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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

立花さん

作者: 星宮未羽

ふと思い立ったので書いてみました!


怖くかけてるといいなぁと思います。

 


 ここは中学校。

 2年B組に、転校生がやってきた。

 あたし的には、どうでもよかったんだけどね?

 まぁ、どんなやつかなって気になったのよ。


「立花沙織です。よろしくおねがいします!」


 平凡、普通すぎる子が来た。同性かー、くらいしか印象はなかったんだ。

「じゃあ、立花さん?あの、遠野さんの隣に座ってね」

 それなのに、先生はよりにもよってあたしの隣に転校生を座らせたんだ!

「よろしくね!遠野さん」

 微笑みを浮かべて話しかけて来た立花は、なんか少し変だったよ。


 そう思えば、あたしの予感は当たってたんだ!



 別に、特に何か大きなイベントがあるわけじゃく、毎日はすぎていったんだけど……。

 あたしは気が気じゃなかったよ。隣の立花って奴は独り言がひどいんだ。

 窓の外をぼーっと眺めてると思ったらいきなり

「えぇ!おめでとう!新しいひながかえったのね!」

 とか

「今から旅に出るの?気をつけてね!アスファルトの上はダメよ?」

 とかいってんの。

 気味悪くってさ。正直、少し避けてたかな。


 そのせいで、この後あんなことになるなんて思いもよらなかったんだよ。 そんなのが3ヶ月くらい続いたんだ。

 もちろん、立花に友達なんていなかったし、正直先生たちも遠巻きにしてた。

 でも、立花をいじめる人はいなかったよ。

 逆に怖いしね。


 でも、ある時さ、声をかけられたんだ。

「ねぇ、遠野さん」

「な、なんだよ」

「あれ、なぁに?」

 ニッコリと笑いながら訪ねてくる。

 立花が指差した先を見てみたんだ。今でも後悔してる。

 教室の天井だったんだよ。

 なのに、そこには。


 血塗れの猫が貼り付けられてたんだ。


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 びっくりした、どころの話じゃない。

「どうしたの遠野さん!」

 先生たちが駆けつけてくる。

 震える手で天井を指差すと、先生たちも息を飲んで、慌てて指示を出していた。

 気づいたあたしは、慌てて振り返る。

 その時の立花は、唇の端を引き上げてにたにたと笑ってたんだ。


「ねこさん?大丈夫、()()()()()


 立花が猫に話しかけたとたん、猫は血溜まりだけ残して消えたんだ……。

 狂ってる。こいつは、狂気だ。

 立花の悦に浸った表情がすごく怖かった……。





 それからは、あたしは立花に話しかけられても無視することにしてたんだ。

「ねぇ、遠野さん」

「……。」

 あたしにどれだけ無視されても、立花はずっとニタニタと笑っていた。

 それが余計に悍ましくて、もう顔も見れなかったんだ。

 それがいけなかったんだと思う。


 9月なのに、暑い日だった。

 猛暑日とか言うやつで、グラウンドが揺らめいて見えてたんだ。

 その日も立花は私に話しかけて来た。

「ねぇ、遠野さん」

 いつも通り、無視をして、反対側を向いたんだ。そしたら


 ガシャァァァァァン……


 突然、爆音がした。

 ギョッとして振り向くと、そこには


 ()()()()()()にしたまま窓ガラスを割ってニタニタと立っている立花がいた。


「ひぃ……っ」

 恐怖で喉が張り付く。

 立花は手に怪我なんてしていないかのような表情(かお)で近寄ってきて、

 あたしの髪を掴んで立ち上がらせた。

 そしてそのまま、窓の方へ引きずって行ったんだ。

「やだっ、たすけてっ!」

 クラスの奴らも唖然としている。いや、恐怖で動けなかったのかもしれない。

 ポタポタと手から血を流しながらも、唇の端をニッと引き上げたまま歩いていた立花が足を止めた。

 つまり、窓の側についたということだ。

 ここは四階だ。このシチュエーション的に、次にどうされるのかは予想がついたし、立花ならやってのけると思ったんだ。

 だから、

「離して!はなしなさいよっ!」

 四肢を破茶滅茶に振り回した。

 兎に角立花の手から離れることだけを考えてた。

 運が良かったのか悪かったのか。あたしの足が立花に当たった。

 ぐらりと、立花がバランスを崩す。

 そしてー

「あっーーー」

 残った窓ガラスを割り、笑みを崩さぬまま身体を宙に預けた。


 クラスの奴らも見てたんだ。

 立花が落ちたのを。


 わたしも見てたんだ。

 しっかりと両目でわたしを見つめてニタニタと笑いながら落ちる立花を。


 グチャリ。


 人の肉が潰れる音ーーーは、いつまでたってもしなかった。

 しない方がいいと頭が警告してた。だけど、のぞいてしまったんだ、窓の先の地面を。


 何も、ない

 血溜まりも、立花も。なにも、ない。

 立花はどこに行ったの!?

 クラスの奴らも窓際に寄ってきてた、その時


「ねぇ、遠野さん」


 毎日のように無視をした、あの声。

 立花のねばついた声が耳に絡まる。

 どこから?聞こえるはずはーーー

 違う、下だ。

 地面じゃない、もっと近く。

 ()()()()()

 にゅっと、血塗れの手が伸びて、

あたしの腕を掴んだ。


「ねぇ、遠野さん」



 立花の声と共に、あたしの身体は宙に舞った。


いかがでしたか?


拙い文章ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです!



感想、評価よろしくおねがいします!

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