アレ?なんだか皆優しすぎんか、、?
目が覚めると、見慣れない真っ白い天井が目に入った
ああ、そういえば、早速倒れたんだっけ、、やらかしたなー
ハァ、、とベッドの上で座って項垂れていると、ガチャ、という音がした。部屋の扉が開いた音だった
「ん?もうお目覚めですか、おはようございます」
「は、はぁ、、おはようございます。、ここは、どこでしょうか?」
少し標準語と違ったイントネーションで話す彼。この部屋の主だろ
「ここは貴方が知る保健室のようなものですよ」
にこりと柔らかく微笑みかけてくださった。これまた、イケメンである。ここは普段は顔面偏差値高い人しか雇わないのだろうか、、?
「私は、言わば保健室の先生ですね。空楽原藍青と申します、以後お見知りおきを」
ぺこりと上品に頭を下げた後に、軽く、保健室の説明をされた
「貴方もここで働くのでしたら、ここは知っておいて損はありません。今から説明をしますので、よく聞いておいて下さいね
先程私はここを、〘保健室〙と言いましたが、厳密に言えば少し異なります。
一つ、学校の保健室より、保管している薬品の数が圧倒的に多いです。勿論、仕事が仕事な為です。ですので、相手を毒殺したい場合は是非ご利用下さいませ。
あぁ、一覧表はこの紙です。常時ホワイトボードに貼っていますから、ご覧になってくださいね。
二つ、見れば分かる通り、先生がわざわざ一人一人診るのではなく、セルフサービスです。貼り紙がしてありますから、皆さん分かると思っているのですが、時々分からない馬鹿がいて荒らされて片付けが大変、、おっと、失礼しました。まぁ、できる限り丁寧に扱うようにしてもらえれば結構です。
三つ、そこそこの出血、毒に侵された、等はここの寝台で寝て私が適当に処置します。この場合は、あそこの呼び鈴で呼んでください
、、とまぁ、保健室の説明はこんなものでしょうか。分からないことがあれば、先程紹介した呼び鈴でお願いします、すぐに駆け付けますから。」
再度にこりと微笑むと、彼は私の部屋まで送ってくれた
礼を言うと、ボソッと何かを呟いたが、それは分からぬままに彼は立ち去ってしまった。悪口なら容赦しねーぞ?
まだ慣れない部屋のシングルサイズのベッドに寝転んで、スマホを弄っていると、コンコン、とノックする音が聞こえた
私は、スマホをベッドに置き、扉を開けた
すると、何とビックリ。食堂等で会った面子が大集合していたのだ
「久連波ちゃんが、倒れて、意識が戻って様態も安定してるからって部屋に戻ったって連絡を貰ったから、急いで来たのよ!」
そうだったのか、、と彼らを心配させてしまった事に反省する。
「元気そうで何よりだ!とはいえ、安心はできないからまだ安静にしておきなさい」
というわけで、ベッドに強制連行されてから会話することに。
「で?何でこんなことになったの?」
少し怖い顔の霞ケ丘さんにそう問われて、自分の記憶を探りつつ、ポツポツと話し出した。
「つまり、テメェにはメンドクセーことに、失くなった記憶があるっつーことでいいんだな?」
意外な人物からの簡単な要約に驚いて、目を丸くさせたまま彼の方を見てしまったが、特に何も言われなかったので良しとしよう。
「じゃあ、これからは、その記憶を探りつつ、僕らと仕事していこうか」
何ともにっこり笑顔で言っているが、内容は働けと言われてるのと同じであることに気づいてしまって、乾いた笑いだけを返した。
「折角久連波ちゃんも起きたことだし、歓迎会でもやりましょうよ!もう、日頃の鬱憤もついでにぶちまけましょう!ね?」
どれほどストレスが溜まっているのか、すごい勢いでそう提案してきた桐山さん。
皆大賛成で、いつも行っているという居酒屋さんに行くことになった。
そこでは、いよいよここの社長とも顔を合わせるらしく、緊張で心臓をバクバク鳴らしながら、駐車場に停まっている、黒塗りの高級車に乗り込んだ。