表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

AIとキャラクターを作成する

初投稿作品です。

『ソウル・ディメンション・オンラインのチュートリアルを開始します、よろしいですか?マスター』


 僕の横にいる光る玉が問いかけてくる。

 彼女はうちのホームサーバのAIでアイという。

 ソウル・ディメンション・オンラインは個人所有のAIを持ち込めるのだ。

 持ち込まなかった場合このチュートリアルはメニュー画面とにらめっこして行うことになるらしい。


「あぁ、まずはなにからしたらいい?」

『ステップ1はプレイヤーキャラクター素体の作成です。マスターの記憶よりリアルボディをコピーします...完了しました。変更可能箇所は髪型、毛の色、目の色、肌の色です。変更しますか?』


 変更可能箇所少ないな!

 VRゲームが開発された初期、VRボディとリアルボディの差が現実への悪影響を及ぼすということがあったから今時は性別変更はおろか大きな身体の変更ができなくなっているとはいえ顔の整形程度や豊胸くらい普通はできるものだけど・・・

 まあいいか。元々キャラの外見にこだわる方でもないしクセっ毛だけ変えておこう。


「じゃあ髪型をストレートに。ほかはいいや」

『了解しました。せっかくなので髪はロングに、左目を金色に。肌の色を白めに毛の色は真っ黒にしました!』

「っておい!?」

 アイってば頼んだこと以外もやりやがったよ・・・たしかに独自判断で行動するように5年もかけて育てたのは僕だけども。表情が見れたらきっとすごいドヤ顔してるんだろうな。

 なんだかものすごく中学のころの妄想を思い出す容姿になってしまった。

 確定済みのようだし、もうこれでいいか・・・



「はぁ・・・次はなんだっけ」

『次へ行く前にキャラネームの設定ですね。』


 すっかり忘れていた。まあ悩むことはないな


「いつものように アキト でいい」


 リアルネームの秋人そのままだ。秋に生まれたから秋人、親も適当なのだから僕も適当だ。


『設定完了しました。ステップ2に移ります。』



『ステップ2はステータス測定障害物走です。詳しくは手元のメニューに表示します。』


 ステータス測定障害物走とは、ソウル・ディメンション・オンライン独自のキャラメイクでデフォルトのキャラボディを動かし、プレイヤーの適正をステータス化するリアルチートのためのシステムだ。

 ほかのMMORPGでこんなことしたらゲーム開始時の差がずっと続いてしまうだろうがソウル・ディメンション・オンラインでは転生を何度も繰り返し、そのたびにステータス測定をやり直せるので問題にならずむしろゲームに慣れるほど強くなれるというのが公式の謳い文句だ。


 メニューを読む。

 網潜り、平均台渡り、重量壁上げの3つを通り、ゴールまでのタイムを計測すると書いてある。小学校の運動会か?これ。

 クリアタイムももちろんだが障害ごとの攻略方法によってもステータスが変化するそうだ。


「なあ、これどう攻略したらどんなステータスになるか書いてないんだけどどうなってるの?」

『お待ちください...マニュアル、ヘルプには存在しません。オンライン検索を実行しました。個人ブログから検証内容を取得しました。それぞれのアトラクションをクリアすると身体能力が高いキャラクターに、回避してゴールを目指すと魔法能力の高いキャラクターになる傾向があるようです。各アトラクションでの依存ステータスは不明です。』


 なるほど、戦士か魔法使いか選べってことだな。だけどいじられたこのキャラのイメージだと魔法剣士って感じだな。聞いてみよう。


「身体能力と魔法能力を両立するにはどうしたらいい?」

『...その場合は重量壁上げのみ回避してはどうでしょうか。』

「わかった、やってみるよ。」


 スタートラインに立つ。ラインを越えたらカウントスタートだ。

 

 まず網までダッシュで向かう。

 僕のVRMMO暦はこれで結構長い。リアルじゃあまり運動しないがゲームだったらステータス補正がなくてもリアルを越えた動きができる。

 網に手をかけるまでなんて一瞬だ。

 網を跳ね上げ、奥の網を認識。手を動かし、網を掴むのではなく 掴んだ という結果をイメージする。

 10メートルほどの網のトンネルを走るように通り抜ける。


 次は平均台だ。やはり一瞬で近づき飛び乗る。

 長さ20メートルほどを5歩ほどで抜ける。


 残る重量壁の横をすり抜けたらゴールを駆け抜ける。


「どうだ!?」


チロリロリンッ


 メニューウィンドウが開く、どうやらステータスのようだ。


 筋力 47 Lv1

 器用 83 Lv1

 敏捷 86 Lv1

 耐久 75 Lv1

 魔力 52 Lv1


 バランスはいい・・・のか?そもそも上限もわからないしLv1ってなんだ。


『さすがマスターですね。ちなみに検索によると最低値は10です。』

「へぇ、なら強プレイヤーになれるかな?」

『いえ、MMOですからこれからのことはわかりません。まだ手探り状態のようですし。』


 上げて落とすとはこのAI・・・仕方がないか。今日サービス開始したばかりじゃ物理優勢なのか魔法優勢なのかもわからないしな。


「ところでステータスそれぞれにレベルがあるのはなんでだ?」

『マニュアル読んでないのですか?マスター』

「アイに聞いたほうが早いし・・・」

『それもそうですね。ステータスの数値は不変ですがゲームを進めることでレベルが上がりステータスの影響が強化されるシステムです。』


 

『ステップ3に移ります。種族を選択してください。』

「えっ!?ここで種族選択なの?」


 普通キャラボディ作成時に選ぶものじゃないのかな。


『選択可能種族は3つ、ヒューマン・エルフ・ドワーフです。種族による変化はメニューを見てください。』


 疑問は無視か。どうでもいいことなんだなきっと。

 種族による変化はヒューマンだとなにもなし。エルフは敏捷魔力が上がり筋力器用耐久が下がり痩せる。ドワーフはエルフの逆で筋力器用耐久が上がり敏捷魔力が下がり太るようだ。太るといっても筋肉質になるようだが。

 う~ん、最初から知っていればそれに合わせたステータスにしていたのに・・・いやマニュアルを読まなかった僕が悪いか。


「ヒューマンのままで」

『設定しました。キャラクターメイキングは以上です。ステップ4に移行します。』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ