表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大食の侵襲 -異世界からの肉食獣-  作者: 林海
第三章 電気工事士、がんばるぞ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

198/278

第10話 魔素を落とす素材


「『始元の大魔導師』さまがこちらに来て間もない頃の話でございます」

 ルーはそう説明を始めた。

 あ、なんの話するかわかったけど、この話、王様たちは知っていたのかな?

 ギルドのダーカス支部のハヤットさん、冒険者が恥をさらしかねないことには口が固いもんな。


「当時のケナンは、シルバークラスの冒険者でした。ダーカスに来て、『始元の大魔導師』さまのお力に疑いを抱き、戦いを挑まれたのです」

 うん、そのケナンさんも今やエフスの街の町長……、ってより知事になっているからね。街の規模が桁違いに大きくなったから、敬語も使われているよ。

 でもって、当時の冒険者の最高レベルはシルバークラスだった。だってこの世界、(きん)は無価値だったから、最高のものをゴールドでは絶対に例えなかったんだ。


「話は聞いている。

 ケナンの妻のセリンが、『始元の大魔導師』によって昏倒されられたのだったな」

 お、やっぱり王様知っているよね。当時、セリンさんはパーティーの魔法使いだったんだ。

 って、これ、ルーが話したんじゃない?

 あの頃のルーは、王様直属の「聞き耳頭巾」役もやっていたからね。

 ただ、ここで話すのには、こう切り出した方がこの話を知らなかった人も理解しやすいよね。これでいて、王様もルーもけっこうな気遣いの人なんだ。


「はい。セリンは、『始元の大魔導師』さまをカエルに変えようと、変化の魔法の呪文を唱えたのです。最後に『始元の大魔導師』さまの名、『ナルタキ』で呪文の術式を終える瞬間に、体内で励起した魔素をショートさせられて、体内の魔素のすべてを失って倒れました」

 うんうん、あったねぇ、そんなこと。


「異世界への通路も、魔素によって形作られるものだとしたら、同じ手段で消滅させられるはずです。あくまで対処法にとどまるので、すぐに次の通路を作られるでしょうが……」

 なるほど。

 あ、それで『魔術師の服』か。


「『魔術師の服』の繊維で網を作り、上から被せればどんな魔法でも魔素がショートして効力を失うはず。魔法学院でも、『魔術師の服』の複製はできませんでした。ですが、『始元の大魔導師』さまの世界の技を前提とするならば……」

 ルーの具体的な補足で、みんなすぐに理解したみたいだ。


『魔術師の服』は、アースを取るのと同じ原理で魔素を地面に落として無効化してしまう。この世界で最大の魔素の流れである、この惑星の2つの月、セフィロト(大の月)スノート(小の月)に掛かる魔素の架け橋によってすら、『魔術師の服』を着ていれば焼かれることはないんだ。

 それで俺の世界の通路も……、いや、でもすぐにまたその隣に作られるかもしれないんだよな。これじゃ、いたちごっこじゃないか。

 よほど使いどころを考えないと、まったく意味がないよ。でも、やられっぱなしからのいたちごっこは、事態の好転と言える……、のか?


「よし。

 本郷殿の奥方は、もう先方に『魔術師の服』について話しておろうな?

 本郷殿と歳の差が開かぬよう、こちらの魔素を含みし回復の泉の水を送っているし、その際にも『魔術師の服』は使っている」

「それ、もう知っていると思った方がいいです。そういうのに、俺の世界は絶対抜け目がありませんし、双海と菊池はきっと人から話を聞き出すプロになっています。本郷の奥さんが、隠そうとしたことほど聞き出されているでしょう」

 もうね、今までの話だけでも、双海と菊池が間抜けってことだけは絶対ないって気がしたんだ。

第11話 王命果たすべし

に続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ