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大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第三章 電気工事士、がんばるぞ

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第11話 王命果たすべし


「なら話は早い」

 そう言って、王様は立ち上がった。

「大臣、先方に対し、すぐに『魔術師の服』の布地の可及的速やかな複製の依頼も併せて行うのだ。王名による公文書として、正式にだ」

「御意」

 大臣が答えた。


「筆頭魔術師殿。ルイーザの先ほどの案を受け、リゴスの魔法学院に対し、2つ頼みがある。『魔術師の服』の複製が本物と同じ効果を発するかどうかの検討が可能か、が1つ目。

 2つ目が、『魔術師の服』を素材として扱う技について検討をお願いしたい。『始元の大魔導師』殿が、円形施設(キクラ)内部の法具に使われていた痕跡があると申していたではないか。今の円形施設(キクラ)にはなんの足しにもならぬやもしれぬが、それでもいにしえの技を突き止めておくは必要なこと。そこからさらになにか新たな技が生まれるやもしれぬ」

「御意、申し伝えます」

 ヴューユさんの返事に、王様はため息をついた。

 これ、こっちの世界で、あまりに影響が大きいことに今さらながらに気がついたんだな。


 それでも王様は続けた。

「まだまだ魔素についても、考えるべき余地があったと思う。魔法学院のラーゼスであれば、今の話から『魔術師の服』の布地の活用について、我らの想像のさらに先のことを考えつくやもしれぬ

 また、このことにつき、リゴスの王にも話を通せ。彼の御仁にないがしろにされたと思わせてはならぬ。当然、他の王にも配慮し、事の次第を伝えよ。貿易品目についても検討いただきたい、とな」

「御意」

 ヴューユさんが答え、大臣も答えた。各国の王様に公文書を出す分の仕事は、大臣の管轄だしな。


「ナルタキ殿。ナルタキ殿の世界につき、改めて話を聞かせていただきたい。先方の双海殿と菊池殿についても聞かせてもらいたいのだ。

 おそらくは、ルイーザの意見、ナルタキ殿の世界を見てきたからゆえに生まれたものであろう。そちらの複製及び大量生産について、聞かせてもらいたい。余もおおよそは理解しているつもりだったが、改めて聞く必要がありそうだ」

「わかりました。ですが、それにあたり、一度召喚をお願いしたいのです。私の向こうの世界の部屋にある卒業アルバムを。これを見れば、双海と菊池について、もっと思い出せると思うのです」

「ルイーザ、ナルタキ殿のこの頼みについて対処を」

「御意」

 ルーが答え、俺も合わせて答えた。


「そうだな、あとできることは……。

 エモーリとスィナンも、魔素の扱いはわかっているはず。エモーリは魔術を記録する機械を作っているし、スィナンは円形施設(キクラ)の修理に携わっていたからな。こういうことは、早めに広く投げておかないとどうにもならぬ。

 ギルドのハヤットにも声を掛けておけ。魔術師の仕事の配分、今はハヤットの管轄ゆえにな」

「わかりました。必要そうなところには、すべからく伝えておきます。エモーリとスィナンであれば、ナルタキ殿の世界へのダーカスからの輸出品目、さらに考えてくれるでしょう」

 ルーが答えて、王様は満足そうに頷いた。


「それでは先方からの回答が来次第、次の会議を招集する。念のために言うが、内政と異なり外交は失敗できぬ。それを胸に、次の会議まで各々、励め。

 王命果たすべし」

 俺たち、揃って右手を胸に当てた。


第12話 思い出話

に続きます。

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