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大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第四章 星波、日本にて

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第42話 魔法とは……6


「うん、なんか少しだけだけど、理解できてきた気がします。それに切り口も見えてきたと思います。

 まずは……、その、セフィロト(大の月)スノート(小の月)を調べればいいんですよ。そうすれば、魔素がどういうものかも理解できるし、その結果として、魔素の測定機だって作れるかもしれない」

 そう熱っぽく話した悠だったが、瑠奈は冷静なままで、その返事の声に温度感はなかった。


「とはいえ、ダーカスにロケットを運んで、そこで打ち上げるわけにもいかないでしょ?

 相当に詳細な調査が必要になると思うけど、専用無人探査機なんか開発していたらいつになるかわからないし、ロケットからの間に合せの遠距離探査じゃせいぜい窺うだけになっちゃうし、有人飛行は無理だし、結果としてなにもわからないってことになりかねない」

 悠は、瑠奈の言葉に悔しそうな表情になった。


 そうなのだ。衛星まで行くロケットだけを運べは良いわけではない。管制、観測体制まで含めた打ち上げシステムをダーカスに持ち込むことは、どうやってもできない。悠だって、それはわかる。


「そこまで一足飛びは難しいだろうけど、せめて、天体望遠鏡ぐらいならダーカスに運ばれているんじゃないですか?」

「父が運び込んで王宮にありますが、よくはわかんないんですよね。月の表面はよく見えましたけど、それでも明るすぎたり暗すぎたりして。

 どうやったら、この世界の図鑑にあるように見えるのか……」

 悠に応えた星波の言葉に、美岬は驚いた表情になった。


「……あの、星波さん。ダーカスにカメラは持ち込まれていないの?」

「ありますけど……。

 でも、父が言うにはフィルム・カメラというもので、これも私にはよくわからないんです」

「……なんでまた、そんなものを」

 そうため息を漏らしたのは悠だ。

 悠も、フィルム・カメラの存在は知っていても、見たことも触ったこともない。星波の父親がなんでそんな時代遅れのものを持ち込んだのか、悠にはまったくわからなかった。


 だが……。

「なるほど、ね。

 星波さんのお父さんの考えていることはよくわかるわ」

 そう美岬は言い、軽くため息を吐いた。


「適正技術ってことよ。

 まず、デジカメは、どんな形のものであれ、ディスプレイがあるのが前提。ダーカスにはスマホもパソコンも数が極めて限られている。ネット環境もない中で多人数で画像を共有するなら、印画紙で焼き増した方が話が早い。写真ならそのまま魔法で召喚とかしてやりとりできるだろうし、パソコンが行き渡っていない世界でUSBメモリでやりとりはできないしねぇ……」

「パソコンの数は少なくても、デジカメで撮ってプリントアウトならできるし、その方が話が早いんじゃ?」

 悠の質問に、今度は瑠奈が答えた。

「コスト、それから電源含むインフラの問題でしょ」


 瑠奈の言葉に対して悠が怪訝そうな表情を浮かべたのに対し、彼女は補足の説明を続けた。

「ダーカスの電力事情を考えると、まだ交流主体の送電網が完成しているとは考えにくい。まだダムというほどのインフラはないみたいだし、水車程度の発電量じゃ多寡が知れてる。それに、魔素のエネルギー・ネットワークは作られていると聞いたけど、同時進行で送電線まで引くってのは無理がある。通信ネットワークだってね。

 で、魔法があるから、必ずしもそういうの切実に必要じゃないだろうし」

 悠は瑠奈の言うこと自体は理解できていても、その話がどこへ進んでいくかがわからなかった。


続きは、「魔法とは……7」でしょうねぇ……w

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