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大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第四章 星波、日本にて

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第24話 検討再開



「ごちそうさま」

 星波の言葉に、周囲の視線が集まる。

「お父上から教わりましたか?」

 ヨシフミの問いに、星波はうなずく。


「あまりに自然だったので、逆に驚いちゃいました。失礼しました」

 ヨシフミの言葉に、星波はそわそわと落ち着かない様子を見せた。自分にとっては当たり前のことを驚かれたので、どうしていいかわからなかったのだ。


「お皿、洗ってきます。悠、手伝って」

「これからここにお邪魔するので、私もお手伝いします」

 美岬の言葉に星波がそう返したのは、この場からちょっと離れたかったからだ。

 父が食事の際に、「いただきます」と「ごちそうさま」は必ず言っていた。なので、星波も自然に言うようになったのだ。だが、それを驚かれると、それはそれでどうしていいかわからない。

 もちろん、傷ついたとか、嫌になったとかではない。ちょっとだけ、心を立て直したかっただけなのだ。それに、今までの話もあまりに濃密で、心のなかに落とし込む時間が欲しかったというのもある。


「じゃ、星波さん、お願いします」

 そう返してくれた美岬の目が、またもや一瞬青く光ったが、星波は気が付かなかった。

「じゃあ、悠、お茶淹れて。コーヒーでもいい。私たちが瑠奈さんとヨシフミさんの体力についていくためには、カフェインが必須よ」

「わかった」

 そう言って、3人で立ち上がる。


「あ、瑠奈さん、アルコールのほうが良ければ、ワインもありますけど……」

「お茶をいただきます。

 私にとってワインは、楽しむものではなくてビジネスの対象なんですよ」

「完全に了解」

 美岬はそう返して、空いた皿を積んだワゴンを転がして、部屋から出て行った。


 瑠奈とヨシフミが、長く待つ必要はなかった。

 10分の後には、3人とも戻ってきたからだ。業務用食洗機がいい仕事をするので、後片付けには時間はかからないのだ。

 お茶とコーヒーが行き渡ったところで、ヨシフミが口火を切った。


「食事の間に思ったんですが、私たちの常識の溝は果てしなく深いです。誤解を避けるために、お互いに言葉足らずは避けるようにしましょう。くどいと思っても、その指摘は禁止でどうでしょうか。でないと、そう言われるのが怖くて言葉を省略してしまいそうです。

 また、どれほどくどい説明であったとしても、それでも聞いて理解できるとは限りません。わからなかったらその場で確認すること。この2つをルールにしましょう」

 おそらくヨシフミはヨシフミで、星波を傷つけてしまったかもと気を回したのだろう。だが、そうは言ってもこの提案は必要なものだった。


「異議なし」

 悠の短い同意で、再び場は緊張を取り戻した。

「まずは、蒼貂熊(アオクズリ)生気(プネウマ)を溜め込める身体を持っていながら、魔法が使えないこと。

 これは人造生命であることの補強証拠となると思うのですが……」

 食事で中断される前に話したことを、まずは悠が話し出した。


「その前に1つ、確定させておきたいことがあります。でないと、話が最後までまとまりません」

 星波の言葉に、瑠奈がうなずいた。

「そうよね。生気(プネウマ)と魔素、この2つが同一のものであるという前提を組み立てられないとしたら、全部の議論が生気(プネウマ)と魔素、それぞれについての二重の検討が必要になる。この問題を先ず、片付けておかないと」

 この言葉に、全員がうなずいていた。

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