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18話

 モーリュ草それは黒い球根を持ち昆布に似た形の葉を持つ最高の解毒作用を持つ草のことです。どんな毒を飲もうと、このモーリュ草から出来た薬を飲めばたちまち元気になってしまうと言われます。


 『もし旅先でお金に困ったら、モーリュ草を栽培してお金に換えなさい』とは、ナタリーさんの言葉でした。通常は山の奥で取れますが、それでも滅多に取れないモーリュ草の栽培に私は成功しています。


 このモーリュ草は球根付きで売ると、一本なんと安くて500ガレットで売れるのです。私はモーリュ草を球根付きで数十本備蓄しています。なのでモーリュ草を、ギルドに換金しに行くことに決めました。


 ギルドの換金窓口に行くと、ダグさんがいて声をかけられたのです。


「嬢ちゃんも素材を換金しに来たのかい?」


「はい、でも私は薬草ですけど……」


「頑張っているみたいだな。そうだ旅団に入ってみる気はないかい」


 ダグさんの話を聞くと、ダグさんはこの王都に本部を構える『虹の森旅団』の旅団員だと言います。旅団とは同じ目的を持った仲間で集まり情報交換などや、冒険や生産の手助けを行う団体のことです。


 虹の森旅団は冒険だけではなく生産を主にやっている人も在籍している旅団で、人数は少ないが経験豊かな人から初心者までいて和気あいあいとのびのびやっている旅団だと言われました。私が考えている素振りを見せるとダグさんは一度旅団の本部に遊びにこないかと言ってくれたのです。

 

 私はモーリュ草を換金したら、虹の森旅団に行くことに決めました。


「あの、薬草を換金してからでもいいですか?」


「おう、じゃあココで待っているから換金しておいで」


 ダグさんは笑顔で言ってくれたのです。私は急いで換金窓口でモーリュ草を換金しました。




               * **




 虹の森旅団の本部は、緑の塔の中にあり8階でした。この緑の塔の5階から上はさまざま旅団の本部が置かれています。8階には魔法陣で来ました。初めての体験だったのですが、魔法陣の中央に立ちワープと言うとペンダントに登録された旅団の本部がある階に行けます。登録がない人は登録している人と一緒にいた場合のみその階へ行けるそうです。


 ダグさんに連れられて、虹の森旅団の本部の中へ入ります。


「貴方は素材の換金に何時間かかっているのですか?」


 水色の髪に青い瞳の中性的で綺麗な人が、いらただしげにダグさんに言いました。女性にしては低い声なので、この人は男性だと思います。


「ごめん、ごめん。新人を勧誘してきたから許してくれ」


 ダグさんは小さくごめんのポーズをして、水色の髪に青い瞳の人に言いました。


「では、その新人を紹介願いましょうか?」


「えーと、この嬢ちゃんはルティアちゃんって言う。あと水属性だ。以上です」


 ダグさんの後ろで隠れるようにいた私をダグさんは水色の髪と青い瞳の人に紹介したのでした。


 「私はこの虹の森副旅団長のブルーノ・マクバーニー、魔法使いで氷属性になります」


 顔が綺麗すぎて、そして青い瞳がジッと見下ろしてくるのでチョット怖い印象を受けました。


「えー、後なまだ入るって確約貰ってないから、見学だけさせてやってくれ」


 ダグさんがとてもいいずらそうに、ブルーノさんに言います。


「私としては是非、虹の森旅団へ加入して頂きたいのですが……」


「あの……、私は……水魔法はほんの少ししか使えなくて……、だから主に使っているのは……、緑属性になります」


なんとなく、いたたまれなくなった私は思わず言ってしまったのでした。


「まじか?嬢ちゃん……」


 ダグさんは目を丸くして、ブルーノさんは「それは……」と言い黙って何か考えています。


 沈黙の間が続くが、その沈黙を破ったのは一人の可愛らしい少女でした。


「キャー、すごいわ。私、緑属性の人に初めて会いました。えっと私の名前はクララ・モーランで裁縫士です。よろしくね」


 クララさんはピンク色の長いふわふわな髪と大きな二重の目の可愛らしい少女です。クララさんは「虹の森旅団はアットホームな感じで皆いい人だから是非加入して……」と私の勧誘を猛烈に開始しました。


 こんなに勧誘されれば加入してしまいます。ということで虹の森旅団に加入することにしたのです。


 「では加入登録するので登録ペンダントを貸して頂けますか?」


 ブルーノさんに言われ私は登録ペンダントを渡しました。ここでも水晶が登場します。その水晶に登録ペンダントをかざすと加入登録は完了です。


 「これでキミも虹の森旅団の旅団員になりました。ようこそ虹の森旅団へ」

 

 ブルーノさんは優しい目で微笑みながら言いました。


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