プロローグ
初投稿です。
量産型異世界物ですがどうか生暖かい目で見守ってください。
迫り来る二つのライトと耳障りなブレーキ音。今この瞬間俺に向かって電車が迫って来ている。俺こと大場サトルは携帯ゲーム機に集中していてホームから落下。マヌケな死に方だなぁと、こんな時に考えていた。
思えば俺の人生は平凡だった。よくある普通の家庭に一人っ子で生まれ、公立の小中学校を卒業。何か面白いことがあるかと思い都会の私立高校に入ったが、凡人で隠キャの俺には青春なんて無縁だった。
そんな俺の唯一の趣味がRPGだった。それはもう熱中していた。ホームから落ちてしまうなんていうミスを犯してしまうほどに。特に俺は所謂レベル上げが好きだった。俺を投影した主人公が強くなっていく。苦戦していた敵があっさり倒れていく。そんな快感を求めて日々ゲームをやっていたんだ。
でも今日でそんな日々は終わり。あと1秒も経たないうちに俺は轢かれてしまう。そんな瞬間でも俺は今までやっていたゲームの事を考えていた。
「このゲームのラスボス倒せなかったな…」
そう心で呟いた俺はそのまま目を閉じ、運命に身を任せた…
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あれからどれくらい経っただろうか。目を覚ますとそこは真っ白な世界。見渡す限り壁も天井もなくただ白色が続いている。俺はとっさに身体を確認したが傷もないようだ。あのまま轢かれて無傷とは考えにくい。やはり俺は死んでしまったのだろう。
「ピンポン!ピンポン!正解で〜す!」
突如頭の中に陽気な声が響き渡る。正解とは何のことだろうか?
「ご明察の通りあなたは今日の朝の登校中、携帯ゲーム機に熱中していて気付かずホームから転落。ブレーキも間に合わず即死でした」
やはり俺は死んだようだ。ではここは天国か?地獄に堕ちるほど悪さはしていないつもりなのだが。
「ここは天国でも地獄でもないですよ〜。あなた達の言葉で言うところの天界が一番近いと思います」
なるほど、天界か。で、何で俺はここにいるんだ?そしてお前は誰なんだ?
「質問が多い人ですねぇ。まあ私は神の一員とでも思ってください。時間が無いのでさっさと説明な入りますよ〜」
神様だったのか…それなら俺にわざわざ説明することって何なんだ?
「パンパカパーン!おめでとうございます!あなたは勇者適正がとても高く、異世界に転生することが決まりました!」
…は?勇者適正?異世界に転生?
「詳しくは面倒臭いので説明しませんが、簡単に言うと勇者としての素質が高いって事です。なので異世界に転生してもらい世界救っちゃってくださいね!」
いやいやいや!一番大事なところ説明してないよ!てか世界救うのにノリ軽すぎでしょ!
「残念ながら時間切れですね。それでは良い異世界ライフを!」
俺は神様にもっと質問したかったのだが急速に意識が薄れていく。こんな時普通なら動揺したりするのだろうが、俺は何か楽しいことが起こるのではないかと内心ワクワクしていた…
マザーテレサのような慈悲深く暇すぎて死にそうなそこのあなた!
感想書いてもいいんですよ!