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121 ご飯ができましたよー

 時刻は正午。

 俺達と探偵二人は、出発の準備を始めた。

 アイラさんが探偵社の扉に掛けられたプレートを裏返す。


「それでは……」


 オーヴィムさんが、執り仕切る。


「作戦会議を始めます」


 ──グゥゥゥー……。


「……す、すまん、私だ」


 アイラさんが顔を赤らめながら、手を挙げた。

 オーヴィムさんは眉を八の字に笑顔を見せると。


「まずは、ご飯に致しましょうか。皆さんも、ご一緒にいかがです?」


 どうやら俺達にもお昼を提供してくれるらしい。


「お! マジか! 助かりますっす!」

「実は私もお腹ぺこぺこだったんです!」


 カゲトもリメアも、食い気味だなぁ。

 いつのまにか、そんな二人の背後に移動したツユは。


「イテェッ!」

「アイタァ!」


 カゲトとリメアの頭を引っ叩いた。


「お主ら、まずは感謝だろう」


 あ、あはは……。まぁ、そうだよね。


「本当に良いのか?」

「えぇ、勿論。あなた方は依頼人ではなく、パーティーメンバーですからね」


 そうか、そうなるのか。

 一時的とはいえ、めちゃめちゃ頼もしい。


「だが此奴ら、かなり食うぞ」

「ち、ちょっとツユちゃん! 私、そんなに食べないし!」


 赤面してるけど、リメアは結構食べる方だと思う。

 少なくとも、俺と同じかそれ以上は。


「問題ありません。私、料理は得意なんですよ」


 そういうと、オーヴィムさんはキッチンへと向かった。

 残された俺達とアイラさんは、作戦会議を行う。

 まずは、ディテクの街から帝都グロウディアスまでの経路。

 帝都は、グロードア帝国内の南西側に位置している。

 そして、ディテクの街を横切る川は、帝都を通って海まで通じているそうだ。


「にしても、この川の水源ってもしかして」


 リメアが呟く。


「あぁ。レイさんの池だな」

「やっぱり!」


 あそこが水源なのか。

 目の前に広げられている地図を見る限り、かなり長い川だ。

 帝国の東から南西部にかけて、大きく横切るように通っている。


「因みに、帝国の国防ではかなりの要所なんですよ。ここがせき止められたりしてしまえば、帝都の水源が無くなってしまうも同然ですから」


 アイラさんの補足が入った。

 なるほど確かに、水は大事だって聞くもんな。

 この池はベルンじゃなくて、ディテクの領土内にある。

 ディテク公国って、この街とアドゥア? って村だけの小さな国だとかラーさん言ってたけど、結構重要な国なんだろうな。

 きっと帝国にとっては。


「皆さん、ご飯ができましたよー」


 ここで、オーヴィムさんが大皿に入れられた料理を運んできた。


「うひょー! うまそー!」

「早く食べたいな!」


 カゲトとリメアがまえのめりに言う。


「どんどん食べてください。パンにします? お米にします?」

「「お米!」」

「はいはーい」


 なんだかオーヴィムさん、どこかの母ちゃんみたいだな。

 というか、アイラさんが少しムスッとしている。

 なんだろ。嫉妬だろうか。

 私にもっと構ってくれ的な? 可愛い人だ。



 ***



へ、(で、)ほほはらふへにほっへ(ここから船に乗って)へいほひふはいはふ(帝都に向かいます)

ほほふはいはは(どのくらいかか)ふはんひへふは?(る感じですか?)

ははひひへひっふう(片道で一週)はんふはいへほうは(間くらいでしょうか)

へ、へっほうははふん(げ、結構かかるん)はは(だな)


 アイラさんはパンを、リメアとカゲトはお米を口いっぱいに詰めて議論している。

 ……というか、よく通じるな。俺には何言ってんのかさっぱりわからん。


「おいお主ら、飲み込んでから話せ」


 すかさずツユのツッコミが入る。


「アイラさんもですよ」


 続けて、オーヴィムさんからも指摘が入った。

 俺はお米を頬張りながら、皆の会話を聞く。

 今回話した内容をまとめると


 ・ディテクの街から帝都グロウディアスまでは、約一週間かかる。

 ・移動は、川幅が広くなるあたりに船の乗り場があるそうで、そこから乗船、しばらくは川下り。

 ・水流の穏やかな箇所では船泊もできるので、中継地点での休憩と併せて知っておくこと。


 こんなところだろうか。

 オーヴィムさんの料理があまりにも美味しいのでところどころ聞き逃してしまったかも知れないが、まぁ平気だろう。

 リメアによれば、船というのはおそらく地球で言うヴァイキング船だろう、との事。

 ……とは言っても俺はそのヴァイキング船とやらを知らないので、正直あんまりわかっていない。

 ヴァイキング……バイキング……食べ放題なのだろうか。


「……とまあ、こんなところでしょうか」


 昼食を食べ終え、さらに一通り話し終えたアイラさんが、ふぅとため息を吐いてソファにもたれかかる。


「出発はいつにするんだ?」


 カゲトが疑問を口にする。


「私達は、明日にでも向かえますよ。なぁ、オーヴィム」

「えぇ、我々はここの戸締まりをしたら、いつでも飛び出せます」


 流石探偵、いつでも遠出できるらしい。


「俺達も問題無いよね」


 俺は皆に問う。


「おう!」

「もちろん!」

「あぁ」


 二つ返事でかえってきた。

 よし!


「では、明日にしましょうか」


 俺は探偵と助手に提案する。


「決まりですね!」


 アイラさんが元気よく返答する。

 こんな感じで、明日グロードアの帝都へと向かう事が決まった。



 ***



「では、また明日、ここに集合という事で」

「あぁ、こちらとしてもよろしく頼む」


 オーヴィムさんとツユがそう挨拶を交わす。

 そして俺達は明日に備え、ギルドへと向かったのだった。

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