何か、ヤバい雰囲気です、、タスケテ
さて、紅莉栖君に庭へ案内してもらったぞ!そのお庭は、、うん、綺麗!廊下にある花を生けた人と同じ人がやってるんだと思う
そんな綺麗なお庭には、これまた豪華な噴水があった。昔のヨーロッパみたいな景色、、童心が蘇ってくるわ、、(2回目)
「いい景色だよネ〜、ココ。オレもお気に入りなんだヨ〜」
というと、長めの髪を靡かせて庭を流し目で見やった。、、めっちゃ絵になる光景だ、、
「で、こんな所で何をシようと思ってるでしょうか!」
ニッコリ笑顔でぐいっと顔を寄せてくる。けれど、その顔がやけに怖く見えた
急いでこの場を離れようと密かに駆け出す準備をする
「アハッ★バレないとでも思った〜?ザーンネン!直ぐに分かっちゃうヨォ~♪逃げようとしたワルイ子にはオシオキしなくっちゃ♡ネ?久連波チャン♪」
タンマの意味も込めて手を翳してみるけれど、逆にその手首を掴まれてしまった。自分の馬鹿!!
紅莉栖君の吐息が耳にかかって擽ったい。向こうはそんな私を見て楽しんでいるらしい。悪趣味め
そっと彼の手が下の方伸びてくる。それに気づいて必死に距離を取ろうとするが、力の差は歴然で、どうすることもできなかった
チョンと焦らすように触れられるが、それだけでもビクリと反応してしまう。これ以上の生き恥は晒したくないので、最終手段、、
「ありゃ?こんな所に客人がいるじゃん♡」
ええい、この際チャラ男でも誰でもいい、助けろ!!
「襲われてて!助けてください!!」
「えぇ、、と言われてもなァ、、その人、この界隈じゃ有名人だし〜。知らない?《血濡れあk」
「黙れ!!この子にそれを教えるな!」
必死にそう圧をかける彼は、今まで見てきた彼とまるで別人だった。しかし、その隙に彼から逃げることに成功したので良しとしよう
「ハァ、ハァ、、、って、ここどこ?」
悲報。早くも私、迷子になったみたいです。誰か助けて
「ん?確か、君ってさっきの、、えーと、久連波さんだっけ?」
「そうです!あの後、紅莉栖君に庭に連れていかれて、ちょっとヤバい状況になったんで逃げてきました!というわけで、助けてください!霞ケ丘さん!!」
必死に頼み込む。こちとら生命の危機なんだよ!だって、あの人ヤバい人なんでしょ?そんな人を怒らせたんだから、次会ったら確実に殺されるに決まってんじゃん!
「うん、いいよー。ついておいで」
私の必死さが伝わったのか快く引き受けてくださった。感謝しかないっす!恩に着ます!!
どこかふよふよとしている霞ケ丘さんの歩き方。そのせいか、足音もしないし、もしかして、暗殺者だったり?
そんな独特な歩き方の霞ケ丘さんに着いていくこと、約十分。
どうやら、霞ケ丘さんの個人の部屋らしい。すると、その隣を指差した。そこのドアに掛けてあるネームプレートには、私の名前が!
「今日から君の部屋はここだよ。任務も始まるだろうし、疲れて家に帰れなかったらこっちを使って」
「有難うございます!けど、この部屋って、紅莉栖君ご存じですよね、、?」
「あ。、、仕方ないし、僕の部屋入っといて。僕は見張りしとくから」
そんな部屋の主を差し置いて、、と思ったけど、状況が状況な上、霞ケ丘さん曰く、私の両親が私に何かあったらその時点で連れ戻す!とか相手ぶっ潰す!とか物騒なことを言っているらしいので、ただでさえ人手不足だから、やめてほしくないらしい。
、、じゃあ、紅莉栖君は何故それに背くようなことをしてるんだろ?
「あー、あの人は元から協調性なんて皆無だったし、今更従うわけないよね」
成程、、だから、桐山さんも珍しくって言ってたのか。納得〜、、っじゃなくて!急いで中に入らせてもらおう!
会釈だけして音を立てないように部屋に入った
紅莉栖side
女のコってホント繊細だよネ〜、ちょっぴりソレっぽいコトしたら怖がって逃げちゃうんだモン♪
逃げたとしても、どこか、大体目星はつくけどネ♡
アノ子のコトだから、誰かに助けて〜!って言うダロウし、そしたら絶対にまだ久連波チャンは知らないだろうケド、彼女の部屋に連れて行くハズ!いや〜、分かりやすいナァ☆
、、と思ってたけど
「、、まさかキミがそこまで彼女に肩入れしてるとは思わなかったヨ――――霞ケ丘怜真クン♪」
ヒヤリとした首元の感覚。コレを感じるのは一体いつぶりなんだろうナ~
「肩入れはしてない。ただ、アンタが気に食わないだけ、、有栖川」
ギロリと睨まれてるな、今。ピリピリと後方から殺気を感じる
「そっかァ~、いつの間に嫌われちゃったんダロ〜?」
あくまで気づかないふりをして、飄々とした態度を貫く。こうすると、相手が勝手に苛立ってくれて攻撃が単調になるから楽チン♡
さぁて、コイツをどう遊んでやろうかナ〜♪
「、、知ってる?あの子、君がヤバい人だって気づいたみたい。」
「、、へぇ、つまり助けを求められたのはお前ってわけか~。じゃあ、バイバイ〜。それだけ言ってくれれば満足だし☆まぁ、、ヤバい人って分かったとして、逃げさせるわけないんだけどね♡」
足払いをして霞ケ丘クンと距離を置くと、彼女の部屋にルンルンで入った
、、それが、間違いだったって、彼が追ってこない時点で気づくべきだったんだけど
クソ、しくじった、、
入った瞬間、大量の睡眠薬を吸い込んでしまって、俺は寝てしまった。
バタン、と隣の部屋から人が倒れる音がして、思わず息を止めた。だって、隣の部屋っていったら、自分の部屋だから
けど、つまりは紅莉栖君が来た、ということで、、じゃあさっき倒れたのは、霞ケ丘さんか紅莉栖君のどちらかだ
前者でないことを祈りながら、霞ケ丘さんが入ってくるのを待つ。事前に終わったら入ってくるからと言われていたし
ガチャ、と扉が開く音が聞こえて、こっそりとそちらを見る
すると、なんか紅莉栖君を俵担ぎにして何故かガスマスク付けてる霞ケ丘さんの登場!!え、マジで何があった??
一旦、お疲れ様です、とだけ言って、紅莉栖君を預かった。ずっと同じ位の人担いでるの辛いだろうし
何があったんですか、と膝に置いた紅莉栖君の頭を撫でながら、真面目な顔で問うと、クスッと笑われた。解せぬ
「えーと、、まず、予想通りに有栖川が来て、ちょっと話た後にイキりながら君の部屋に入っていったよ。、、思い出すと、ちょっとキモかったな、、で、事前に仕掛けておいたトラップで、気絶したってわけ。ていっても、睡眠薬だし、いつ起きるか分かんないから、早いとこ別の場所に置いて来ようと思うんだけd」
「ふわぁ〜、、って、久連波チャン!!え?俗に言う、膝枕っていうのしてくれてンの?もぉ、女神様ジャン♪太腿柔らか〜い♡ネ、舐めてイイ?」
「駄目に決まってるでしょ!?もう、、調子狂うんだから、、」
ぶつくさ言いながら、別の場所、と言っても床の上に正座させる
「ハァ、、急に起きたと思ったらマシンガントークだし、変なこと聞かれてるしで訳分からん
聞きたいのは、さっきのチャラ男が言いかけてたこと。紅莉栖君って、どういう担当?」
「、、それは、ナイショ。君には、知られたくない俺だから。けど、二つ名、さっきの人が言いかけてたでしょ?それは、本当。まぁ、答えみたいなモンかァ、、
じゃあ、正解発表。俺の担当は、スクラップ作り。時々、そこのロボットもどきと同じでアサシンもやってるけど、大体はスクラップしてる〜
、、ねぇ、君は、こんな俺じゃ、、嫌いになっちゃう?俺は、君には、嫌われたくないんだ。ホントに、マジで。
だから、、ね、久連波。頼むから、
俺を、嫌わないで」
グリグリと頭をお腹辺りに押し付けてくる。縋るように、私の手をギュッて握りしめてくる
私達、初対面に近いのに、どうしてそこまで、、?
「嫌わないよ。そりゃ、こんなトコにいるんだし、何かしらそういうのはやってるだろうって予想ついてたし、、代わりにって言ったらなんだけど、質問。
何で紅莉栖君はそこまで私に固執するの?
だって、まだ初対面みたいなもんでしょ、私達」
彼は、ポカンとすると、一度は止まった涙がまた流れ出した
何かヤバいこと言ったっけ!?と内心パニックになりつつ、背中を優しく叩く
「久連波、はグズッ、俺のことズズッ、覚えて、ないの?」
、、え??いや、初対面でしょ、そんな派手な髪色してる人忘れるわけないし。
「この目、キレイって、言ってくれたのに、?」
、、目。目だ。何か、引っ掛かってた違和感の正体。
けど、あの子の名前は確か―――
『●●●、大丈夫?前も病院行ったって、母さんが、』
『大丈夫だよ、久連波。、、大丈夫。
俺は、死んでも君の傍を離れる気はないからね』
ザザッと砂嵐のように昔の記憶が消されていく。耳鳴りと頭痛がひどい。立ってるのもままならない、、
薄れゆく意識の中で、名前を呼んでくれたのは、
貴方は、誰?
霞ケ丘side
急に頭でを抑えて、ぐらりと揺れて倒れた彼女は、どうやら過去に有栖川と交流があったらしい。僕も、有栖川と過去にドンパチやったことあるし、その因縁が今も続いてるけど、、それより前ってこと?
涙を拭って、彼女を横抱きにすると、僕に目配せをしてきた。〘扉を開けろ〙ってことらしい、、横暴だ
仕方がないので、扉を開ける。彼女に何かあれば大変だ
本人にどうしてそこまでするのか、と聞かれたときは君の両親がそう言ってたから、とか言った。
けど、本当は違う。ただ―――――
ただ、僕が君に一目惚れしただけで。
有栖川みたいに過去に会ったことなんて全くなければ、今日の今日まで知らなかった。だから、昔から知ってたっていう有栖川が、すごく、柄にもなく、羨ましいと思った
さっき奴が言っていた通り、僕は暗殺者だ。それが家業でもあったし、ずっと、そう、生まれる前から、決められていた。長男として生を受けたから、いずれは家を継がなきゃならない。それが嫌で、チャランポランに遊んだ結果、ここに行き着いた。
やることは一緒だけど、なんか、こう、、家で、外も知らないまま仕事して、親の指示に従って、殺して、、そういうのが、なんとなく嫌だったんだと思う。
それが、今分かった。
今までは、自分の過去なんてどうでも良かったし、ただぼーっと日々を過ごしてただけだった。
けど、今は違う。
彼女と出会って、出会うべくして出会った自分の光、、天使?、みたいな久連波と出会って、まぁ、一日も経ってないけど、なんかこう、自分に素直になれた。
だから、今も、隣で彼女を抱えている有栖川に対する感情は、、嫉妬。
グルグルと、今まで味わったことの無いような激しい感情が腹の中で渦巻いてる。
、、殺そうかな
いやけど、こいつからじゃないと久連波は自分の過去を知れない。知れないと、彼女は嫌な気持ちになる、、
じゃあ、殺さない。彼女に悪影響きなることはしないって決めたから
、、けど、今回の件で、僕の株、上がってないかなー、なんて。
いつの間にか医療室に着いていて、有栖川が久連波を寝台に寝かしてた。余計なことをしないか、じーっと監視しておくのは忘れない
けど、どうやらコイツは、さっきから――久連波に過去について言ってから、コイツじゃないみたいにおかしい。どこか狂ったような話し方でもなければ、大きく目を開いているわけでもなく、寧ろ、心配そうに目を細めて彼女を見ていた
ホント、どうしたんだ?コイツ
「、、アンタは、彼女の過去、何か知ってんの?」
「知ってるも何も、俺らは友達だったからね。けど、、元の俺は、体が弱くて、、あんまり久連波と一緒にいられなかったんだけど。
だから、俺、約束したんだー
《死んでも久連波と一緒にいる》って。
それを、昔の久連波は了承してくれた。だから俺は、ここにいるのに、、」
語り終わると、またグズグズと泣き出した。僕は、そんな有栖川のらしくない姿が見たいわけでもないので、寝台で寝ている彼女を見つめていた
《ねぇ、好きな子っている?》
急にそんなマセたことを言うモンだから、驚いてどうしてそんなことを聞くのか、聞き返した。
彼は、ヘヘっ、ナイショ〜なんて言って教えてくれなかった
けど、彼の最期の時、その答えが聞けた気がする
《俺ね、久連波と一緒に色んな事して、楽しかったなぁ~、、病院抜け出して遊びに行ったり、こっそりクレープ食べたり。
ね、久連波。もし、俺が______________
って言ったら、どうする?》
それに、私は、、何て答えた?
私は、、
○○○○○?