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048 かっこいいでしょ!

 ギルドの扉を開けると、中にはすでに多くの人が集まっていた。

 一人のギルド職員が駆け寄ってくる。


「おはようございます、皆さん。調査があるので、今日はなるべくギルドの中に居てもらえると助かります」

「調査?」

「調査だよリメア。忘れたの? ダンジョンのやつが建国以来の出来事だからって、国から派遣された……」


 目の下にクマを作ったリメアが


「あ、そうだった」


 と手を打った。


「おいリメア、お前本当に大丈夫かよ」

「寝不足だって言ったでしょ? カゲトはぐっすり寝てたからピンピンしてるでしょうけどー」


 再びイライラし出すリメアに、カゲトは呆れていた。


「ギルドから出れないとなると、どうするか」


 ツユが唸る。

 ギルドの中でできること、か……。


「武器屋と防具屋はギルドの中だったよね」


 いつぞやにツユが『お主は杖の方が良い』って言ってたし、武器は新調したいよな。

 今装備してるこれ、スケルトンの中古品だから刃こぼれしまくってるし。


「そういえばミツル、ずっと学ラン羽織ってたね」


 そういえば。


「確かに。そろそろファンタジーっぽい格好したいなぁ」

「では防具屋から行くか」


 そんなわけで、俺達は防具屋へ向かった。



 ***



「どうだぁ! かっこいいでしょ!」


 俺は防具屋から出ると、羽織ったマントを翻す。


「なかなか様になってるじゃない! かっこいいよミツル!」

「そのひらひらチョーカッケーな!」

「だろだろ?」


 俺は紺色のマントを購入した。

 なんでも、これを肩に掛けていると魔力が上昇するらしい。

 つまり、ちょっとだけ魔法の威力が上がるのだ!

 なんと素晴らしい! 俺だけ火力不足で困っていたのだ!


「ツユのはどうなんだ?」


 カゲトがツユに聞く。

 ツユも、俺と同じタイミングで今までと同じ服を新調していた。


「魔法防御のコーティングが弱まっていたのでな。新品は着心地も良い」


 ツユも満足そうだ。


「リメアは買わなくて良かったの?」

「私? 私のは天界特注の服だよ? そりゃあもうとんでもない防御力なんだから!」


 クマの凄い顔でドヤ顔を決めるリメア。


「ほう。それは興味深いな。今度私の魔法を受けてみるか」

「や、やめて! 怖いよツユちゃん!」


 いちゃつくツユとリメアを眺めながら。


「じゃ、次は武器屋に行くぜぇ!」


 カゲトの背中を追って、武器屋に向かった。



 ***



 武器屋、初めて入ったな。

 前はカゲトとツユ、二人で入ってたし。

 冒険者を始めて約一ヶ月。

 武器屋初来店とはこれいかに。

 武器、と言っても色々あるなぁ。

 種類に始まり、素材、デザイン、大きさ……。


「いらっしゃい!」


 中から、いかにもなムキムキおじさんが現れた。


「今度は何をお探しでぇ?」

「此奴らの武器をな」


 おじさんが、俺とリメアをまじまじと見る。


「そこの兄ちゃんはナイトだったよな。お前の職業は?」

「バッファーです」

「ガッハッハッハ! そりゃあ今すぐ新しい武器が必要だな! 腰に下げてんの、杖じゃねぇし! おまけに刃がガタガタときた!」


 めっちゃ笑うやんこのおっちゃん。

 でもバカにした笑い……では無さそう。


「そっちの姉ちゃんは?」

「クレリックです」

「ガッハッハッハッハッハ!」


 再び大笑いするおっちゃん。


「回復役で双剣か! またワイルドだなぁ!」

「むぅ。私、これでも結構戦えてるんですよ! 隣のミツルと違って!」

「ちょっ! なんで俺を引き合いに出すんだよ!」


 俺とリメアは睨み合う。


「ガッハッハッハッハッ!」


 今度は大笑いしたおっちゃんを二人で睨んだ。


「そんな目ぇすんな! 兄ちゃんは杖で、姉ちゃんは双剣だな。予算は?」

「二つで50000ルン出す」


 ツユが答えた。


「おし! ちょうど良い値段のがある」


 おっちゃんが壁に掛かった杖を一本、下ろして渡してきた。

 それを受け取る。


「お、軽い」


 今まで使っていた剣よりも、随分と軽い。

 仮にも武器だから、剣ほどではないにしてもそれなりの重さのものを想像していたから、拍子抜けだ。


「だろ?兄ちゃんは見た感じ、力が無さそうだからな!ウチで一番軽いが、魔力の通りも良い」


 俺今、力が無さそうって言われたな。

 まぁ事実なんだけど。

 腹筋割れた事ないし。

 隣でリメアがクスクス笑いながら


「力無さそうだって」


 と、肘で俺を突いてくるが無視する。


「試しにそれ使って魔法放ってみろ」


 言われた通りに、杖を通してカゲトに腕力増強の支援魔法を掛ける。


「おお!? この間の時より力が湧いてくるぞ!」


 カゲトが、嬉々として腕を振り回す。

 でも確かに、自分から魔力が放たれる感覚、というか何というか。

 とにかくめちゃめちゃ魔力の通りが良くなっているのを感じた。


「凄いですね、これ!」


 俺の言葉を聞き、満足そうに頷くおっちゃん。


「だろ? 魔力伝導抜群! 自慢の逸品だ!」


 これなら手から魔力を放っていた時よりも、強い魔法が撃てるぞ。


「次は姉ちゃんだ」


 そう言うと、今度は奥へと入っていった。

 少しすると、一対の双剣を持って戻って来る。


「こいつぁ珍しいぞ?」


 おじさんが柄頭を指差す。

 そこには、魔鉱石が施されていた。


「双剣ってのは本来、盗賊とか忍者とか、斥候職が好んで使う武器だ。だから魔法を重要視する奴がいねぇ」


 そう言うと、双剣を持って眺めるおっちゃん。

 刃先が、きらりと光を反射した。


「かなり上質な魔石が付いてるんだが、いかんせん所有者が現れなくってな。持て余してた所だ」


 おっちゃんはリメアに武器を渡すと、ニヤリと笑う。


「良い買い物ってやつだ」



 ***



 防具もよし、武器もよし、ギルドでやる事はもうないな。

 武器屋を出ると、ギルマスから声が掛けられた。


「あ、ミツルさん御一行! 次、お願いします」


 そう言ってギルドの職員室に案内される。

 中には、調査団長と、瓶底メガネのグラスさん。他にも三人程の団員が座っていた。


「君がミツル君だね?」

「はい」

「そしてリメア君、ツユ君に、カゲト君」


 それぞれが返事をする。


「よし、ではそこに座ってくれ、これから調査を始める」

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