トカゲ
銀の大地―死者に会える鏡を求めて―メタ記事第九回目。
トカゲについてです。
わー、パチパチパチ。
トカゲといえば本編を読んだ皆様はもうわかるでしょう。
読んでない皆様はわからないですか?
しょうがないですねぇ。
トカゲとは冷たい生き物です。
冷血でどんな熱さの中でも耐えられる、なんてね。
情熱に灼かれた男には、冷たいものを贈れという古い民間伝承の考え方があり、比喩としてトカゲが使われることがあります。
たとえば恋する男にトカゲを渡せってね。
それはさておきトカゲは脱皮をしますよね。
脱皮って神秘的じゃないですか?
古い皮を脱ぎ捨てて新しい自分になるのです。
魂は一度決まった形に留まるわけではありません。
ときに強制的に剥がれ落ち、ときに自分で脱ぎ捨てる。
物語の誰かさんのようにね。
(誰とは言わないけど。ね?)
そしてトカゲは再生の象徴でもあります。
だって尻尾が欠落して、また生えるでしょう?
月の満ち欠けのように、いつかはまた戻るのです。
そして日向と影を行き交う動物です。
トカゲは。
影だけでも生きられない。
光だけでも焼け死んでしまう。
どちらの側にも偏れない者。
境界にいる者。
世界の理の外側と内側を行き来する者。
ある意味、この物語の重要人物たちはみんな少しトカゲです。
ちょっと喋りすぎましたね。
でもこれだけ喋ったらトカゲがなんなのかは伝わると思います。
では、次回は未定です。
それではさようなら。
実は『銀の大地』には、ちょっとした“裏側”があります。
本編とは別に、この世界に伝わる神話群と寓話群がちゃんと存在しているんです。
ただ、あれらは物語の根幹に触れるので、公開時期を慎重に見ています。
まだ先にはなりますが、必要最低限だけは本編にもこっそり(嘘です、がっつり)忍ばせています。
「なんとなく見えてきた気がする……。」
そんな瞬間があったら、それはたぶん正解です。
せ、正解だと思うよ?
よかったら引き続き読んでくださいね。
お願いしまーす。




