第一章 ムー一族
トリトニアの伝説 第三部 ムラーラの恋歌 を連載します。
これまでのあらすじ
日本の一漁村で生まれ育った一平には秘密があった。
漂流者だった父から受け継いだ海人の能力だ。
一平は海で人魚の少女と出会ったことで自分の悩みを解消する術を見つけ、海へ旅立つ決心をする。
迷子の人魚パールを、無事故郷のトリトニアへ送り届けること。一平の故郷でもあるはずのトリトニアで自分が何者なのか知ること。
その二つを目標に、二人は太平洋を南下していく。
鯨や大亀、恐竜などの生物と出会い、大渦や海底火山や台風などの自然の脅威を目の当たりにする中で、二人は互いの身を守り合いながら絆を深めてゆく。
幼いパールは癒しの力を発現し、パールを守ろうと奮闘する一平の怪我を治し続けた。
数々の危険をかいくぐることで自分の心を見つめ直すことになり、一平はパールが何よりも大切な存在であることをあらためて実感するのだった。
詳しくは、第一部 洞窟の子守歌
第二部 放浪人の行進曲
をご覧ください。
二億年の昔、地球の陸地はパンゲアという巨大な大陸ただ一つだったという。
地球の律動とともに割れた大地はやがて移動して幾つかの大陸に分裂する。南半球に残ったゴンドワナと言われる大陸は、何千万年もの時を越え、南極大陸、オーストラリア大陸、南アメリカ大陸、アフリカ大陸などの現在の地形に姿を変えていった。
その過程で数え切れないのほどの島が浮き沈み、大陸が興隆と衰退を繰り返した。
その一つにムー大陸という幻の大陸がある。
色とりどりの花が繚乱と咲き、あらゆる果実が豊かに実り、快適な気候と美しい景観とに恵まれていたと伝えられる。
北はハワイ諸島、東はイースター島、西はマリアナ諸島の辺りまで、太平洋の広きに渡って栄えたと言う。
トロア古写本に言う。
―カンの六年、十一ムルク、サクの月に恐ろしい地震が始まり、十三チュエンまで止むことなく続いた。
地の丘の国、ムー大陸は犠牲の運命にあった。大地は二度持ち上がり、夜のうちに消え失せた。
地下の火の作用により、大地は絶え間なく打ち震え、各所で盛り上がり、また沈んだ。
ついに地は割れ、十の国は四散した。かくして六千四百万の住民はその国と共に陥没した。
この書を編むに先立つこと八千六十年の出来事である―と。
今からおよそ一万二千年前。誰一人としてその光景を見たものは現存していないはずの、遥か昔の話である。
そのムー大陸の文明の名残がイースター島にあると言われている。かの有名な巨石像、モアイだ。面長ののっぺりした顔の頭部だけを形造られた巨石建造物が、丘の上から島の暮らしを見つめている。
イースター島はこの度の旅の道標である。
船旅で言うなら寄港地だ。このモアイ像を拝める所まで来たということは、太平洋横断の道程がそろそろ終わりに近づいているという標であった。チリ沿岸が近い。
一平とパールが日本を出て、既に二年が過ぎていた。十三歳だった一平は十五に、九歳だったパールはもう少しで十二歳になろうとしている。
十年くらいかければトリトニアの噂の一つも聞けるだろう、ぐらいの気持ちではいたが、考えていた以上にその地は遠かった。この文明の発達した世の中、飛行機や船を使えばずっと早く目的地へ辿り着けるのに、敢えてそうできない事情を、一平は既に恨めしく思わなくなっていた。
自分がこの海に適応した生き物であることが、身体の隅々にまで染み渡っている。地上にいた時とは全く違う毎日なのに、不自由はまるでない。自然で、自由だ。
傍らには、自分を慕うこの上なく可愛い少女もいる。一平のことを保護者と慕ってくっついてくる甘えん坊の少女が、一平の生活を明るく支え、生きがいのあるものにしていた。
このニ年間に一平の身長はまた伸びた。百八十センチに届こうかというほどだ。旅の間に筋力と体力が培われたことは体つきを見ただけで察することができる。水泳部の顧問の内山がかつて予想した通り、見事に筋肉が盛り上がり、引き締まった男性美の体型へと成長していた。
顔つきも、もう子どもとは言えぬ。父に似て彫りが深く、女の子たちを騒がせた甘いマスクはそのままに、だが普段は無愛想に眉も唇も引き結ばれている。意思の強そうな容貌だ。
着たきり雀の一平の服は、元々がが少し大きめであったためみっともないほどつんつるてんになることからは免れているが、傷みはは激しかった。あちらこちらに破れ目やほつれ、生地の薄くなった箇所が見られる。服を着ないでいい人魚のパールが羨ましく思えるほどだ。
パールは相変わらず小さい。
いや、小さく見える。
一応、二度ほどの変態を経て二十センチは伸びているのだが、育ち盛りの一平もどんどん伸びていくので、いつまでもその差が縮まらない。一平から見れば百四十センチほどのパールは守ってやらなければならない娘か妹の域を出ないのが当たり前の感覚だった。
身体の成長に合わせて髪も伸びる。現在パールの珊瑚色の髪は背中の真ん中くらいまであった。水の流れによってまるで生きているかのように動くパールの髪は、洗練された踊り子の舞踊のようだ。まとわりつかれるとくすぐったいのだが、吸い付くように滑らかなのもまた気持ちいい。
顔つきにも、さすがに幼児特有のぽちゃぽちゃ感はなくなっていた。変態の度に頬の辺りがすっきりしてゆき、逆に目の大きいのが際立つようになる。大きいといっても魚のようにギョロリとした目ではなく、ぱっちりと汚れのない、まっすぐな瞳をしていた。鼻はどちらかと言えば、団子っ鼻に近く、愛嬌がある。口元は桜貝のような品を湛えていつも微笑んでいる。ほっぺが赤い。
時々パールはその赤いほっぺたをぶうと膨らます。
何か不満があった時、そうして無言の抗議をする。
それまで威厳を保ってパールのことを嗜めていても、この顔をされるとつい頬が緩んでしまうのが常だった。
だから深刻な喧嘩にはならない。なりえない。
悪いと思ったら素直に非を認められる率直さを、パールも平も持ち合わせていた。
今し方も、しりとり遊びをしていて負けそうになり、パールがふぐの顔になったところだった。
二人はしばしば言葉遊びを楽しむ。洞窟で暇を持て余すであろうパールに、一平たちは色々と簡単にできる遊びを仕入れてきて、教えてやったものだ。『しりとり』は、日本語を覚えたてのパールにはまだ難しかったが、会話に不自由しなくなってからはよくやっていた。時には一平の知らない単語も出てくるため、知識の幅を広げるのにも役に立っている。
勝ちを確信した一平がニヤリと口の端を釣り上げて笑った。
その時。
―シュッ―
何かが一平の鼻先を掠めた。
全身に緊張が走る。
飛んできたものは傍らの砂地に突き刺さっていた。
銛だ。
凶器のやってきた先を一平は見やった。
十人ほどの人間が、手に手に思い思いの武器や荷物を持って群れている。
―人間だ―
目線の先にいるのが自分と同じ二本の足を持つ生き物だということに、一平はまず驚いた。パールと海へ出て以来、そのような形態をした生き物に会うのは初めてである。一平と似たり寄ったりの格好をしていたが、皆、髪が長い。そのまま長く漂わせているものもいれば束ねているものもいたが、皆半端でない長髪だった。が、女ではないらしい。遠目にも精悍な容貌の者が多いようだし、立ち居振る舞いもきびきびと男らしいのがわかる。
(海人⁈)
ここはまだ南太平洋。トリトニアがあると教えられた大西洋には程遠い。そんな所にも海人が住まっているのか?
パールは人を食さない。食料とするのは、海藻や小魚、貝の類である。そのことから推し量るに、トリトン族は同種族を捕らえて食べる事はしないと思う。
では、なぜ狩られるのだ?
海人の男たちは銛を投げつけて寄越した。銛とは獲物を獲るための道具だ。彼らが一平たちを狩ろうとした事は明白な事実だった。
「何をする?」
パールを背後に庇い、一平は怒鳴った。
再び何本も銛が飛んでくるであろう事は想像に難くない。
対する若者たちは、一発で仕留め損なったことが意外だったのか、この先どう出たものか戸惑っているかのように、ひそひそと言葉を交わし合っている。
返答も攻撃もしてこないので不思議に思ったパールが、首を伸ばして向こうの様子を見ようとした。
「出るな。動くんじゃない」
制止されて、慌ててまた引っ込んだ。
「いきなり何だ⁈危ないじゃないか!」
一平は再び怒鳴った。
相手は同じ海人だ。話ができればわかり合える可能性は大きい。銛を射掛けてくる気配がない事は感じ取れた。
「おまえに用はない。用があるのはそこにいる人魚だ」
群れの中の一人が言葉を返してきた。その声には気が強く横柄な響きがある。
「何?」
パールに一体何の用があると言うのだ。一平の眉が跳ね上がった。
「俺たちにはそいつが必要だ。渡してもらおうか」
「ふざけるな‼︎」
その一方的な物言いは何だ。パールを何だと思っている⁈
「俺たちは至極真面目だ。少々付き合って欲しいだけだ。こっちへよこせ」
「断る‼︎」
言語道断、考慮する余地などない。一平は即答する。
(渡せ?寄越せ?付き合って欲しいだと?どういう意味だ?)
「貴様には訊いていない。そっちの人魚に答えさせろ」
「その必要はない。ボクたちにそんな暇はない」
「…一平ちゃん…」
自分のことを言われているのだとわかって、パールは心配そうに寄り添った。
「…相手にするな。言ってることとやってることが滅茶苦茶だ。ろくな奴じゃない。関わらずにいた方が身のためだ」
忌々しげにパールに告げていると、再び銛が飛んできた。
二度も同じ手が通用するものか。一平は腰の短剣で銛を打ち払い、綱を切るとそれを拾い上げた。
「なぜこんなことをする?おまえらは野蛮人の集まりか⁈」
「なにィ⁈」
先ほど呼び掛けてきた若者が目を剥いた。飛び出して行こうとするのを仲間に引き止められ、言い合いを始めた。ひとしきりごちゃごちゃしてから、そいつが進み出て言った。
「今からそっちへ行く。武器を捨てて話し合いに応じろ。一対一だ」
いきなり銛を射掛けてくるような輩を相手に丸腰というのはいただけなかった。が、相手も武器を持たずに行くと言う。考えた末、一平は短剣と銛をパールに手渡して前へ進み出た。
「一平ちゃん…」
パールが心配そうだ。
何かされたら遠慮しないでそれを使えと言い置いた。
指定された場所まで進み出ると、相手の容貌がはっきりしてくる。群れのリーダー格らしい風貌の若者だ。年頃は一平と違わないだろう。太い眉と顔の中央でどっしりと構えた鼻。肉厚な唇は尖り気味で、いかにもきかん気そうだ。目にも剣呑な光があり、争い事には慣れた雰囲気を持っている。濃い緑色の髪を背中の中央で一つに束ねているため、後れ毛が逞しい身体全体にまとわりついていた。
「用件を聞こう」
一平の方から口火を切った。
「用件か。用件は…こうだ‼︎」
いきなり拳をみぞおちに繰り出した。
何を考えているのだろうと相手を観察していた一平は、それをまともに食らった。
ぼきっと嫌な音が身体の中から聞こえた。
身体を二つ折りにして呻いている一平を見下ろして、若者は合図を送る。
後ろに控えていた集団がわらわらと泳ぎ寄ってきた。半分は一平の周りを取り囲み、半分はパールの方へ向かっていく。
「一平ちゃん‼︎」
助けを呼ぶパールの声が一平の耳にも届いてくる。
(パール…)
パンチは急所にまともに入っていた。武器を携帯していないことで油断していたせいもある。が、若者の技が優れていたことが大きな要因だった。一平はすぐに体勢を戻すことも、考えを言葉にすることもできなかった。
集団の半分は手こずることなくパールを虜にしていた。パールは無我夢中で短剣を振り回していたが、呆気なく手首を掴まれて取り上げられていた。銛など手にすることすらできなかった。
一平の方も両腕をそれぞれ掴まれ、背後からは腕を回されてはがいじめ状態になっていた。
(くそ…)
再び拳が飛んでくる。腹に二発、顔に一発。
「ぐえ…」
胃の中から何かが上がってきた。恐ろしくひどい気分だ。
それでも何とか声を絞り出した。
「…はな…せ…。パールに手を出…す…な」
「自分の心配より女の心配かよ?ガキのくせに、大したもんだ」
大したもんだ、という言い方に讃美の意味は含まれていなかった。生意気な、と言っているのに等しい。
「まだ…小さい…んだ…やめ……」
何をされているのか、嫌がっているパールのか弱い声が一平の耳に否応なく届いてくる。
「何もしてねえって。人聞きわりぃな」
へらへらと笑いながら、若者は一平の髪を掴んで仰向かせた。
「ちょっと借りるだけさ。用が済んだら返してやるよ」
「何…を…」
―何をするつもりだ、まだ年端もゆかぬ少女に―
一平の脳裏に若者の言葉が蘇る。
―付き合え。用が済んだら…―
(まさか…)
血気盛んな若者が一人の少女を相手にしそうなことと言ったら決まっている。しかも、用が済んだら返すと言う。よってたかって慰みものにして、飽きたらポイと捨てるつもりなのだ。
(冗談じゃない。パールはまだ子どもだぞ)
一平とて子どもだったが、そういうことがあることを知ってはいる。しかしパールは…。
「…よ…せ…パールに…触るな…」
「うるせえ!」
次の瞬間、こめかみに一撃を食らい、一平の意識は遠のいていった。
「一平ちゃん‼︎」
ぐったりと動かなくなってしまった一平の様子を目にしてパールは喚いた。
パールを捕まえているのは一人の若者だった。初めは多勢に取り囲まれたが、何分にも非力な少女のこと、連行するのは一人で充分と踏んだのだ。
パールは悔しそうに唇を噛み締めて若者たちが一平を放り出すのを見ていた。と、途端に厳しい表情になり、自分を捕まえている若者の腕に噛み付いた。
「うぎゃっ‼︎」
不意を突かれてを若者は喚いた。痛みで咄嗟に力を緩めた。
その隙を逃さず、パールは逃れ出る。全速力で放棄された一平の遺体―いや、そんなはずはない。一平ちゃんは生きている―に泳ぎ寄る。
重力に逆らうことなく落ちてゆく一平に追いついたのは、一平が海底に横たわるのとほぼ同時だった。
パールは一平の肩を揺すって必死で呼びかける。
「一平ちゃん!一平ちゃん!一平ちゃん、一平ちゃん…」
返事がないので胸に耳をつける。いつもの鼓動が聞こえれば大丈夫、一平ちゃんは生きている。
ひどくゆっくりだが、聞き慣れた音が聞こえてきた。
でもこれじゃだめだ。
(やだ。やだよ。一平ちゃん、死んじゃいやあ…)
若者たちはその様子をぼおっと見ていた。
彼らが手に入れようとしていた人魚はあまりに弱く非力だ。一緒にいた邪魔な少年は始末したので、いつでも連れていける。だから少しくらい自由にさせておいても大丈夫だ、との見解から。
それに少しは罪の意識というものを持ち合わせていたのだろう。
そんな彼らの頭上からどら声が降る。
「おまえたち、一体何をしている⁈」
どら声といっても、女性の声だった。ハスキーボイスに似合った体格と服装の女性が怖い顔をしてすっ飛んできた。
「姐さん…」
中の一人が呟いた。
リーダー格の若者はチッと舌を鳴らす。嫌な奴が来た、という意思表示だ。
女性は若者たちの前に陣取るリーダー格の若者に向かって言った。
「ナムル。これはどういうことだ?」
「……」
ナムルと呼ばれた若者は答えない。
代わりにそばにいた若者が言った。
「姐さん、俺たちは珊瑚色の髪の乙女を探してただけっす。同行してもらおうとしたら邪魔されたんでちょっと度が過ぎちゃって…」
「おまえに訊いてなどいない。それに、その姐さんていうのをやめろと前から言っているだろう」
「でも…お頭の姉さんですから、姐さんが一番適当かと…」
「私にはちゃんとミラって名前がある。そう呼んでくれ」
「そんな。呼び捨てなんてできませんよ」
こういう論議は初めてではないらしく、ミラはうんざりだという顔をした。ナムルが口を開く。
「口出ししないでくれないか、姉貴。俺たちは皆のことを考えてやってんだ。この国には珊瑚色の髪の乙女が必要なんだ。そうだろ?」
「おまえ…」
ミラは思い当たる節があったのか、ちょっと口を噤んでから言った。
「なるほど。おまえの言いたいことも、しようとしていたことも、大体わかったぞ。しかしな、こういうやり方はないんじゃないのか?…ああ、隠してもだめだ。みんなその辺にいた魚たちに聞いたんだから。おまえたち、見ず知らずの二人連れにいきなり銛を射掛けたそうじゃないか。もし当たってたら殺人だぞ」
「だから殺してねえよ。気絶させただけだ。最初は脅しのつもりだったんだから」ナムルが反論する。「その方が手っ取り早い。いちいち説明しなくてすむし…」
「それがおまえの悪いところだ。もうちょっとよく考えてから行動しろ。かわいそうに。年端もゆかぬ女の子をあんなに泣かせて…」
ミラは海底で少年に縋って泣いている少女を見やった。
そばへ降りてきて優しく肩を抱く。
パールがびくっと振り返る。
この場に似つかわしくない人が自分を見つめていた。
「だあれ?」
「…私はミラ。ムー一族のミラだ。弟たちが申し訳ないことをした。少々事情があるのだ」
謝られているようだが、パールには一平の容体の方が心配だった。かわいい顔をくしゃくしゃにして無言で訴える。
「…その男の子は?様子はどうだ?」
優しく尋ねるミラに、パールは本能的に気を許した。
「一平ちゃん…返事しないの…。心臓…ゆっくりなの…」
「一平ちゃん、と言うのか。大丈夫。私たちの所へ運んでちゃんと手当てしてやるから。一緒に来るがいい」
そう言うとミラは一平を抱き上げた。軽々と、だ。
大きな人、とパールは思った。
パールから見れば身長百八十センチの一平はかなり大きいと思えたが、このミラと言う女の人はもっと大きい。女の人なのに逞しくさえある。服装も男のものとそう変わらない。パールと違って足があったが、その事はパールには特に不思議なことではなかった。
「おまえたちもいいな。この二人は私が預かる。勝手に手出ししないように」
どういう権限があるのかわからないが、若者たちはおとなしくミラの言うことに従った。少年の方はともかく、この人魚を自分らの国へ連れて行くことができるのなら、彼らには文句はなかったのである。