一文綴りの物語
童話のような物語の結末から、下らない恋人たちの日常まで、五つの話を雑多に詰め込んでいます。
句読点なし・半端な場所への空白はデフォルトです。
読みにくさが尋常では無いと思われます、申し訳ありません……。
文末の(括弧)がその物語のタイトル・お題を兼ねています。
ある平凡な家に一人の男の子が産まれました彼はお父さんお母さんおじいさんおばあさんに可愛がられて大きくなりました少年は心優しい性格でしたある日少年は怪我をした小鳥を拾いました少年は小鳥が飛べるまでよく面倒を見たのでみんなが少年を褒めましたある日少年は怪我をしたロバに出会いました少年はロバの荷を運ぶ手伝いをしたのでみんなが少年を褒めましたある日少年は怪我をした魔物を見付けました少年は魔物を逃がしてやりましたみんな少年を貶し罵り殴り蹴りついには殺してしまいました少年の死体は森に捨てられ魔物達の餌になりましたとさめでたしめでた し(そんな物語、だった)
おめでとうみなさんおめでとう本当におめでとう勇猛果敢なる勇者様のおかげで魔王は伝説の剣で斬り殺されました他の悪魔達も魔王の忠実なる竜もこれから先あなた方を苦しめることはありませんさあ今こそあなた方も武器を手にあの穢らわしく憎らしい敵共を斬って斬って斬り殺して生まれてきたことを存在していることを後悔し絶望させてやるのです奴らに生きている価値はないのだから殺し尽くしてやるのですあの血も涙もないけだものを一匹残さず殺して殺して殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ唾を撒き散らし叫び続けるあなたの手はあなたのいう悪魔の血で紅く 濡れていたのに(勇者も伝説の剣も竜も魔王も いなかったのだ、本当は ずっと)
目を覚ますと枕元で青い金魚が泣いていたどうしてどうして僕を僕を僕達を君は君は君達はどうして迷いもせず躊躇いもせず殺しては喰らって残して捨てて僕は僕達はなんのためにうまれてきたの君は君達はなんのためにどうして存在しているの泣いて泣いて泣きすぎて乾いて枯れ果てた金魚は骨も残さずに涙の痕に溶けてしまって最後に一枚の青い鱗だけが残っていたけれどそれも風に吹かれて窓の向こうに飛んでいって しまった(どうして存在するのかなんてどうして考えてしまうの だろう)
きみがいったんだよきみがいったんだおまえのせいだとぼくのせいにしてきみがないてないてなきさけんでぼくをせめつづけてぼくのせいできみのこうふくがたえてしまったとわらうこともできないとぼくがわるいのだときみがいってきみがいってきみだけがぼくをせめつづけてだからぼくはかわったんだよかわろうとどりょくしんたんだよのぞんでわるものになるのがどれだけむずかしいかなんてきみはしりもしないのだろうねだけどやっぱりぼくはきみのいうわるものできみのいうとおりのわるものでせいぎにはなれないからだから さよなら(きみのいう 「 悪 」 とは なんです か)
おはようマイハニー今日も良い天気だ空は青く太陽も輝いて小鳥たちの囀りは僕達を祝福しているようだよさあ早く目を覚ましておはようと言ってくれないかなほらごらん庭の薔薇が咲き誇っていたから君のために摘んできたんだよもちろん君の美しさには到底及ばないがさあさあ早くあれちょっと待ってなぜ拳を構えるのかなそんな顔も愛らしいけどちょっと物騒過ぎないかな気持ち悪いって面と向かって言われるとは思わなかったよ待って拳を下ろして落ち着いていやウザいってどういう意味だ俺はお前の (えーと、俺達恋人同士じゃ なかった、っけ)
閲覧有難うございました。
……自己満足で申し訳ありませんでした!!!
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