表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第四章 星波、日本にて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

271/278

第51話 作戦会議……計画3


「じゃあ、蒼貂熊(アオクズリ)を捕まえるのは確定事項として、問題はどうやって?、ですよね」

 瑠奈の疑問に、悠が答える。

「従来も、麻酔銃で捕まえられていたんじゃないですか?」

「今回はそういうわけには行かない」

 美岬がそう釘を刺した。


「なんで?」

 そう聞く悠に、美岬が説明する。

「住宅街に出てきた蒼貂熊(アオクズリ)を、やむをえず麻酔銃で撃った案件なら少なからずある。だが、こちらから山の中に入って撃ったことはほぼない。

 つまり、撃つのはどうとでもなるが、それをどうやって運ぶかというところで、大きな問題が生じる。市街地なら檻を積んだユニック車を横付けすればいい。だが、山中ではあの巨体を人力で運ぶのは不可能だ。たかだか200kgのクマですらとんでもない労苦なのに、蒼貂熊(アオクズリ)はトン単位だ。まして生きて運ぶとなれば、バラすわけにもいかない」

「となると、車が入れる林道におびき出して、それから眠らせるしかない、と」

 悠がそう言うのに、美岬はさらに厳しい見込みを告げた。


「悠、甘い。

 それが可能か、だ。麻酔銃で撃てば、そのまま蒼貂熊(アオクズリ)が昏倒すると思ってないか?

 実際には、麻酔が効き出すまでにそれなりの時間がかかる。麻酔銃で撃たれた蒼貂熊(アオクズリ)はとりあえず逃げようとするだろう。たった100mでも、山中に走り込まれたあとに眠られたら、我々に運び出す手段はない」

「……なるほど」

 悠は苦虫を噛み潰したような顔になった。


 蒼貂熊(アオクズリ)との戦いで生き残り、それなりに自分の力には自信を持っていた。だが、自分の母親の前では、赤子に等しい。これが人間関係の話ならしかたないとも思えるが、このようなことでそれを認めざるをえないのはどうにも悔しかった。


「運べればいいんですか?」

 そう聞いたのはヨシフミだ。

「ああ。だが、それもどこまでうまくいくか……。

 蒼貂熊(アオクズリ)はバディで行動する。なんとか1頭を仕留めても、もう1頭が邪魔をするだろう。それなりに知能があるし、倒れたとしても生きている仲間を見捨てはしないだろうからな」

「じゃあ、ヨシフミが蒼貂熊(アオクズリ)を運んでいる間、もう1頭は私が引き受ける」

 瑠奈がこともなげに言い、その場にいる誰もが耳を疑った。


「マジですか?

 つい先日、あちこちの学校に蒼貂熊(アオクズリ)が入り込み、たくさんの犠牲者が出ました。みんな大人しくしていたわけじゃない。それなりに抵抗し、戦って、それでも喰われたんです。

 瑠奈さんが普通の人ではない、ジェヴォーダンの獣だとしても、体重が20倍以上、いや、30倍はある相手をどう抑え込むんですか?」

「ま、見た目のイメージからしたら心配になるかもだけど、問題ないから。あんなドンクサイの、簡単に手玉に取れる。ヨシフミだって、やせっぽちだけど数トンくらいのものならお手玉できるから」

「……とんでもねーな」

 悠が呟く。


「というかさ、美岬さんの旦那から、なにも聞いてないの?」

 そう瑠奈が聞き、美岬が答える。

「聞いてないとは?」

「菊池さんから、ヘリコプターに乗るときに、体重を聞かれたんだよね。この姿のときに、体重はどうなっているのかって」

「聞いてないよ。

 というか、故意に聞かされていない。私に先入観を待たせたくなかったんだと思う」

「あなたたちは、そういうやり方なのね。

 で、先入観がないと、なにかいいことがあるの?」


作戦会議……発見

に続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ