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蒼の章3
「ここは、、、」
黒髪の彼はそう呟き顔を空へと向けている。
立ち上がり、彼の横へと向かう。
すると彼は空を見上げていた顔をこちらへと向けた。
茶色の澄んだ色の目がこちらを見ている。
彼は目線をそらそうとはしない。そして、口を開いた。
「オレ、眠ってたよな」
まるで長年の親友に確認するかのように、
その声は優しいものだった。
「うん」
首をたてに降りながら、答える。
「どれくらいの間眠ってたんだ?」
「そうだね、一時間くらいかな」
「そんなに眠ってたのか」
そう言うと彼は目線を海に戻す。
海とも空とも境目がない風景をだまって見つめる。