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大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第四章 星波、日本にて

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第49話 作戦会議……計画1


「となると、実験個体となる蒼貂熊(アオクズリ)の捕獲と封じ込め施設が必要ですね」

 ヨシフミの言葉に、悠が聞く。


「封じ込めって、どういう意味ですか?

 って、ああ、なるほど!」

 聞くそばから、自分で答えを見出す悠だった。


「そうね。蒼貂熊(アオクズリ)は群れで行動する。そして、獲物を狩るときに連携も見せる。となると、仮説が正しくて魔素を集める存在だった場合、豊富な魔素を見つけたら一気に集まってくるかもしれない」

 美岬がそう口に出し、さらに瑠奈が言う。

「もしかしたら、ミツバチが行っているダンスでの蜜源の周知みたいなこともあるかもしれない。超音波みたいなものを出すことだって考えられるし、ましてや蒼貂熊(アオクズリ)が人造生命なら、電波まで想定しておいた方がいい。具体的な会話のような通信まではできないでしょうけど、パルスならありうる。デンキウナギみたいな機能があるかもしれない。

 魔素を集めることに特化して作られた人造生命なら、魔素を見つけたときの特別な信号があってもおかしくないし……」


「ですが……。

 そんな封じ込め施設がありますか?

 筑波とかのP4施設はあくまで生物的封じ込めで、中で熊以上の猛獣が大暴れすることは考えてないでしょ。ましてや電波的にも封じ込めるって……」

 悠の言葉に、美岬が難しい顔になった。


 こちらの世界のそのような施設について、一番詳しいのは美岬である。一時は、この国の中枢にダイレクトに関わっていたほどなのだから当然だ。

 だが、その美岬にしても、咄嗟にそのような施設は出てこなかった。

 本来、封じ込め施設とは繊細なものである。目に見えない微細なものを閉じ込めるのだから、当然のことだ。いわゆる無菌室が、鼠害対策でアルミの板ですべての面が覆われていても、熊に襲われたらひとたまりもない。いくらなんでも、そこまでは想定していない。ましてや蒼貂熊(アオクズリ)である。

 元来、猛獣は檻に入れるものであって、封じ込めるものではないのだ。


蒼貂熊(アオクズリ)、薬で眠らせておくことはできませんか?

 そうすれば、そんな施設を探さなくても……」

 星波の問いに、美岬が答える。

「できなくはないけど、きわめて難しいのよ。悠たちが発見したことだけど、紫蘇に含まれるペリルアルデヒドで蒼貂熊(アオクズリ)の身体は崩壊する。人間であれば、なんでもない物質なのにね。

 蒼貂熊(アオクズリ)の身体は毒に極めて弱いのよ。人間にとっての毒でも死ぬし、人間には毒にはならないようなものでも死ぬ。そんなんだから、麻酔銃も有害鳥獣対策で使われているけど、ちょっと麻酔薬の量を間違えれば死んでしまう。それでもまぁ、放獣までの短い時間ならいいけど、眠らせ続けるとなったら、その難しさは、ね……」

「……じゃあ、その手しかないんですね」

「ええ。腕利きの麻酔医を動員できたとしても、対象が蒼貂熊(アオクズリ)じゃねぇ……」

 そう続けた美岬は、そのまま結論を口に出した。


「地下しかない。

 地下であれば、電波も音も封じ込めできる。どれほど蒼貂熊(アオクズリ)が暴れても、逃げ出そうとしても、出入口だけ塞げばいい。制御が可能よ」

「そんな地下施設、ありますか?

 廃トンネルなんかじゃ、そもそもの安全が担保できないでしょう?」

 ヨシフミの問いに、美岬は少し迷った表情を見せたが、思いついた案を口にした。


第50話 作戦会議……計画2

に続く予定……

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