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7話

 その花はスズランのように可愛らしいく、蕾から甘い香りを漂わせ一気に開花したのです。


「やったわね。上出来よ、上手く出来て良かったわね?」


 私はとうとう成功させました。何がって魔法で、蕾を開花させることです。この花はスズランに似ていて、名前は『プティポーヌ』と言い開花すると甘い香りがする花で、お菓子の香り付けに良く使われるようです。


 「あらルティア嬉しくないの?」


 返事のない私にナタリーさんが、いぶかしく思ったのか横から顔を覗きこんできます。私はその時、開花した花を見て歓喜のあまり震えながら声を詰まらせていたのです。私は次の瞬間大声で「やったー!!成功だー!」と叫んでいました。


 叫ぶ私を見てナタリーさんは微笑ましく思っていたとは知らず私は万歳までしていたのです。「あら、よっぽど嬉しいのね」とナタリーさんが言っていたことを、私は知りませんでした。


 この成功は私の努力と練習の賜物でしょうが、忘れてはいけないのがこのバングルの存在でした。そうです、媒体の魔道具がやっと出来上がったのです。


 私の右腕には誇らしそうに、つる草の絡み合うようすや花を模様化した細工が細かく美しいデザインのバングルがおさまっています。

 

 そして、さらに嬉しいことにソフィーさんが初回友達価格と言うことで、金属をシルバー価格でプラチナに変更してくれていました。


 今日の朝届いたばかりの新品です


「細工も美しいけど、このモルアゲートの水晶も小振りだけども深い緑色でキレイよね」


私が感動も治まり右腕のバングルを見ていると、ナタリーさんが声をかけてきたので私は笑顔で「キレイですよね?私のお気に入りの相棒になりました」と言ってみたのです。「フッフッ、良かったわね」とナタリーさんが言いました。


 こつをつかんだ私はお昼近くに、植物を自在に操るまで成功させたのでした。でも、動く植物はチョット気持ち悪いと思いました……。



* **




 今日のお昼はパスタにしようと思います。私が知っている限りでは、この世界ではパンが主食ですが、私は麺類も好きなのでパスタが無性に食べたくなったからです。パスタは小麦粉・卵・塩・オリーブオイルがあれば簡単に作れます。この世界にもオリーブオイルがあったのですよ。家のキッチンで発見して小躍りしてしまいました。


 キッチンにあるものは何でも使って料理していいと言われているので、このオリーブオイルをありがたく使わせて頂くことにしたのです。


 生パスタの作り方は小麦粉・卵・塩・オリーブオイルを混ぜ合わせよくこねてから、三十分以上寝かせて棒で伸ばしてさらに伸ばして、そして生地を少し乾かしてから三つ折りにし包丁でだいたい同じ太さに切ると出来上がります。


 ソースはトマトソースを作り、茹でた生パスタの上にかけて今日のお昼御飯は出来上がりです。


「ナタリーさん、御飯できましたー」


 私はテーブルに二人分のトマトソースパスタを置きながら言いました。


 ナタリーさんは「あら、美味しそうな匂いね」と言いながらも、チョット不安そうに料理を見ています。そして、最終的には匂いに釣られパスタをおっかなびっくり口に運びました。


「美味しいわ。この長細い物のもちもちとしたのとトマトソースがあっていてと美味しいわ」


 トマトソースパスタを口にした瞬間に満面の笑みを見せたのです。


「また、作ってちょうだい」と言われたので、今度はパスタの生地に何か練り込んでみようと思います。私もパスタを久しぶりに堪能出来て幸せでした。


 本当に食べ物って人を幸せにしますよね。私が自由に種を作れるようになったら、食用系の植物の種ばかり作ってしまいそうです。


 将来的には魔法使いもいいけど、栽培師もいいかもと思っています。んー、魔法で栽培した野菜や果物売る魔法栽培師なんてどうでしょう?


 ナタリーさんに相談すると「魔法栽培師、楽しそうね。じゃあ、野菜や果物のことも勉強しないとね」と、笑顔で言われてしまった。


 そして、渡されたのが『世界の野菜・果物を食べ尽くせ!今こそ農園ライフを!!』と言う本でした。


 午後はこの本を読んで勉強することになりました。そして、この本には種や球根の挿絵もあり私がオリジナルの植物を創造出来るヒントがたくさん載っていたのです。


 私は1から自分の想像で作るのではなく、もしや知っている植物なら作れるのではと思い自分の知識を検索したところ、答えはあったのでした。


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