに押さないで。確かにあのミーナが泣くってよっぽどの事だし、このままほっといたら面倒……あわわっ、じゃなくて心配だから追い掛けるよ」
グエンは私の剣幕に気圧され、ミーナが走り去った方向へと追い掛けていった。
私は一仕事終えたかのような心境で、自身の肩を叩いた。
そんな私に村の人達は遠巻きにしている中で、話し掛けてきた2人の人物が居た。
「ふうん………他種族の、それもあの悪名高い人間のガキが、虎族の村を堂々と闊歩なさってるとはなぁ?」
「ククク………。兄貴、どうするっすか?グエンの奴も居ませんし、少し痛い目に遭わせてやるっすか?」
「そうだなぁ。親父が言ってた昔の怨みってのもあるしなぁ………」
「それにしてもさっきから一言を喋らないっすね、コイツ」
「はんっ。俺たちの言葉が高尚な人間様にはわかんねぇんじゃねぇーの?」
「ははははは!兄貴、それは無いっすよ。だってさっきまでこの子、グエンとミーナと話してたじゃないっすか」
「ぐっ…………。うっせえっ!んな事はお前に言われなくても分かってんだよ!」
「ええ~ほんとっすか?」
「ったりめぇーだろ?」
う~ん何だか田舎の不良みたいな格好の2人組の少年に、左右を囲まれて物騒な事を言われているのですが、いまいち私に危機感が芽生えないのは、この2人のやり取りがどこかホンワカしちゃってる事にあると思う。
そろそろ他も見て回りたいので、この場はお暇しましょうか。
「あの、お2人とも?そろそろ他も見て回りたいので行って良いでしょうか?」
「「……………………………………………………………」」
2人とも、無言で私を見詰めて来ます。両者ともに帽子を被っているため、ラブリーな耳は見えないのですが、多分帽子の中でピーンと立ち上がっているのではないでしょうか。
少し待っても返事が一向に無いのでもうほっとこ。
私はペコリとひとつお辞儀をすると、固まったままの2人の間を通り抜けて歩きだした。
すると、驚いた様な声で2人組が追い掛けて来ました。
「待て待て待てっ!!」
「ちょちょちょっ!!」
ええー。なに?なんなの?私にまだ用があるの?面倒だな~。早く済ませてくれると有り難いけど。
「なんです?ご用があるなら簡潔にお願いします」
「お?おお……………。あっと………こ、これからどこ行くんだよ?」
「ちょ、兄貴っ!そんな事聞いてどうすんすか?もっと良い引き止め方があったんじゃ無いっすか?」
「ばっか!お前。どこへ行くか聞いといて、先回りして落とし穴を掘ったり落とし穴を掘ったり落とし穴を掘ったりだなぁ………」
「あの?兄貴…………?落とし穴を掘るしか無いんすか?」
「うっせえし!俺にも考えはもちろんある。落とし穴の中身のバリエーションだ」
「バリエーションっすか?」
「おうよっ!まずひとつめは、モンスターの糞を仕込んどく」
「うげっ!それは卑劣っす!悪臭で他の人にも迷惑がかかりそうっす」
「ふっ。ふたつめは、攻撃力はほぼ皆無だが着衣を溶かすスライムを穴の中にミッチリと仕込んどく」
「おわっ!それはエロスっす!あっ……でもあの子……………肝心な所がつるぺたっす」
「ぷっ。みっつめは、親父の作ってから1度も洗っていない靴コレクションをところ狭しと敷き詰めておく」
「うーん。そりゃあモンスターの糞と、どっこいどっこいな………いわば兵器っす」
「あっ!これは親父には内緒な?マジでヘコムからよぉ」
「了解っす!!!って………………あ、兄貴!!」
「あん?どーした?」
「あの子……………………………………………………もう居ねえっす」
「えっ?マジで?」
「はい。マジっす」
「し、信じらんねぇ………。普通聞かねぇ?俺が喋ってんだしよぉ………」
「…………でも確かに話が簡潔なら聞くとは言ってたっすけど、兄貴の話は簡潔じゃなかったっす!めっちゃ長かったっす!」
「それでかっ!!!………………ちくしょう!次に会ったら出会い頭に大量の虫を投げつてやるぜっ!バッキャローーーーー!!!」
兄貴の叫び声は虚しく辺りに響いたのであった。
あっは。キャラの名前を忘れたり、他の話と混ざったりします。
自分で考えたのに、です。
間が空くとアカンね。
でも空くんですよね。
不良みたいな少年2人組の名前は未だに無い。
今後出てくるかも未定です。