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お嬢様は勝手に他人をカップリングする  作者: xcgd


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2/3

【総受けコーヒー】

 ――総受け。それは全てを受け入れるもの。


(白き濁流が漆黒の黒を汚す)


 ――総受け。それは受け止め、混ざること。


(貴方様は更に、この白き甘さにより、染まっていくのですね)


 ――総受け。それは混ざり合い、全てを取り込むこと。


(ああ――なんて尊い。これにより貴方様の原型がなくなったとしても)


 それら全てを混ぜ合わせ、綱宮泡は微笑む。


(貴方様は――ここにいるのですね)


 苦いコーヒーを飲むことができない綱宮泡は、そうしてやっとこさコーヒーに口をつける。


「綺麗な人ですね先輩」

「常連さんよ。いつも所作が綺麗なのよね。惚れ惚れしちゃう」


 遠巻きで喫茶店の店員2人は、綱宮泡を眺めていた。


「でも、最初すっごく苦い表情してましたよ」

「ブラックで飲んでたものね」


(コーヒー様。貴方は孤高ではなかったのですね。カップリングをこうも受け入れてくれるとは、総受けの才がある!)


 初めてのブラックコーヒー挑戦。綱宮泡は苦すぎて失敗した。


 だが、それでもよいのだ。


(こうして、新たなカップリングが発見された。でもコーヒー様にお似合いの相手はきっともっといらっしゃる!)


 綱宮泡は更に、ハチミツを投入。


「あ、まだ苦かったのかな?」

「らしいわね。全部入れたわよ。新しいハチミツ準備しなさい」


(金色の雨に飲まれても、コーヒー様はお変わりないようで――)


 まだ、苦い。

 

「新しいハチミツ入りますか?」

「……いえ、いりませんわ」


「そうでしたか、お邪魔致しました」

「お気遣いありがとうございます」


(……コーヒー様。貴方様の推し活はまだ私には早かったようですわ)


 綱宮泡は悔しさを感じていた。


 コーヒーの漆黒。それはまだ、綱宮泡には到底飲み干せるようなものではなかったのだ。


(ですが、こうして全てを受け入れてくれたコーヒー様に向け、私は貴方様を【総受け】と認定致しますわ)


(最初あった孤高の漆黒から一変し、変わって行く貴方様は――素晴らしい)


(それに敬意を評して――)


「頂きます」


 ゆったりとコーヒーに口を付ける。


 未だに残る漆黒が、確かに残ったコーヒーの存在を感じさせる。

 それに混ざり、3つの甘さがそれぞれコーヒーに寄り添い合う。


(これもまた、味!今私は新たな知見を得ましたわ)


 新たな体験に感謝し、全てを優雅に飲み干し店を出る。


「ご馳走様でした」


 店員に感謝を残し、綱宮泡は店を去った。


「可愛い子でしたね先輩!」

「あんたが笑顔も負けてないわよ」

「へ?」

「……なんでもない」


(――尊い)


 全ては推しのため、綱宮泡は2人のやり取りのために店の外でそれを聞き、笑みを浮かべた。

このために喫茶店に通ってる変態

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