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第一話
作者の気持ちを誰かに聞いてほしくて、前に進みたくてつくりました。読んで頂いて、共感できるところが少しでもあれば嬉しいなと思います。
あの日、少し朱色がかった、しみひとつない、綺麗で華奢な赤い色の傘をさしていた、あなた。周りより頭ひとつふたつ高い背丈、筋肉質の男っぽい腕に、黒い切れ長の目。
強い雨が降っているのに、空は青く明るい天気雨だったあの日。空の青さと華奢な赤い傘と男っぽいあなたとが、とてもちぐはぐに見えて、似合わないなって思った。そんなちぐはぐな光景が、ずっと、ずっと頭から離れなくて。気付けばあなたの姿を探してた。
自分の周りの小さな世界しか知らなかった、あの時代。あなたは、私にとって、その小さな世界の中心だった。