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11話

「ルティアも自分の身を守る術を、覚えた方がいいわ」


昼下がりナタリーさんの一言で、私は戦いかたを覚えることになりました。


そして今は戦い方を、考えているところです。


「ルティアじゃまだ剣は重くて振り回せないし……、やっぱり魔法かしら」


 そうです、剣を持ってみましたが、私には重くて扱えませんでした。さらに魔法ならどうかと思ったのですが、私の水魔法はまだ水を出すことしか出来ません。そして悲しいことに水魔法は使うことは出来るが才能がないようで、高度なことは出来ないのです。緑魔法だと土がない所では役にたたないと思うし……。


 と言うことで土が無い場所で、緑魔法を使い植物を出す実験をしてみることになりました。


 家の中で小さな花の種を創造してみました。そうすると光輝く粒子から現れた種はテーブルの上から家の床下へと根を伸ばして行きます。今度は2階の自分の部屋で実験してみることにしました。今度は成長させる範囲を決め、その土がない空間で花の種を成長させてみると種は花を咲かせ根は土を求め成長を開始して土が無いので数十分すると消えてしまった。


 知識を検索してみると、緑魔法が上達していけば土が無い場所でも植物は水があれば育つと言っています。


 土や水が無い時は数十分で消えてしまうが、植物の種をいつも持ち歩き危険な時はその種を成長させて凌ぐことにしました。


あとは水か土があれば長期戦も出来るし、水なら魔法で出すことが出来るのでどうにかなるかなと思います。


 その為には植物を正確に操ることが重要だと思いました。そして何の植物で攻撃するかも重要です。


 なので、私は蔓と棘で攻撃しようと思います。そして、蔓性ミニ薔薇のグリーンアイスを参考にオリジナルの薔薇を創造しようと思います。この薔薇グリーンアイスは色も素晴らしく、花が淡いピンクから白へ最後は淡いグリーンへ咲き変わる魅力的な花です。だけれども棘は固く鋭いので武器にするにはピッタリだと思いました。


 このグリーンアイスをベースに花が色々な色から最後には淡いグリーンへ色を変えるようにして、さらに蔓は鎖のように頑丈で棘は剣のように固く鋭く生える攻撃専用植物の薔薇の苗を創造してみようと思います。


 いつもより想像力豊かにイメージして魔力を集中させると、その薔薇の苗木は虹色の光輝く粒子から現れました。そのまま魔力を流し続けると一気に蔓が伸び固く鋭い棘が成長してミニ薔薇には相手の敵意を削ぐ匂いをさせるのです。


「あら随分と可愛いく、凶悪な薔薇ね?」


 庭に出て来たナタリーさんが、苦笑いしながら言いました。オリジナルの植物は創造するのが大変だが、私の思いが通じたみたいで創造することに成功したようです。


「思いっきり攻撃専用薔薇として創造してみました。でも成功してよかったです。これからこの薔薇を自由自在に操る練習をしてみます」


 そして、どうにか薔薇の苗木を創造し成長させる時間を短縮出来るようになり、薔薇を自由とまでは行かないが自在に操ることが出来るようになったのでした。



 次は、棘が無い薔薇を創造することにしました。


 棘が無く固く丈夫で鎖のような蔓がある薔薇を創造します。もちろん、花は小さめな緑の薔薇をイメージしました。そうすると、黄金の光輝く粒子が苗木では無く種になり現れたのです。私はこれを先に現した空中の水の玉の中に投げて、素早く種を成長させると棘の無い固く頑丈な蔓の鎖を創りだすことに成功しました。薔薇の花は可愛らしく咲いています。私はこの種を数十個創造し、今の動作がより素早く出来るように練習することにしました。こうして私は人を傷つけないで捕獲できる防御を手に入れたのです




              ***




 さてサンシュユの小枝と牛乳を入れた壷の中身ですが、スウィーツが完成しました。


 まずはその前に林檎を砂糖で煮て林檎ジャムを作ります。本当は林檎ソースを作ればいいのですが、パンにも使えるようにジャムにしました。


 林檎ジャムが出来たら壷の中から白い個体を器によそって、その上にジャムをかければ出来上がりです。

 

 私は念のためこっそりと味見をしましたが、とっても美味しくて気に入りました。


 その夜の夕食はカボチャスープと香ばしく焼けた鳥肉と新鮮な野菜サラダでした。そして、デザートは『林檎ヨーグルト』です。


「ナタリーさん、これがあの壷の中身に林檎ジャムをかけた『ヨーグルト』です。美味しいですよ」


 私はナタリーさんより先に一口食べて、美味しいことをアピールしました。ナタリーさんは躊躇うことなく、林檎ヨーグルトを一口食べてくれたのです。


「牛乳の味が濃厚でサッパリしていて、さらにジャムも甘くて美味しいわ」


「ヨーグルトは、おなかの調子を整えてくれて更に健康と美容にいいんですよ」


 ナタリーさんは瞳を輝かせながら、林檎ヨーグルトを食べています。


 この日から毎日ヨーグルトを食べ続けたナタリーさんが更に美しくなったかは、それはまた別の話です。


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