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大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第四章 星波、日本にて

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第56話 作戦会議……参加要請


「初対面の人間の首の動脈の上に、正確に牙を立てられるのがヴァンパイアです。

 噛み損なって、美女の首筋を穴だらけにするヴァンパイアなんて、見たことがないでしょ」

「そう言われましても……。ヴァンパイア自体、今まで見たことがなかった」

 美岬の言葉に、ヨシフミは軽くズッコケたが、瑠奈が話を戻した。


「ヨシフミと私はその弱点を見つけるだけでなく、蒼貂熊(アオクズリ)との戦闘中に、その身体のどこかに付いている直径1cmの弱点スイッチを押せと言われても余裕でできるんですよ。全然問題ありません」

「わかった」

 そう答えた美岬は、声を張った。


「真、聞いている?

 セカンドプランは必要だけど、蒼貂熊(アオクズリ)の謎に対しては少なくともこれらの方法で仮説が正しいかの実証は可能よ。

 上に、実験実行の承認を求めて欲しい」

「わかった」

 その声は、この部屋のスクリーン脇のスピーカーから響いた。


「今までの話をまとめ、承認を得るのに要する時間を2日間とする。

 同時進行で各施設の利用申請、蒼貂熊(アオクズリ)の標本の確認、蒼貂熊(アオクズリ)捕獲の候補地についての選定も進める。

 結果は随時伝えるので、瑠奈さんとヨシフミくんは実戦の想定を深めておいて欲しい。そして、サンプル採取場所の選定までの時間で標本の確認をお願いしたい。

 星波さんはルイーザさんと、魔法使用についての協議をお願いしたい。どのような魔法を使えば、蒼貂熊(アオクズリ)の正体を効率的にあばけるかということです。

 悠は、実戦経験者として瑠奈さんとヨシフミくん、そして星波さんの協議のそれぞれに同席してくれ。

 美岬には、これらすべての統括をお願いしたい。

 実は、この問題に対しA国からの介入要請が来ている。さらにC国からは強制介入の兆しが見て取れる。政治として、表も精一杯頑張っているが、裏も熾烈なことになっている。なので、俺と慧思はその対応に手一杯だ。結果としては、こちらのゴタゴタもそちらの話につながると思うが、まずはそちら側での進展を期待したい。

 なにか質問は?」

 必要なことだけを言い切ると、スピーカーからの声は一旦沈黙した。そこへ、悠が聞いた。


「父さん、お願いがある。

 宮原雅依(かえ)と北本珠花(みか)の作戦参加は可能だろうか」

「悠の同級生の弓道部の子と家庭科部の子だな。参加させたい理由を話せ」

 悠にとっては優しい父ではあるのだが、そう聞く声は冷徹なものだった。もちろん、悠の想像していたとおりである。また、そうでなかったら、悠としても肩透かし感を抱いただろう。


 悠は、1つの組織を率いる長に対しての説明を始めた。

「まず、1つ目。僕は実戦経験者といっても、無我夢中でなにも見えていなかった。今になって、ようやく鴻巣の考えを理解するぐらいものが見えていなかった。だけど、僕自身が至らなくても、実戦経験者の仲間がいれば見落としはなくなると思う。物理部の行田や生物部の岡部もいいけど、彼らは専門知識を持っているというのが強みで、その強みは父さんたちの組織の助言が得られるならほとんど意味がなくなってしまう。高校の部活レベルと、大学の研究室レベルの違いは僕にもわかっている。

 それに対して、宮原と北本は戦いの勝敗にかかわらず、決して後退したりはしない。空手部の坂本も決して引かない奴だけど……。

 父さんの組織のことを片鱗でも知っているのは宮原と北本で、坂本はまったく知らない。父さんだって、組織のことを知っている人数は増やしたくないはずだ」

「2つ目は?」

 その問いに相槌はなかった。


第57話 父と子

に続きます。

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