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Prologue01

40超えたら送られてくる墓石のパンフ。

初投稿!発登校!明日の私は関東GO~!

ごめんなさい。すみません。見捨てないでください。

拙い文章ですが何卒最後まで読んでいただけると幸いです。(*´ω`*)ガンバッタノヨ♡

〈悪とはあくまで意見の食い違いから生まれる”食い違い”である〉

〈故に、貴様らが私を理解し寛容になる必要もない。だから、私は私を悪とは思わない〉

        

雷鳴が響き、嵐が猛り、地が悲鳴を上げた。

紫檀色紫檀色(したんいろ)の砂が渦を巻き全てを飲み込まんと太陽フレアの様に砂が渦から弾け周囲を文字通り”腐食”させている。


『はあはあはあ、うぐっ』

                                  

どこまでも広がる地平線、一人の青年が苦悶の声を上げた。青年の足は肌が爛(ただ)れ紫檀色の”砂へと変質”しその姿を崩壊させていく。

砂へと自らが変わって行く恐怖と焼き付ける様な痛みに脂汗が溢れる。息が上手く吸えずに青年の視界に不鮮明な部分ができる。

虚ろな瞳で青年は歩みを辞めず一心不乱に進み続けた。

固い地を踏み砂へと変わる足を引きずりながら。進めば進む程視界は悪く、黒に染められた。紫檀色の嵐が強風に煽られた大粒の雹の様に青年に降り付け猛威を振るった。


『このまま、終われっ…るかっ!』


歯を食いしばり青年は進み続けた。


その年の者より小さく感じられた青年の背中は嵐の中に消えていった______




『 殺 し て や る 』








****     ****    ****     









______霧が晴れるように少年の意識が覚醒しじんわりと脳内に血液の暖かさが染み渡り始める。

程よく暖かい肌当たりの良い風が少年の頬を撫で、ゆっくりと少年が瞼を開く。

息を吐けば然程の距離で結露ができる、どうやら呼吸器が取り付けられている様だった。呼吸器のチューブは少年の頭上へと伸びその先にはポットの中の空気が水を押しのけ酸素を少年に供給している。

少年は無意識の内に風が吹いてきた方へ目を向け、初めて見る空に吸い込まれるような青に喉を震わせた。


「_____っ…っ」


声が…でない。声を出そうとしても掠れて喉が震えず間の抜けた声とは言えない声しか発生できない、それに加え体の半身は見るも無残にも文字通り潰れていた。骨はグチャチャだし片目は潰れて見えない。

_____これは治らないか?いや、治せる。少し前だったら治せなかっただろう。しかし今は潰れた目ですら元通りに復元してしまえるようになった。最近、貴重な回復系の超常元ユーザが職に就いたのだ。そう言う利便の利くユーザは飯の種が多い。現代では医者では治せないレベルの負傷者がかなりの頻度で現れる。まったく、物騒な世の中だ。

基本的に超常元は全ての人が所有している。そのおかげで強力な超常元を使った犯罪が多発的に発生するようになってしまっていた、その超常犯罪対応するのが管制隊だ。管制隊は世界連合(WGL)、正式名称は世界守護機関統括連合が世界総人口の約七パーセントしか存在しない選りすぐりの部隊を構成。犯罪の取り締まりを行う。                                          

世界中でだ。管制隊は国境に捕らわれない。とどのつまり何処にいようとも管制隊の持つ権限は齟齬齟齬(そご)を起こさない。


不意に少年に低く芯のある声が掛けられた。


「お?起きたかリンデルバルド。…あれから三日か。あれだけのダメージで起きるのが早いな。相変わらずタフな奴だ。まったく誰に似たんだか…」

           

声を掛けてきたこの男は鷲田古正鷲田古正(わしだふるただ)。普段着のシャツに身を包み髪はオールバックに纏(まと)められた髪型をしている。現役の管制隊第二部隊員である超エリート。ただでさえ選別を勝ち抜き選び選ばれた人物しかなれない管制隊に若くして入隊したのだ。なんと管制隊に所属している人間は世界人口の約七パーセント程しか存在しないのだ。


(鷲田さん。お久しぶりです)

「___っ、___っ」


やはり声はまだでなかった。リンデルバルドが鷲田さんの方を一瞥すると鷲田さんはベッド脇に置いてある丸椅子に腰かけリンゴの皮を剝いていた。


「これはこれは、喉がやられていると聞いていたがここまでとは、、一周回って面白くなっているな」


そう言う鷲田さんの手にはペーパーナイフとりんごが握られ、ウサギ型にカットしている。器用なものだなそんな器用そうに見えないのに。

鷲田さんは普段【管制隊第二部隊】の指定服であるWK2の文字が刻まれたウェルド色のラインの入った濃藍色のジャケットを着ている。今はラフな格好だが、当然そんな男を見て育ったリンデルバルドは管制隊の強さと在り方に憧れている。


「お前も大変だな。あんな奴の養子になっちまって、何たって英雄の息子になっちまったんだからな」


そう言う割に鷲田さんは嬉しそうに頬を緩めている。普段の鷲田さんからは想像できない姿だ。

俺の育ての親であるハーマン・ヘル・クラウンは管制隊一番隊隊長でありながらのらりくらり仕事をサボったり常に笑っていたり捕らえ所のない人だ。鷲田さんとは真逆のタイプだがなんだかんだ鷲田さんとは仲が良い。そして俺は‘‘あのハーマンの息子”ということで多大な期待を掛けられているけど、ひそかに俺はプレッシャーを感じているのだ。

世知辛い世の中である。

とりあえず俺は声が出ないのから紙とペンを引き出しから取り出そうと手を伸ばすが体が強張り上手く行かない。


「なんだ、どうした?リンデルバルド」


鷲田さんはリンデルバルドの不可解な行動に首を傾げた。

リンデルバルドの手が伸びる先に鷲田は目線をやる。その先にある引き出しを開けると中には手帳とボールペンが一セット入っていた。


「これが欲しいのか?」


俺は無言で頷いた。手渡しされた手帳とボールペンで俺はコミュニケーションを取るために文を刻んだ。


[お久しぶりです。お元気ですか?ところでいつもと違う病室でずがここ…何処ですか?]

「おお、やけに堅苦しいな」


鷲田さんは少し驚嘆した様子を見せ上半身をのけ反らせた。俺が渡した文面を見てしばらくうなって「これ言っていいやつなのか?…まあいいか」と思考を振り切る様に顔をあげた。


「お前の質問の答えだが、ここはお前の様にスカウトもしくは孤児の将来管制隊になれる素質のある子供が使う病棟だ。お前がいつも使ってたあのおんぼろ施設はお前の親父の計らいで使わされてたやつだ」


「[あ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあ。]」


今この時鷲田とリンデルバルドには共通の人物が思い浮かばれた。ハーマン・ヘル・クラウンその人だ。

『「僕の息子なんだから大丈夫。多分。まあ僕…のせいでリンデルバルドの立場悪くなっただけやけど。まあ、僕悪くない!!HAHAHA」』

自分の仕業で息子がまともな治療を受けられないのになんとも鬼畜な男である。


「はあ」


鷲田さんも思わずため息が漏れ出ていた。あの時のことを思い出したんだろう。仕事のサボりすぎで罰が下ったが罰を受け入れずその皺寄せが俺の方に回って来た、あの時を。本当にろくでもない人である。しかしここまでの駄目人間でも世界を震撼震撼(しんかん)させた大事件。【Jジェネシス・ローシャレル皇女誘拐事件】解決の立役者あり英雄となったのだから何が真実なのか分からないものである。だけどその一件でハーマンさんも引退する事になったのだが…。


「本当に同情するよ…皺寄せをくったのがお前とは。あいつはプライドが無いのか?いや…無いから息子に責任を押し付けたのか」


心底呆れた様に鷲田さんは眉間に手を当て、俺にカットしたリンゴを皿に乗せて渡してくれた。俺は鷲田さんにカットしてもらったリンゴを頂いていると、丁度鷲田さんのスマホに連絡が入った様で部屋内に__ピロン♪、と音が響いた。


「まあ、今言った以上の事は無い。じゃあ、私は仕事が入ったからもう行くぞ。じゃあな。あ、そうだお前もう後が無いぞ」


鷲田さんは目を眇(すが)めそう言うと持ってきた荷物とゴミを回収するとそそくさと部屋を出て行ってしまった。

とうとう鷲田さんにも釘を刺されてしまった…。

これはもう本当にここでの生活も終わりかもしれないと思う。それに、ここで強気な事を一つも言えないから〈ハーマンの子供のくせに〉だとか言われるのかもしれないな。リンデルバルドは自らの頬を両手で強く叩き勝を入れ直した。




最後まで見ていただいて本当にありがとうございます。

僭越ながら次回も読んでいって欲しいです。(*'▽')

生意気にも不定期投稿ですご容赦を…

どうか、どうかこの千民の作品を楽しんでいただけたらs

一話ごとにどんどん読みやすくなるように頑張るので読み続けていただけたらなと思います。

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