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3. 無敗のクイーン

この作品を開いてくださり、まことにありがとうございます!!

今回は、試しに一つの話を長めにしてみました。

 なんとしてでも、この作品の終わらし方はきれいに終わらすので、ぜひ、すべての話ができるまで、末永くお持ちください!!

後、この作品を読んでくれた方、できれば感想を書いてくれると嬉しいです。より良い作品が書けるようになるので!!

 「人の隠している事を平気でバラすなんて……それは普通に性格が終わっていると思わないか???」


 そんな俺の言葉に対して梨沙は、


 「全然思わないね。なんなら、あなたのような可能性の塊をドブに捨てる方が私はもったいないと思うなー」

 「やっぱりお前人の心ないだろ」


 そんな俺のキレッキレなツッコミをした直後に、目の前のそいつは言った。


   「私は、あなたに一緒に来て欲しいの」


 そんな意味のわからない言葉に、俺は答えた。


 「……どう言う意味だ?」


 「あなた、私がどの学園にに進学するか知ってるよね」

 「ん? あーこの前聞いた。なんだ。この国の中で一番の実力主義な学園だっけか?」


 そんな俺の曖昧な返しに、目の前のそいつは言った。


 「そうそう。あの学園に通えば、より実力を磨くことができると思うしね。けどね、このまま普通に行くと私たちはあの学園の試験にこんな奴らと一緒に受けることになる」

 「もちろん、戦闘科と頭脳科には別れてるけど……」

 「……まあ、そりゃあ嫌だわな。」


 誰でも、自分を虐めてきたやつと同じ学園に通いたいと、望みはしないだろう。


 「だから私は……あなたに一緒に来て欲しいの」


 そんな言葉に対して、俺は、


 「……俺が……一緒に……?この国最高峰の実力主義の学園に?」


 俺は鼻で笑った。


 「たしかに、その学校に入って、卒業さえしてしまえばその後の人生はイージーゲームなわけだが……入学する為の試験でさえ、突破するのはとても困難だと言われている。」

 「もちろん、いろんな人を蹴落とさないといけない場面にも出会うだろう。そして俺は、さっき言った通りそういうのが性に合わない」

 「誘ってくれたのは嬉しいが……俺はイージーゲームな人生を求めている訳ではない。」


 そんな俺の言葉に対して、目の前のそいつは冷たく、


 「……本当に、この世界の人間かって疑いたくなるくらい無欲だよねあなた。みんな、その学園に入る事を目標にしているのに。あなただけは違う」

 「なんと言うか……他の人達とはまったく違う物を見ている感じ……? それだけの実力があるのに……一体なぜ……?」


 こいつは何を言っているんだ……? ついに、唯一秀でている頭でさえ終わってしまったのか……と、俺が思っていると、


 「きっとまだ、あなたは秘密を抱えているんでしょうね」


 そんな言葉に対して、


 「秘密があろうがなかろうがどっちでもいいだろ……周りから見たら、お前はこの学園で一番ここが良い。俺は、この学園で一番の落ちこぼれ。ただ、それだけの話だ。」


 そう言いながら俺は、目の前のそいつの頭をぽんぽんと指で叩いた。


 「よし……じゃあ俺は帰る。こいつらは……放置でいいだろ。どうせ、ちょっとしたら意識を取り戻してるだろうし」


 そう言いながら、俺は立ち上がり、歩き始めると、そいつは、


 「え?……もう少し話さない? これからのことについてとか……」

 「だーかーらー。何度も言っているだろう?俺はその学園には入らない。絶対。ぜっっったいに入らない!!」

 「そ、そうなのね。わかった」


 「はぁ。今日はチー牛2杯だな」

 「あなたの頭にはチー牛の事しかないの?……もう本当に……」


 そんなツッコミを受けながらも、俺は帰った。

 今回は、俺の数少ない友達が虐められてたから拳が出てしまったが、俺はそんな学園には行こうとは欠片も思っちゃいなかった。

 ……人生が安泰?この国一番の実力主義の学園?……

 そんなの、興味すら湧かない。俺は、なんとなーく一日を過ごして、なんとなーくチー牛を食べて、なんとなーく生きる。俺は、それが出来ればもうそれでいいのだ。

 もう俺は……

         ……何も失いたくない…… 


 次の日、学校に来たら、いきなり話したこともない奴らに駆け寄られてしまった。どうやら、俺がこの学園一位のやつを一発で倒してしまったのがバレてしまったらしい。しかも、その張本人が自ら暴露したそうだ。そして、

『次は、負けねー!!』と豪語していたらしい……こいつ……案外プライドないんだな。

 本当に……やってくれる。


 そんな感じで、一躍その学園の有名人になってしまった俺は、早速次の日から……


         休んでいた。


 「はぁ。俺の学園生活が……」

 せっかく、ここまで落ちこぼれとしてやってきたってのに……今や一躍有名人……はぁ。


    「モウマジウツチーギュウダベヨ」


 そう言いながら、俺なら公園のベンチでチーギュウを夢中で食べていた。

 学生は、優遇される。そこら辺の大人より、そこら辺の学生の方が未来があるからだ。逆に言えば、学生の時になにか成績を残せなかった場合、それはもう最底辺の暮らししか出来なくなってしまう。もしかしたら、このチー牛でさえ食べられなくなって……

 ……まあでも、飯が食えて、生活出来るのならそれはそれでいいか。

 だったらもう、学園に通う理由なんてないのではないだろうか……そうと決まれば、こらからずっと学園をサボって……


 そんな事を考えていた時、後ろからどこか懐かしい声がした。


 「あんたが今話題になっている落ちこぼれ? 

  噂は聞いているわ。」


 急に話しかけてきたやべー奴に俺は、


 「なんの噂だよ……っつーかそもそもとして誰だよお前」


 そんな俺の言葉に対して、目の前のそいつは、


 「この世界で生きてて私を知らないなんて……本当にあなたこの世界の人間なのかしら?」

 「この世界の人間じゃなかったらどの世界の人間なんだよ!!」

 「そんなにキレなくてよくない?」


 そんなことを言った目の前のそいつに対して、俺は、


 「……俺は、あんまり周りの人間に対して興味がないタイプなんで……でお前は誰だ? と言うかそもそもとしてなんで俺が話題になっているんだ?しかも、あんたみたいな自称すごいひと?見たい人に」

              「自称じゃねえよ」

 「……まあいい、なんかここら辺ですんごい話題になってるって聞いたからね。だからここまで足を運んできたって訳。……ただ、きて大正解だったわね。あなたは、私と似た何かを感じるわ」


 そんな、よくわからないことを言っているそいつに対して、俺は、


 「はいはいそうかい……で、おまえは誰だ?」


 そんな俺の素朴な疑問に対して、目の前のそいつは、


 「……私は世間から、無敗のクイーンと呼ばれているわ」


 「あの……申し訳ないんだが……」


 「なによ、言ってみなさい」


 「……あの、なんというか……世間から笑いものにされている可能性もあるなって」

 「あなた今私の愛称を馬鹿にしたわね?」


 俺は、正直な感想を言った。


 「……仕方がないでしょ。この世界の人間はそういうのが好きなんだから……」


 目の前のそいつは、そんなことを口にした。


 「……無敗のクイーン……けどそれはあだ名みたいなもんだろ? 本名は何なんだよ本名は」


 そんな、俺の口から放たれた質問に、目の前の女は答えた。


 「……結衣……」


 「結衣……まさか、清水 結衣か?」


 そんな俺の聞き返しに対して、目の前の清水 結衣と名乗る人物は、


 「そう……私は清水 結衣。今、この世界で最も期待されている唯一無二の存在……戦闘も、頭脳もこの世界トップクラスだといわれているわ……」


 そう、自信ありげに目の前のそいつは述べていた。


 「けど、私はそんな肩書みたいなものにあまり興味はないんだけどね……誰にどう評価されようが、私は自分のために毎日実力を高めるだけ……」

 「……その結果……私の後ろに立っているものは、いなくなってしまった。……圧倒的一位、それが私なの。……はっきり言って退屈だわ」


 ……こいつ、肩書みたいのものにはあまり興味がない的なことを言っていた割には、随分と自分に自信があるらしい……そう、俺は思った。

 そう思った次の瞬間、今俺の目の前にいるそいつは、言い出した。


 「……どうかしたのかしら? 自分では気づいてないのかもしれないけど……」


 そうして、結衣は俺に言った。


 「あなた、私の名前を聞いた瞬間から、顔つきが少し変わっているわよ?」


 「……いや、何でもない。そうか、結衣か……」


 見るだけでわかる……こいつは、今まで俺が見てきた奴らとはまるでレベルが違う。

 無敗のクイーン……その肩書は伊達じゃないということか……


 「ということは……もしかして、お前がこれから進学しようとしている学園って……」

 

 「当り前じゃない……あの学園に入ることができれば、今よりもっともっと実力を高めることが出来るだろうしね……その後の人生とかそんなのどうだっていい。私は、今やりたいことをする。それだけ……」

 「勿論、あの学園の一位を一発で倒したあなたなのであれば当然その学園に進学するだろうから、下見に来たってわけ」


 そう悠長に述べた直後に、目の前のそいつは言った。


 「今この時点で恐れを抱いているのであれば、あの学園に進学するのを辞めることを強く推奨するけど、あなたの場合は、少なくともそうではなさそうね」


 妖艶でもありながら、不気味でもある笑みを浮かべながら、結衣はそう言った。


 「それじゃあ、私は行くわ……あの学園でもう一度会えることを期待してるわよ……」


 そう言いながら、彼女は、結衣は去っていった。


 「……無敗のクイーン……清水 結衣」


 あぁ。こんなに気分が高まっているのは何年振りだろうか。


 そして、俺は梨沙に電話を掛けた。


 「……梨沙」

 

 「へっ!? あなたから電話をかけてくるなんて珍しいわね……!?」


 「乗ってやる」


 「……へっ?…… 」


 「たった今、あの学園に行く用ができた。ただ……それだけだ」


 「唐突だね……」


 ……そして、月日は流れ……


 俺は、その試験を受けて、……通過した。その学園に足を踏み入れることを許可された。


 ……この国の中で一番の実力主義な学園。

 最初は行く気なんてこれっぽっちもなかった。だけど、あの日、すべてが変わった。

 それこそ、事情も。


 「これは……俺の責務だ」


 この国一番の実力主義の学園……きっと妙なことをしたらすぐに退学になってしまうのだろう。

 俺は、人の上に立つのがあまり性に合わない。本当に嫌だった。けど、それでも、行かなくてはいけない理由ができた


 だから、俺は……


 「結衣……お前に……」


 「ーーーーーーーーーーーーー!!」


 そう、叫ぶのであった。

 

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