6. この学園の存在意義。
小説の書き方わからなくなった。
スランプ。
「あの……梨沙さん? もう長い時間勉強していることですし、少し休憩を……」
あの後、案の定俺は梨沙の家に行き、勉強していた。
そんな時、目の前のそいつは衝撃的な事実を述べた。
「仕方がないでしょ。このテスト、赤点取っちゃったらsランクの人と戦わなきゃいけないんだから」
その言葉を聞いた時、俺は思った。
「え? ……赤点とってsランクの人と戦った方がよくね? ほら、強い人と戦う経験なんて、滅多にないんだし。強くなるチャンスじゃんか!」
そんな事を言った俺に、目の前のそいつは言った。
「言うの忘れてたけど、その戦いに負けたら1つランク下がるよ。後、私たちは一番下のランク、Dランクに属しているわ。だから万が一、私たちが今回のテストで赤点を取ってしまい、その戦いで負けてしまう事態に陥ってしまった場合、即退学ってわけよ」
「全然チャンスじゃなかった。なんならピンチじゃないか」
ん? それだけで即退学って……厳しすぎじゃないだろうか。……というかこの学校、及びこの国はなぜこんなに実力主義なんだ? なぜ、実力にこだわるのだ? この学園の存在意義は何だ?
この学園は、なぜ、作られたのか?
「まあ、気にしても意味ないな」
「へ? なにが?」
「あー……うん。なんでもない」
俺には、責務がある。そう。あれのことだ。
なんとしても、最後の最後までこの学園に残り、責務を果たさなければならない。
「この試験、赤点を取るわけにはいかない……」
その一心で、俺は勉強を続けた。
次の日、そのテストを受けた。もちろん、万全の状態で。
万全の状態でなければ、できるものも、できないから。
更に次の日、テストが帰ってきた。
確かな自信が、俺には、あった。
その時もらったテストの結果は、以下の通りだ。
-------------------------------------------------
国語 テスト結果。
19点
-------------------------------------------------
「……へ?」
「どうして……毎回、こうなるんだろうな……」
俺の人生が良い方向に向かう事を、俺は切実に願った。