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藍沢 千沙の場合

また、この時期が来た。

私は水泳の特待を受ける為に、中学生ながらも一年の時から寮生活をしていた。


「千沙、今年もいっぱいだね」


私にそう言ってくるのは、寮で同室の紗良。私と同じ水泳の特待生として入ってきた。最初は上手く馴染めなかったけれど、クラスでも部活でも一緒に居れば慣れるのに時間は掛からなかった。


「そう言っても手伝ってくれないくせに」


「だって、折角心を込めた物を横取りするなんて出来ないよ」


「でも、この量はちょっと……」


「確かにね……」


私達の目の前には段ボール箱に入れられたチョコレートの山が二箱……全部、私一人が貰った物だ。

初めてチョコレートを貰った一年の時は物凄く焦った、だって同性だよ!有り得ないじゃん。それに、学年一モテる男の子よりも私の方が沢山貰ってるのは可笑しい、それを同室の紗良に聞いてみたら……

千沙って、背高いしスタイルも良くて顔も綺麗じゃん、それに成績もそこそこ良くてスポーツする姿はカッコいいから、女の子にモテても普通じゃない?と言う事でした。うん、背が高いのは認める。でもカッコいいか?

それからと言うもの、クリスマスやバレンタインデーには女の子達からプレゼントをいっぱい貰う、だからお礼も大変だったり。


「それにしても、今年は凄いなー」


「もうすぐ卒業して会えなくなるからじゃない?それまでに気持ち伝えたいってのもあるだろうし、忘れないで下さいって意味も含まれているんじゃない?」


「ははははは……」


苦笑いを浮かべるしかなかった。だって私が好きなのは、お姉ちゃんだから。先日、高校受験の為に一時帰宅した時にお姉ちゃんと過ごして、やっぱり私はお姉ちゃんの事が好きだった。

でも、お姉ちゃんには既に幼馴染みの柚希さんと付き合っていた。二人の仲は一緒に居た私が一番知ってるから、正直悔しかった。私には入る隙はもう無いのかなって……

考え事をしていたら紗良に抱き締められていた。


「紗良?何してるの?」


「……私だって、千沙の事が好き」


あまりにも小さい声で言ってたので、何を言っているのか聞こえなかった。


「紗良?」


「な、何でも無いよ。はい、私からも」


寂しそうな暗い顔をしていたのに、何でも無かったかの様に笑顔を私に見せてチョコレートを渡してきた。


「有り難う、紗良から貰えるのは嬉しいよ」


何故か紗良の顔が赤くなっていた。


「も、もう、何言ってるのさ」


「照れてる?」


「照れてない!」


私達はこの後も他愛もない言い合いでじゃれ合ってた。

紗良、何時も一緒に居てくれて有り難う。でも、一人で悩まないで私に相談して、紗良の寂しそうな顔は見たくないよ。

本編に書こうか迷ったけど、寮に帰ったのならこっちに書いた方が良いのかな?って思いこちらにしました。


因みに紗良の苗字は一畑さんです。

それにしても、千沙ちゃんは中学生ながらにしてモテモテなんだね……


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