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大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第四章 星波、日本にて

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第38話 魔法とは……2


「すまない。謝る。

 とりあえず、その2種類について教えてくれ」

 ヨシフミが素直に頭を下げて、星波に説明を求めた。


「私もよくわかっていないですし、発見した父も本郷さんもわかっていません。なので、現象だけお話します。

 2種類とは、地下水に触れると消えてしまう魔素と、消えない魔素です。

 父は、これを『電気に似た魔素』と『電気とは明らかに違う魔素』と分けていました。電気に似ているものなら、地下水に触れたらアースされてなくなってしまうはずだ、と。で、実際には、消えない魔素もあったんです。極めて微弱で、優秀な魔術師じゃないと感知できないんですけどね。

 だけど、これが本当に微弱なのか、私たちが感知できないだけなのかは確認のしようもありません」

「……なるほどね。これは当たり前になって、認識できなくなりそうだわ。水に含まれているって、絶対気が付かないね」

 瑠奈が相槌を打つ。


「私たちの世界は、みんな長寿です。それに、こちらから連れてきた家畜はみんな体格が大きくなります。これは、水に含まれる、消えない魔素のためなんです。こちらの世界と比べることで初めて認識されたんですが、ダーカスではあまりに当たり前過ぎて、父が再発見するまで誰も認識していませんでした。

 で、魔法に使っているのは、こちらの方ではない『電気に似た魔素』なんです。こちらはすぐに消えてしまうものなので、コンデンサに貯めるとか、保存の工夫をしているのです」

 全員の視線が星波に向けられている。

 その圧に負けないよう、星波は声を張って続けた。


「私たちの世界には、円形施設(キクラ)というものがあります。そこでは、星からの魔素を集め、コンデンサに貯めています。余剰分は、天にはね返したりもします。さらに円形施設(キクラ)の中心には、地中深くの水源まで魔素を通すものが埋め込まれていて、地下水に魔素を与えているんです。

 最初は父も魔素に種類があるなんて気がついていなかったんですが、王宮深くに『回復の泉』と呼ばれる治癒効果のあると言われている水が涌く泉があって、そこは水に含まれている魔素が少し多くて、それでこんな仮説を立てたんです」

「……なるほどだわ。でも、『治癒効果のあると言われている水』という言い方がすべてを物語っているわね。そのご利益、きっと薄いんでしょうねぇ。だから、当たり前になるべくして当たり前になってしまった」

 再び瑠奈がそう口にし、ヨシフミがうなずいた。


「ま、『奇跡の泉』と言われるレベルでどんどん病気が治ったりしたら、ダーカスでもすぐにでも謎の解明に取り掛かったでしょうからね。そこまでは言われてないんですから、いくらか治る程度なんでしょうね」

「それ以上は悪くならない、そのくらいの効き目だそうです」

 ヨシフミの確認に、星波は答える。

「……微妙」

 思わず悠がそう呟くと笑い声が起きて、いくらか場の雰囲気が和んだ。


「で、父はいつも『測定器みたいので測れれば問題は簡単なのに……』ってボヤいてました。父はこちらの世界の人で魔素を感じませんから、測定器とかもどう作っていいかわからないみたいです。

 『電気に似た魔素』の方はいくらか電圧と連動はしているので、テスターで確認できるみたいなんですけど、『電気とは明らかに違う魔素』の方はぜんぜんわからない、と」

第39話 魔法とは……3

に続きます。

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