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021 これからよろしくな!

 次の日の朝。

 俺達はカゲトを引き取って、昨日もらい損ねた報酬を受け取りに行った。


「こちら報酬、四人で40000ルンです」


 た、大金だぁ……。

 いや、日雇い10000と考えるとそうでも無いんだろうが、薬草採集と比べると大金に思えてくる。

 でも命かけて一人10000ルンは少ないのか……? いや、どちらにせよ、今の俺にとって大金な事に変わりは無い。


「それから、あなた方四人からは召喚獣の魔力を検知しました。ダンジョン化の原因となった魔物の討伐。よって臨時報酬が出ます。ありがとうございました」


 そう言って男は、追加で40000ルンを持ってくる。


「えっ、ウソ! こんなに!?」


 俺は感嘆の声を上げる。


「当然だよ。私達、すっごい活躍したもん」


 リメアがドヤ顔で宣言する。


「危なかったけどね」


 俺はリメアを睨んでやるが、リメアは気づいていないようだ。


「そのままステータスカードを作ってもらえ」


 ツユがカゲトにそう告げる。


「おう、分かった。じゃあこれ、頼んます」


 カゲトは男に1000ルンを渡す。


「では、このカードに手を触れてください」


 カゲトがカードに手を触れると、数字が刻まれた。


「カゲトさんのステータスは……」


 この男のステータスを声に出して読む癖、俺が指摘した方がいいのかな……。

 でもなんか、クレーマーって思われたくは無いしなぁ。


「筋力、体力が高いですね。しかし魔法系統のステータスが壊滅的で……」


 凄いなカゲト。

 この世界基準でも筋力、体力が平均以上だなんて。

 てか、魔法系統は壊滅的って言ったな。

 もうちょいマシな言い方は無かったのだろうか。


「それって魔法、使えなかったりするのか?」


 カゲトは不安げに尋ねた。


「いや、使えないってことはないと思いますよ」

「そうなんだ……」


 カゲトは少し複雑そうな表情だ。


「まぁ良かったじゃんカゲト。使えないわけじゃないんだし」


 俺はすかさずフォローをする。


「そうだよ、地球出身の人は魔法、使えない人だっているんだから」


 リメアもそう言ってフォローした。

 地球出身の人は魔法使えない人もいるって話、初めて聞いた。

 俺って結構、恵まれてる方なのかもな。


「こちらがあなたが就ける職業の一覧です」


 そう言って見せてきた男の一覧を俺達四人は覗き込む。

 そこには


 忍者:得意 潜伏系スキル


 ナイト:得意 防衛スキル


 盗賊:得意 奪取スキル


 と書いてあった。


「オススメはナイトですかね。忍者や盗賊は俊敏性も適正判断の材料になるのですが、カゲトさんの俊敏性は合格値スレスレなのであまりオススメはしません」

「ねぇツユ、魔法剣士の防衛魔法とナイトの防衛スキルって何が違うの?」


 俺はツユに問う。


「魔法と表記されているのは魔力を放出するもので、スキルと表記されているのは魔力を体内で循環させて繰り出す物理攻撃のことだ」


 なるほど。


「俺はどの職に就けば良いんだ?」


 カゲトが頭を抱えて嘆く。


「オススメされたナイトで良いんじゃ無い?」

「神様もそう思う?」

「ちょっとカゲト、その呼び方やめなさい。よそよそしくて嫌だわ」

「カゲトよ。こやつが本当に神様に見えているのか?」

「ちょっとツユちゃん!」


 ツユがリメアをからかい始めた。


「よし! じゃあナイトで!」


 カゲトの宣言を聞いた受付の男は頷き、カゲトのステータスカードにナイトと記入。

 するとステータスカードとカゲトの体が光った。

 職業が反映された証拠だ。


「ナイト、良いではないか」

「ありがとう」


 ツユの言葉に、意気込むカゲト。


「これからよろしくな! ナイトとして、パーティーを支えられるよう頑張るぜ!」


 こうして


 バッファー ミツル


 クレリック リメア


 探検家 ツユ


 ナイト カゲト


 のパーティーは結成された。

 俺たちはとりあえずギルドの椅子に腰掛ける。

 するとリメアが


「みんな、ちょっと待っててくれない?」


 と言い出した。


「どうした? 何処か行くの?」

「ミツル、私がここにいる本来の目的、覚えてるでしょ? その経過報告だよ」


 あぁ、なんで地球に魔力が流れたのかの原因調査と、俺の経過観察だったっけか。


「なるほど、了解」

「「なんの話だ?」」


 そっか、この二人は知らないもんね。


「ツユちゃん、これ持ってて」


 リメアは双剣を渡すと。


「私は神だからね。下界に降りたのには訳があるってことよ……」


 リメアが不敵に笑う。

 いやいや、そんな大層なもんじゃ無いだろ。


「ではまた後で……神聖術階位二・オールテレポート」


 リメアは謎のポーズを決めて、テレポートで天界に戻って行った。

 普通のテレポートだと天界を捉えるのに二十秒くらいはかかるのに、一瞬で消えたな。

 神聖術、恐るべし。

 でも『神聖術階位二・オールテレポート』なんてわざわざ唱えなくても、テレポートできるはずだよな? まぁ正直、ちょっとかっこよかったけども。


「で、だ、ミツル。リメアは何処へ向かうのだ」

「ん? 天界だけど」

「…………そういうのはいい。何処へ向かうのだ」

「いやマジで天界だって」

「…………カゲト、お主もなにか言ってくれ」

「いや、異世界に居る今、俺はなんでも信じられる気がする」

「…………」


 ツユは呆れたように額に手を当てている。

 こりゃツユ、未だにリメアが神だってこと信じて無いな。

 まぁリメアだし、しょうがないよね。

 リメアだし。

 そんな会話をしていると、ルクスさん達のパーティがギルドに入ってきた。

 俺は四人に挨拶をする。


「おはようございます!」


 ルクスさん達はこちらに気付き、近づいて来た。


「お前ら! 元気そうで良かったぜ」

「皆さん、昨日はヒスイが上手くやってくれたみたいで」


 ミルドさんに言われ、ヒスイさんが軽く手をあげて


「よっ」


 と、挨拶をする。


「カゲトよ。奴がお主を昨日ここまでおぶってきたのだぞ」


 ツユがカゲトにそう告げる。


「そうだったのか! えっと……昨日はありがとうございました」

「おぉ、元気になったか。良かった良かった」


 ヒスイさんはカゲトの元気な声を聞き、安心したように腕を組んで頷いた。


「ところで昨日一緒にいたあの女の子は今日はいないのか?」


 ルクスさんが問うてくる。

 昨日一緒にいた女の子? リメアのことか。


「あぁ、リメアなら今さっきテレポートしていきましたよ」

「何処へ?」

「天か……」


 ……待てよ?

 安易に"天界に行った"などと言っても良いのだろうか。

 "お前頭おかしくなったんじゃない?"とか思われそうで怖いな。

 うん、別に伝える必要もないし、誤魔化しとくか。


「親に仕送りに」


 仕送りなら、納得してくれるだろう。


「そうか! 良い娘だなぁ」


 ルクスさんがうんうんと頷く。

 てか、なんか隣に座ってるツユも頷いてるんだが。


「ミツルよ、ようやく本当の事を言ってくれたようだな」


 肩に手を当ててそんな事を言ってくる。

 いやいや、本当に天界に行ったんだって。

 パーティーメンバーであるツユには知っといてもらわないと、それはそれで面倒な事になりそうなんだが。


「それじゃあ、同業者諸君! 俺達は新たなクエストに出向くからな! ハッハッハ」

「お互い頑張りましょう」

「では……また……」

「またな」


 そう言ってルクスさん一行はギルドの掲示板へ向かった。


「あ、そういえばツユ、昨日腕力増強の支援魔法を教えてくれるって言ってたよね? リメアが帰ってくるまで暇だし、教えてくれない?」

「おお、良いだろう。ついでに剣の稽古もつけてやろう。カゲトもついてこい」

「剣術!? 良いなぁ! かっこ良いなそれ!」


 そんなわけで、俺達はリメアを待つ間、ツユに腕力増強の支援魔法と剣術を教えてもらうことにした。

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