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お嬢様は勝手に他人をカップリングする  作者: xcgd


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3/3

【『本』物語×紙】

(本は子供です。物語様と紙様は既婚者なのですわ!)


 そう、優しく本のページながら微笑みかける。


 綱宮泡は、授業と授業の間の休み時間読書をしていた。


(様々な物語様が書き込まれた紙様。つまりは『本』。これは想像と現実が交じり合う1つのファンタジー)


 綱宮泡は思う。本が何故、こうも愛されているのかと。

 

 それは『本』とは子供だから。


 物語と紙。


 通常ならば交わらない2つのものが、何故か混ざり合い誕生した奇跡の子供だから。


 それを人は当たり前のように持っている。


 なんと尊いことか。


 だが――


「なんだよ。エロ漫画かと思ったぜ!」

「やめてよ!ライトノベルなんだよそれ!」


 時には少し過激なモノもある。


(でも、それがよい!)


 神聖なモノ。過激なモノ。普通なモノ。


 その多種多様さは、まさに人と変わらぬ奥深さ。


(尊みが深い。でも物語様と紙様。紙様が受けとしても、考えられますが、物語様が受けであるパターンも……)

 

「勝手に見ないでよ!絵だけで決めつけないで!」

「だって絵の部分はあれじゃん。エロスケかよお前」


 一面だけで見ても、カップリングはよいが、受けと攻めを逆にするパターンも考えると、更に深みが増す。


(物語様が、「お前じゃなきゃダメなんだ」と言い出したらたまりませんわ!)


 普段、攻めている側が受けに回った時のギャップは良いものだ。


「大体なんで僕に絡むの!綱宮さんも読んでるじゃないか!」

「いや……綱宮さんに絡むのは――」


「御二人様」


 綱宮泡が声を発した瞬間、教室の皆が、静かになる。 


「『本』とは尊きもの」

(ああ、推せる!『本』とはなんて良きもの)


「その内容は全て見なければ分かりません」

(御二人の子供の行方を、じっくり見守りましょう)


「だからこそ、一面だけでなく、しっかりと見守ってあげてください」

(まず推しのプロフィール確認は基本ですわ!それから、それからインタビューもチェックして――)


「「は、はい……」」


 何故か妙に圧のある綱宮泡の言葉に推され、2人は黙った。


「それと、私が読んでいたものライトノベルですわ」


 そうして、可憐にブックカバーを開き、表紙を見せた。


 2人とも驚いたような顔をしていたが、もうすぐ授業だとチャイムがなり、席に戻っていく。


「なんかワリィな。勝手なこと言って」

「いいよ。分かってくれたなら」


 綱宮泡は物語を楽しむ。


(ああ、よく考えると物語様は、ハーレムなのかもしれません)


 最近では電子書籍もあるし、音楽にだって物語はある。


 ――こうして身近にも。


(――尊い)


 様々なカップリングがある中で、こうしてできた奇跡に綱宮泡は微笑んだ。

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