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大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第三章 電気工事士、がんばるぞ

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第21話 俺はどうする?


 俺、思わず立ち上がっていた。

「俺も行く」

「ダメです。ナルタキ殿にはこの世界にいてもらわないと」

 ルーの返事はにべもない。

 会議の席だからって、旦那である俺を「ナルタキ殿」呼ばわりするけど、それが切ないぞ。


「なんでだ?」

「本郷殿は死者扱いでも、ナルタキ殿まだ日本国籍持っているでしょ。ダーカスに人質を残しておくのが目的で、必要なことです」

「俺が人質? どういうこと?」

「そうです。ナルタキ殿は人質です。

 外交の初期のときに、人質を交換するのは絶対必要なことです。私たちは娘もいる夫婦ではないですか。人質として等価交換ができるんですよ」

 ……ルーってば、実は王様を超えて一番辛口に物事を見ていたのかもしれない。だけど、そう説明されて「はいっ!」とか、良い子のお返事ができるはずがないだろっ!

 それに、そもそも一代貴族とはいえ、そのお嬢様のルーと単なる電気工事士の俺、等価交換できるはずないしっ!


「だからって、なんで俺たちが……」

「では、ナルタキ殿、私じゃなかったら、他の誰を行かせたら良いと思いますか?」

「……えっ?」

「誰を行かせたら良いと思いますか?」

「……」

 2度、聞くなよ。

 そりゃあさ、俺だって頭をフル回転させて考えたよ。

 だけど、代わりに誰をって考えたら、誰もいないんだよ。


 ダーカスの政治体制を理解して、魔法も理解していて、こっちの世界全体の利益を代弁できる人ってなったら……。エモーリさんやスィナンさんたち技術者さんたちはちょっと違うだろ。ギルドのハヤットさんも違う感じだし、商会関係も違う。かといって、魔術師さんたちは重要すぎて、数日間ならともかく他の世界に派遣なんかできない。

 強いて言えば王様だけど、王様を差し出すわけには行かないだろ。


 王様が苦悩の表情で言った。

「余の息子であれば……」

「格としては十分以上ですが、実務としては?」

 ルー、ばっさりと切って落としたな。聞こえていたら、あとから王子に睨まれるぞ。


 ……でも、そうなんだよな。

 王子は優秀だし、人柄もいい。本当にいい子なんだよ。

 だけど、いきなり外交の世界に差し出すのはちょっと違うんじゃないかな。なんせまだ高校生ぐらいだし。外交の世界で騙し合いをさせるより、今はまず勉強してもらわないと。

 それに、王様の気持ちを考えたら、それはツラいだろ。


「そうです。王子にはまだ勉強していただかないとです。そうなると、心臓に毛が生えているルーぐらいがちょうどいいですからっ」

「……ナールーターキーどーのー?

 今、なんと?」

「……いや、俺、なんも言ってないぞ」

 あは、あはははは、ルー、目が怖いぞ。

 適任、やっぱ、ルーしかいないな。でも、星波(せな)はどうなる?

 人んちの子も大切だけど、うちの子も大切だぞ。


「……あのさ、星波(せな)はまだ、15歳にもなっていないんだぞ」

「ダーカスでなら、母がいなくてもあの子は育ちます。あの子はもう大丈夫」

「そうかなぁ?

 まだまだ子どもだぞ?」

 しっかりしている子ではあると思うよ。でも、父娘2人きりでいて、洗濯物はまぁ屋敷の使用人さんたちがやってくれるからいいけど、それ以外でみんなツンケンされたら泣いちゃうよ、俺。


「大抵のことにいい加減なのに、娘については慎重になるんですね?」

「一言多いぞ。それに、俺だって父親だし」

「なんだ、自覚があったんですね」

「あ、あるよ、それくらいっ!」

「くらい?」

「上げ足取るなよっ!」

「控えよ、御前であるぞっ!」

 うるせーよ、大臣。

 ひとんちの夫婦喧嘩に口を出すな。

第22話 ……しかたない

に続きますが、ネタバレ的題ですねw

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