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はじめまして。
とある王国に一人の赤子が生まれた。
雪のように白い肌、真っ赤な唇にバラ色の頬、そして生みの親である母君が息を飲むほどの美貌の持ち主であるため、そんな母君に似て生まれてきた少女は赤子ながらも、とてもとても、愛くるしい少女だった。
ただ、
その瞳に宿る色はこの国、いや、この世界全てを探しても見つける事はない、存在するはずのない色。
闇よりも濃く、深く、それでいて凛と澄んだ様に光る―――――――漆黒の色。
その瞳を見、周りの者は皆この少女をこう呼んだ。
黒雪姫、と。
短いです、序章です。次からスタートです。