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大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第四章 星波、日本にて

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第45話 魔法とは……9


 ヨシフミの質問に応えて、星波(せな)は魔法を発動させるために必要な条件を説明した。

「召喚や千里眼などの遠隔魔法には、基本的に満たさねばならない2つの条件があるんです。

 まずは召喚・派遣ですが、初めて行く先を設定する時は、詳細な現地情報が必要になります。術者が目的地をきちんとイメージできるだけのものが必要なのです。

 それができないのであれば、魔法の届く縁、たとえば魔法陣を設置しておくといったことが必要となるんです」

「それって、行ったことのないところには行けないってこと?」

「そうなります」

「……案外不便だな」

「目的地設定があやふやになるよりマシだと思うんです」

 そう返した星波の語気は、やや強くなった。

 魔法を役に立たないモノ扱いされたことに、かちんと来たのだ。


「じゃ、千里眼とか、遠隔視とかはどうなの?

 見てないと見れないじゃ、その魔法の意味がないよね」

 瑠奈の質問に、星波は冷静さを取り戻した。


「千里眼は、問題がいくつもあるんです。

 遠くになればなるほど、目的のものが見えなくなるんです」

「どういうこと?」

 瑠奈の問いに、星波は一瞬悩んだ。

 どう説明していいか、わからなかったのだ。しかし、その時間は短かった。もう1つ、似たような事例があることを思い出したのだ。そして、こっちなら星波の語彙でも説明できた。


「拡大視の魔法も同じなんです。

 拡大率を上げれば上げるほど、目的のものが見えなくなるんです」

「……それは、見つからないという意味で?」

 理科の実験で顕微鏡の使い方を学び、目的のものを探すのがとても大変だったことを悠は思い出していた。メカニカルステージを使えばなんとかなったが、手でプレパラートを動かすと見ているものが視野の外のどこかへ吹っ飛んでしまう。


「そうです、それ。それと同じです。

 遠隔視で見える範囲は決まってますから、世界が広大になるほど目的のものを見るのが難しくなってしまいます。ちょっとずれただけで、ぜんぜん違うものが見えちゃうんですから。だからきっと、止まってているものであれば見えるんです。でも、遠くのものは止まってないから……」

「さっきの赤道儀の話が蒸し返されちゃったよ」

 ヨシフミがそうつぶやく。


「……でもさ、そうだとするとなんで鳴滝さんは召喚できたの?

 だって、鳴滝さんのことをダーカスの人たちは知りようがなかったでしょ?」

 瑠奈の質問に、星波の表情は暗いものになった。

「できませんでしたよ。『始元の大魔導師』の可能性のある人を当てずっぽで召喚していただけです」

「当てずっぽ!?」

 驚きのあまり、瑠奈はその単語を繰り返した。


「当てずっぽだから、ダーカスだけでなくリゴスやエディでも何回も召喚してました。いつもいつも外れで、当時は魔術師が命を削って召喚していたのに、外れたら送り返さなきゃですから、無駄に魔術師が死んでいたんです。

 それでも何度も何度もそれを繰り返して、ようやく本郷さんを見つけ出して、ダーカス世界を救ってもらう契約を結んだんです。なのに、本郷さんは交通事故にあってしまって、契約の保証人設定されていた父が召喚されたんです。

 だから、父は今でも『誘拐だった』とか、『拉致監禁だった』とか言います。

 おまけにその召喚直後、母が父を水差しでぶん殴っちゃったらしくて、それは今でもダーカスで語り草です。歪んだ水差し、今でも王宮に飾ってあります」

「……大変だったのね」

 瑠奈が簡潔に感想を述べたが、これは他に言いようがなかったのも事実だった。


第46話 魔法とは……10


に続くか、と。

でも、11にはならない予定ですw

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>母が父を水差しでぶん殴っちゃった 1000年後くらいに神話になってそうw
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