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7. あなたは『強い』が『最強』ではない

 「あわわ……あわわわわわわわわわわ!!!!!!!!!!」


 俺は、二度目のピンチを迎えていた。

 こうなってしまった理由に関しては、言うまでもないだろう。

 俺、いまだに梨沙のことを恨んでるよ? なんなの? あいつだけ上手く赤点避けやがって……


 

         5日前……


 「はぁ……これからどうしよ」


 「どうしよじゃねーよ! ほら、私も手伝ってあげるから、一緒に戦闘訓練するわよ! 仕方ないっ。ほんっとうに仕方ないわね!」


 その日の放課後、俺は、一度目のピンチを迎えていた。

 戦闘訓練? なんだそれ。俺以外の貧弱なやつらは? 戦闘訓練? とやらをしなくてはいけないかもしれないが? 俺は、違う。こう見えて、俺は意外と強い。人として。

 わかりやすい例で言うと、他の奴らと比べて、運動能力が高い。他にも肺や心臓などの臓器、耳や鼻が他の奴らと比べて秀でている。

 それこそ、マラソン選手や、犬とも引けを取らない程に。

 ……まあ、能力が使えない分、神様が俺に授けてくれたのだろう。


 「ほら、戦闘訓練場に行くわよ! ほら早く!」


 「い! や! だ! 行きたくない! 俺は、そんなんしなくても強いんだよ! お前も見ただろう? その目で! 俺の圧倒的な実力を!!」


 俺は、強い。それは揺るがない事実だ。

 ……そう、能力者よりも。


 「たしかにあんたは、あの場にいた誰よりも強かった。それも圧倒的に。」


 「ついに認めたな! そゆことで、お家に帰らせていただきますー!」


 「たしかにあんたは、強い。だけどね、私はこの学園の中で一番強いとは微塵も思っていない。」


 「……はぁ? 急になんか言い出したと思ったら何を言い出すんだ! そんなことはない。俺はこの世界で最強だ。これは、揺るがない事実だ。約束する」


 「いや、あなたは『強い』が『最強』ではない」




 っ……………………




 「……お前は、俺の何を見て、そう感じた?」


 「たしかに、私はあの瞬間、この国屈指の実力を見た……だけど、それはこの学園に入学している全ての人に言えることなの。実際に、私はあなたより強い人を見たことがあるわ」


 「……は? 俺の動きについてこれる実力のある奴はいねーよ!」


 俺は……願望を目の前のそいつに言った。

 すべては……あいつのためだ……

 俺は……『最強』でなくてはいけないのだ。絶対に。

 そう、絶対に。


 「いや? いるね。正確に言えば、あなたの動きにはついていくことは出来ないだろう。ただ、あなたの動きについていく必要がない。

 そう、無敗のクイーンなら……ね」


 「あー。あいつか。あいつは、強い。それは、俺も知っている。だが、俺よりは弱いな。確実に。俺にはわかる」


 「あなたに彼女の何がわかるって言うのよ……まあ、いいわ。私……実は彼女に助けられたことがあるの」


 「え何その展開。か、かっこいぃ……」


 「お前ガキだな。」


 俺は、梨沙のキレッキレなツッコミを受けた。

 その後、目の前のかわいらしい女の子は、自分の体験を淡々と述べた。


 梨沙の言っていたことを簡潔にまとめると、帰り道、能力犯罪者集団に拉致られていたところを、偶然そこを通りかかっていた自称無敗のなんちゃらさんが助けてくれたのだとか。


 ふっ……意外とかっこいいじゃないか。あいつ。


 「あの時の彼女は、本当に、圧倒的だった……彼女の手が紫色に光り始めたと思ったら、気づいた時には彼女の手に長剣が握られていて……瞬きをする間もなかったわ。それはもう一瞬でそいつらを戦闘不能にしていた……元々、そういう運命だったのかと、錯覚するほどの強さ……私は、あの時初めて『圧倒的な実力』を見たわ……例え、あなただとしても、彼女に勝てるとは……」


 「……なんだ、心配をしてくれていたのか。ありがとな。けどな? 俺はな? 例え俺の相手が無敗のなんちゃらさんだとしてもな? 俺が負ける未来が、全くと言っていいほど想像できない」



      "大丈夫だ……心配すんな"


 「……というか、まだ無敗のなんちゃらさんと戦うと決まったわけじゃない。sランクの中でも比較的弱いやつならサクッと勝てちゃうかもだし。まあ、心配するな!」


 「そうだったわね……対戦相手は学園長の独断と偏見で決まるんだった。まあ、大丈夫か!!」


 「あちょっとフラグ……」


 俺が、そう思っていた時、学校内のスピーカーからチャイムが鳴った。


 「ピンポーン〜パンポーン 1年 dクラス、37番。校長室に来なさい」


 「ふっ……キタナッ」


 俺は、希望を抱えながら、校長室に向かい、ドアをノックし、その部屋に入った。


 「……」


 「お前……なんで、校長室に呼ばれたか、わかるか?」


 「いえ……申し訳ありませんが、検討虫もつきません」


 「……」


 これが、『無言の圧』ってやつか☆

 ……けっこうメンタルにくるな。

 もうこういうのやるのやめよ……


 「……今回貴様を呼び出したのは、対戦相手が決まったからだ。」


 なんな、最初より当たり強くない?

 ……もしかしてこいつ、結構根に持つタイプか?

 めんどいな! こいつ!


 「お前の対戦相手は……」


 「対戦相手は……?」



 それから、5日経ち、俺は今……


 「あわわ……あわわわわわわわわわわ!!!!!!!!!!」


 まさか……まさか本当にあいつが相手になるなんて……


 「考えてなかったんですけど!?」


 まあ、なってしまったものは仕方ない。


 「……いっちょ、やってやるかー!!」


 俺は、とりあえず頑張ることにした!


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