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鉱石オタク浪漫譚  作者: GESHI
第一章
2/17

1話

文章書くのって難しいですね~・・・。

「探せ探せ!まだ遠くへは行ってないはずだ!!」





森の中に男たちの足音と声が響く。

反りの深い剣や鉈や斧などと武器はまばらだが、防具は一様に軽装だ。





男たちは周りの草を刈りながら、何かを探していた。





「(まったく、しつこいったらありゃしない・・・)」


彼らの目標らしき女性は、息を殺し身を隠していたが、予想以上にしつこい探索によって、徐々に追い詰められつつあった。


鎧や髪は土で汚れているが、そんなことは気にもとめず、周囲を探っていた。




「(王都から遠ざかっちゃうけど、仕方ないわね)」




女性は再度、息を殺し移動を始める。

男たちが居る位置から遠ざかるよう、足音を立てない様に慎重に、されど迅速に。



なんとか逃げ続けていた彼女だが、ここは森。

周囲は草に囲まれ、足元がおぼつかない。

枯れ木の枝などが幾らでも落ちていて、音がなればすぐにバレてしまう。


案の定、木の枝を踏んでしまい、枝が折れる乾いた音が鳴る。



「くっ!!」


運悪く、近くには3人の男がいた。



「そこにいやがったか!」

「居たぞー!」

「まちやがれ!!」


三者三様に言いながら、走る女性を追う。



女性は必死に走るが、足元がおぼつかないうえに体力が減ってきた今、捕まるのは時間の問題だ。



そんな彼女が何を思ったのか、クルリと男達に向き直り地面に剣を突き立て、何かを唱える。




『穿て!地の槍(アース・スピア)!』




女性が何かを唱えた瞬間、男たちの足元から土で出来た槍が飛び出す。


足元が見えにくい事もあり、男二人はあっさりと槍で貫かれる。

しかし、もう一人の男は転がりながらも、なんとか槍を避けた。


「こんの、アマ!!」


男は一気に距離を詰め、彼女に斬りかかる。

女性は慌てず、冷静にこれをさばく。

鍔迫り合いの状態に持ち込まれるも、女性は冷静なまま、さらに言葉を紡ぐ。




『集え!水の牢獄(ウォーター・プリズン)!』




次の瞬間、男の顔を包むように、水の玉が出来上がる。


男は必死に水から顔を出そうともがくが、顔の周りの水は一向に無くならない。


男の意識が朦朧とし、膝をついたところで彼女は森の斜面を降りていく。

敵を打ち倒したにも関わらず、彼女の顔色は優れない。



「(ちっ、流石に使いすぎたか・・・)」

微かに顔を歪めながら、彼女は転がる様に走る。



しかし危機は続く。

別方向からさらに追っ手がやってきていた。



今回は振り向くことはせず、ひたすらに逃げる。

「(限界が近い、もう乱発は出来ないわね)」


走りながらそんなことを考えていた彼女の目に、森の出口らしき光が見える。



「(出口!もしかしたら近くに町があるかも!)」

いかに男たちが武装していようと、街までは追って来ることは無いだろう。

そう考え、森の出口まで全力で走る。



しかし、そんな彼女を嘲笑うように、目に飛び込んできたのは一面の岩肌。逃走を阻むが如く絶壁がそびえ立っていた。



追い込まれた。

そう彼女が気づいた時には、後ろから4人の男が追いついていた。



「やっと追いついたぜ~」

「たくっ、手間取らせんなよ?お嬢ちゃん」


下卑た笑みを浮かべる男たちに、しずかに剣を向ける女性。


「ふんっ!貴様らの様な三下が、この私を切れるとでも?」


役者不足ね。と、強気に吐き捨てる。



「カッカッカ、おもしれえ。気のつええ女は嫌いじゃないぜ?」

「命乞いするんなら、飼ってやってもいいぞ?嬢ちゃ~ん?」

「冗談。汚い男は大嫌いなんだ」


にじり寄ってくる男たちを彼女は睨みながら、剣を握る手に力が入る。



「そうかいそうかい・・・。そんなら、あんたの血で綺麗にしなきゃなぁ!!」


男の一人が叫んだ瞬間、他の男達も一斉に武器を構える。




女性はゆったりと、叫んだ男に剣の切っ先をむけ、紡ぐ。



『集え!水の牢獄(ウォーター・プリズン)!』


切っ先を向けられた男の全身を包むように、水の牢獄が出来上がる。

しかし・・・。




「あめぇんだよ!」『集え!炎の鱗(フレイム・スケイル)!』




男が言葉を紡いだ瞬間、男の身体を赤い鱗が覆うい、水の牢獄は蒸発するように、霧散する。



「ちっ!」

舌打ちをしながら、女性は後方の岩肌に向かい走り出す。



「おいおいっ!どこ行く気だ~?」


彼女の後を男たちが追う。

彼らを引きつけたところで剣を崖に突き刺し、振り返り、唱える。



『穿て!地の槍(アース・スピア)!』



剣を突き刺した崖から、4本の土の槍が飛び出す。


先ほどの数倍近い長さにまで伸びる。

急激なスピードで伸びる槍を交わしきれなかった男一人が、槍の餌食となる。


残った男3人はなんとか槍を躱し、女性に向かい再度走る。



「その2つがてめえの魔術か!種が割れた以上くらわねえぞ!!」

先頭を走る男が叫びながら斬りかかってくる。




女性の顔色は先ほどよりさらに悪く、額に汗をかき始めている。

「(やはり厳しい・・・しかし、やらねば殺られる!)」




目の前の男と何合か斬り結び、剣を弾き後退させる。

同時に右側からの切り落としをスレスレで躱し、胴体に剣を突きたてる。



「もらったー!!」



剣が深々と刺さっている隙を見逃さず、鉈を振りかぶった男が背後から斬りかかってくる。


受け流しをするには剣を引き抜かなければならないが、そんな余裕は無い。

とは言え、避けるために剣を手放せばどの道待っているのは死。

男二人が勝利を確信するも、呆気無く覆される。




『爆ぜろ!炎の開放(フレイム・オープン)





女性が言葉を放った瞬間、剣で貫かれた男の胴が爆ぜ、爆発の勢いをそのままに、背後にいた男へ剣を叩きつけた。

背後から斬りかかった男は、驚愕に目を見開いたまま身体を上下に切り分けられる。




4対1という状況を切り抜け、遂にあと一人にまで追い込んだにも関わらず、女性の表情は優れなかった。




いや、むしろ悪化したと言ってもよかった。




「カッカッカ!魔力切れか~い?お嬢ちゃん」

「はぁ・・・はぁ・・・」


女性は答えない。

しかし、彼女に余力が無いことは誰の目にも明らかだった。

息は荒く足は震え、武器を持つ手にも力は感じられない。



「さっきのには驚かされたぜ。まさか3つもを持ってたとはな・・・だが、悪あがきもこれまでだな?」


男は剣を構え直す。

必殺の一撃を見舞うために。



「死ねやぁ!!!」




駆け出す。


その目に確信と言う光を灯しながら。


この状況になれば、誰もが彼と同じ光を灯すだろう。


慢心ではなく、必然。


もし、この状況が覆るとすれば・・・。






「んなっ!!!!」





運が悪かった。としか言えない。






「ハァッ!!!」






突如、男の前に地面(・・)から何かが飛び出す。


男はその"何か"につまずき、体勢を崩す。


気づいたときには遅く、目の前まで迫った女性によって、喉に剣を突き立てられていた。





剣を引き抜き、崩れ落ちた男を一瞥したあと、荒い息のまま、彼の足元に目を向ける。


そこには、地面から何かが"生えて"いた。



艶のない、黒く丸い物体。

女性が見たことのない形状のそれは、もぞもぞと動き出した。




「っ!!」


女性は震える手足をなんとか抑え、急いで剣を構える。



黒い物体は、徐々にその全貌をあらわにする。




人間の様な手足を生やし、衣服も着ていた。


その正体は・・・












「痛~~、帽子かぶってなかったらやばかったなぁ・・・」








どこからどう見ても






「人間・・・?」

誤字脱字、誤った表現等ありましたらご一報くださいませ!

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